ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

メイド・イン・チャイナ。

2006年03月03日 | blog

今「だいたい」メイド・イン・チャイナです。

なんで中国で作るかっていうと安く作れるからですね。
なんで安いかっていうと人件費が安いからですね。

NIES(韓国、台湾、香港、シンガポール)製品、なんて言葉もありましたけど、
どこも人件費が高騰して、生産国は「だいたい」中国になっちゃった。

どこのメーカーも中国に生産拠点を置くので、
「競合」するためには皆、おなじ中国に目が向くわけです。

ふつう日本で生産する場合は、「人手」と「手数」を減らして「機械化」したほうが安いですが、
中国の場合は、「人手」をかけたほうが「自動化」コストよりも安かったりする。
このへん、事情(ああ、事情!)をよく知らないと、面食らうことがあります。

それがいまの現実だとして、
じゃあこの先どうするのかって、みんな考えてるんでしょうか。
考えてます?

中国は巨大市場、なんていわれているけど、それは中国の人が、
今よりおかねを持つということでしょうか。おかね。

安ければいいってモンです。
安ければいいってモンですか?
安ければいいんです。
安ければいいんでしょうか。

「最初はウチに(仕事が)来るんですけどね、
そのうち来なくなったなー、と思うと、中国でつくってる」

大田区のある加飾(※かしょく)メーカーの人の話。

「でもね、しばらくするとまた入ってくるんです。
 むこうじゃ作れないからって。…まだまだ品質がね。」

こういう話聞くと、ナミダ出そうになります。

生き残った大田区あたりの町工場は、日本で作ると高くつくので、
そのぶんの付加価値を生み出すべく、さまざまな努力と工夫をしています。
ヨーロッパやアメリカ、あるいは台湾メーカーのケータイの部品が、
じつは大田区で作られていたりする。

メイド・イン・チャイナのその先は、どうなるんでしょうね。
安いことは大事ですけど、その先には何があるんでしょうね。

「私は」

つくれるものはじぶんで作るようになりたいなぁ。
じぶんと家族のための、パーソナルなデザインをしたい。

外を想うと、想いは内に向くものです。


※かしょく…めっきや金属バッジなど、外観に「装飾」を「加える」ものの総称。
 めっき、蒸着、アルミ絞り、鍛造、アルマイト、フレクションなどなど。
 元は金属「バッジ」屋さんが多い。


ガリバー。

2006年03月03日 | blog



ケメ子のミニチュア食元が発売されたので買ってみました。

うそです。

ブラシがでかいんです。

先日の予告どおり、同居人が渋谷でついに発見した「ケメ子洗いブラシ」は、
なんと「CHEMEXロゴ入り」の「純正」です。

「純正!」に心奪われた同居人は、
けれど冷静に、確認を怠らなかった。

まずサイズを確認し、(ちいさいサイズはないんですか?→ない)
ちゃんと入るかどうかを確認し、
(仕入れ元に電話。→「入れたことないんでわかりません」)
さいごは店頭でテスト。
「どうですか?」
「うーん、あ、入った!入りました!」
「やった!」

という達成感と感動の末に、連れて帰ってきました1600円。
まぁ、素材とつくりのわりには、法外に高価というほどでもない。

ちなみに大きいサイズのケメ子も、
「腰のくびれ」の穴径は、ほとんど変わらないんだそうな。ふーん。

しかしこれを「ねじこむ」にはえらいチカラがいります。
勢いあまって割るんじゃないか、うちのケメ子を。

そして、いくらなんでも巨大すぎやしないか、同居人。

キッチンに置かれたケメ子洗いブラシは、
どう見てもスケール感がおかしくて、なんだかトイレブラシっぽい。

でもこれを買ってきちゃう同居人のセンスはなかなかのものです。
ぐっジョブ!