携帯電話を始めとするモバイル機器やデジタル機器の高機能化や高速化、機器の小型化、低消費電力、低コストを実現する技術開発が進展している。
特に重要なキーテクノロジーが、IC回路の線幅や配線間隔を小さくする微細化技術。
半導体製造では現在、線幅65nmが量産ベースの最先端であり、同じ32nmを目指した開発が進められている。微細化に伴って半導体製造プロセスは、材料や装置を含めた総合的な技術力が必要になっている。
微細化とともに重要な技術が、半導体の製造コストと品質を左右するシリコンウェハーの大面積化である。
ICの基板となるシリコンウェハーはシリコン単結晶から作られる。種となる多結晶シリコンを高温の石英るつぼで融解したシリコンの中で回転し、円柱形のインゴットに成長させる。
高純度な単結晶シリコンを厚さが1mmほどの板に薄くスライスし、表面を研磨したものがシリコンウェハーとなる。
半導体メーカー各社は、直径300mmウェハーでの生産体制を確立しており、世界的な需要の拡大に対応して増強する動きを見せている。大手メーカーは2007年秋に、現在の月産70万枚から同100万枚体制にする。
シリコンウェハーは300mmウェハー1枚で、従来の200mmウェハーに比べて2~3倍の半導体チップがとれるため、コスト削減の切り札となっている。
【記事引用】 「日経産業新聞/2007年8月21日(火)/23面」