部品Blog

―― 部品技術・部品メーカー関連の記事集.

接続/変換部品、目覚しい技術革新 セットの軽薄短小化、高機能・高性能化などに対応

2011-07-04 | 接続/変換部品



 ディスクリート部品の代表的な製品である「接続部品」と「変換部品」は、セットの軽薄短小化や高機能・高性能化、高速大容量伝送化に対応した技術革新が目覚ましい。

 これらの部品分野でも、ナノテクやMEMSなどの最先端テクノロジー活用が進んでいる。

 鉛フリー化や省資源化、省エネ化などの環境保全対応も重要な開発テーマ省エネ・新エネルギー関連などエコ関連の新規市場へのR&Dも活発化、次世代に照準を合わせた要素技術高度化に力が注がれている。


●高密度実装ニーズの広がり

 スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器の小型化・高性能化・多機能化に伴う高密度実装ニーズの広がりは、機器内部接続用コネクタの低背・狭ピッチ・省スペース化や多極化に拍車をかけている。

 同時に、通信・放送のデジタル化や高速化、データ伝送容量の増大に伴い、次世代通信規格に対応する高速伝送用コネクタの開発も活発化している。

 機器内部接続用コネクタは、超低背化へのニーズが一段と改まっている。

 基板対基板用コネクタは、携帯電話では主力が0.4mmピッチ品へと移行し、より低背化を追求した0.4mmピッチ・高さ0.8mmなどの超低背タイプの本格量産が始まっている。

 試作レベルでは、高さ0.6mm品などもリリースされている。

 FPC接続用コネクタは、0.5mmピッチおよび0.3mmピッチ品の製品ラインアップ拡充か進み、高さ0.7/0.65mmmの超低背0.3mmピッチFPCコネクタなどの開発が活発化している。

 より狭ピッチを追求した0.2/0.15mmピッチ品の開発も進む。

 高連化に対応するシールドFPC対応コネクタの開発も活発。カード用コネクタは、マイクロSIMをはじめとする超小型カード対応の製品開発が進展。


●軽薄短小・多機能タイプの開発拍車

 スイッチは、機器の小型化・多機能化に対応した軽薄短小・多機能タイプの開発に拍車がかかっている。

 中でも、スマートフォンやDSC、ポータブル・デジタルオーディオに代表される小型携帯機器向けの小型・薄型SMT対応スイッチの開発が目覚ましい。

 小型・薄型かつ良好な操作感触、高信頼性、長寿命などが追求されている。

 携帯機器向けスイッチは、4方向操作十センタープッシュスイッチや360度方向の操作と確定操作が可能な超小型多方向操作スイッチの開発が活発化。

 スマートフオン向けに需要が増加する超小型スライドスイッチの技術開発も活発化している。

 高性能カメラ付き携帯電話では、メカ式シャッタ、オートフォーカス、ズーム機能などが搭載され、これに対応したスイッチの搭載が進展している。

 オートフォーカス機能搭載カメラ付き携帯電話では、シャッタ用スイッチとしてダブルアクションスイッチが搭載される。

 携帯電話の内蔵カメラはシャッタ使用頻度が高く、DSC以上に長寿命化が必要。厚さ0.75mm程度の薄型ダブルアクションスイッチも製品化されている。

 検出スイッチも一層の小型・薄型化かつ使い勝手向上が求められ、動作方向や取り付け方法も含めたバリエーション拡充が進む。

 スイッチで培った接点技術や微細加工技術を生かし、周辺の回路なども組み合わせた操作スイッチアセンブリの形態での供給に力を注ぐメーカーも目立つ。


●タッチパネル採用拡大

 タッチパネルは、快適なヒューマン・マシンインターフェイスを実現するデバイスとして搭載アプリケーションが急増しており、特にスマートフォンやタブレット端末などで採用が拡大している。

 タッチパネルの種類には、抵抗膜方式、赤外線方式、超音波表面弾性方式、静電容量方式、電磁誘導方式などがあり、用途に合わせて最適な製品が採用される。

 モバイル用では、抵抗膜方式に加え、マルチタッチタイプの静電容量方式タッチパネルの製品化に乗り出す企業が増加している。

 小型モーターは、機器の小型化・高機能化や大容量・高速化に伴い、小型・経量化、高効率化、低振動。低騒音化などが進んでいる。

 環境に対応した「省エネ」「長寿命」タイプの製品開発も活発。

 携帯電話用モーターは、メガピクセル携帯電話市場の本格化がオートフオーカスやズームなどの新たなモーター用途を創出し、これらに向けた超小型・簿型で高性能のモーター開発が進んでいる。

 カメラ付き携帯電話のズーム駆動用モーターは、小型化に加え、ズームスピード安定化のための高精度や、低振動、耐衝撃性などが要求され、高度な技術が求められる。

 モーターの高性能化や小型化を左右するマグネットの新技術や、昨今のレアアース(希土類)高騰をうけたレアアースの使用量削減を実現する技術開発にも力が注がれている。





【記事引用】 「電波新聞/2011年7月4日(月)/19面」


最新の画像もっと見る