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台湾政府、DRAM業界再編ガイドライン提示を来週に延期 政府出資の新会社設立も

2009-02-28 |  DRAM再編



 台湾政府が、DRAM業界再編のガイドライン提示を来週に延期した。ロイター通信や台湾メディアが一斉に報じた。

 2008年末から、エルピーダメモリと米マイクロンテクノロジーを軸に、台湾のDRAMメーカーが経営統合する方向で調整を進めているが、台湾政府が設立する新会社を軸に団結する案も浮上し、検討に時間がかかっている。

 どちらにせよ、DRAM再編は最終局面に入った。


●公的資金を活用

 エルピーダの坂本幸雄社長は2月中旬に台湾に出向き、政府関係者やDRAMメーカーと業界再編で意見交換した。

 25、26日も台湾を訪れており、このタイミングで台湾政府のガイドライン提示が延期されたため、坂本社長の意見が影響しているとも業界では言われている。

 エルピーダは台湾の力晶半導体(PSC)と、PSCとの合弁会社のレックスチップエレクトロニクス、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)の4社で経営統合を交渉している。

 巨額の設備投資を実施せずに生産能力を引き上げることや、台湾の公的資金活用などが狙い。

 マイクロンテクノロジーもエルピーダと同じ狙いで、台湾の南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)とイノテラメモリーと経営統合交渉を進めている。


●政府出資の新会社

 だがここに来て、台湾政府が出資してDRAM新会社を設立する案が浮上してきた。

 新会社はエルピーダを軸とする日台連合か、マイクロンを軸とする米台連合のいずれか一方が参加する形態になりそう。台湾政府は、日米メーカーが台湾メーカーにどれだけ先端技術を出すかを重視している。

 マイクロンは、地元財界では有力でナンヤをグループに抱える台湾プラスチックと関係が深く、有利と見られていた。

 だが、エルピーダの持つ先端DRAM技術は製造コストで優位性があり、実際に合弁会社のレックスチップではパソコン用の先端DRAMを製造している。

 台湾政府は、先端技術を基盤にして台湾のDRAMメーカーを回復させる意向がある。

 プロモスの大株主・韓国のハイニックス半導体も先端技術を持つが、同社が先端技術を台湾メーカーに出さない意向のため、台湾政府が政府主導の再編からは外したと言われている。


●エルピーダがリード

 そうした観点では技術力の高いエルピーダがリードしているとも取れる。いずれにしろ台湾メーカーは著しく財務基盤が崩れているため、3月中に再編を具体化しなければ存続が危うい。

 エルピーダは、台湾政府の公的資金活用が決まれば、回路線幅50nmプロセスの先端DRAMを日本と台湾で量産する準備を進め、需要回復期でシェア拡大に乗り出す考え。





【記事引用】 「日刊工業新聞/2008年2月27日(金)/11面


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