ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

ROCK倉庫。

2006年03月01日 | blog
あまった生バジルをこまかく刻んで、
すりおろしたにんにくとあわせてオリーブオイルに漬け込んで保存。

近所に住んでる「姉」にもらった、かわいい保存容器がぴったり。

とか夜中に言ってる35歳男、大丈夫か?
写真まで撮ってる35歳男、大丈夫か。

大丈夫。と隣で同居人が笑ってます。


「姉」は実の姉ではないのですが、なにか不思議と何年も縁が続いていて、
そのわりに一度もつきあったこともないという不思議な関係。なので「姉」。
「姉」には以前、鍋敷きをもらいましたね。

「姉」夫婦の家は、自称「ロック倉庫」で、大量のレコードとCDにあふれています。
たのしそうです。
その「姉」の生活感覚に、いつも感心するわけです。

生活を楽しむというのは、イメージするほど簡単ではない。
かなり感覚というか、アンテナが鋭くなきゃいけない。
片っ端から無印良品とデザイン家電で固めりゃいいってもんじゃないんです。

「かわいーっ」と、えらぶセンスが絶妙の線引きで、
いつも「かなわんなぁ」とおもうんです。
かなうとかかなわんとか、勝ち負けの問題じゃないんですが。

今後もよろしくお願いします。
同居人の引越しも、そろそろ片付きます。
最初のゲストはお二人に決めておりますので、ぜひおいでください。



アノニマス。

2006年03月01日 | blog



アノニマス。

「詠み人知らず」
というのが、わたしの好きな解釈です。

先日お邪魔したご近所さんの家には、絵が何枚かありました。
好きな作家がいて、好きな画廊があって、ときどき買うんだそうです。

作家に会うことはないそうです。
イメージが変わってしまうかもしれないから、とおっしゃる。

あるいは、「作り手とその作品に、同時に触れる」ということの
すばらしさがあります。

以前、友人宅でオランダ人の写真家に会いました。
のんびりとこまごました話をしたあと、
彼はおもむろに、自分の作品集を見せてくれました。

写真は、彼の「人となり」にあふれていました。
まぁつまり、エロいおっさんだったということですが(ははは)、
そのエロさの質がね。ああ、この人だなぁ。と実感できた。

そうやって「作品と作り手」に、「同時」に、
そして「個人的」に接することの贅沢さ、というものがある。
これはなかなか格別です。

そのご近所さんも、自身で絵を描かれていて、
これまたそのひとの「ものごし」とか「たちいふるまい」
みたいなものが、やわらかくくっきりとあらわれていて、素敵な時間でした。

作り手が「有名人」のばあいはどうかなぁ。
「有名デザイナーのデザイン」。

毎日更新されるWeblogを読んでいたりすると、
もう他人じゃないような気になってきますが(わははは。読んでまっせ)、
ふつうはあまり、そのデザイナーの人となりまでは伝わりません。
AXISのインタビュー読んだくらいでは、ほんの一部しか伝わらない。
ましてやフツーのお客さんにはなおさらです。

たしかに今、「スター」は必要です。
そのこと自体は、いいことだとおもいます。

この先どうなるのかな、ということをぼんやり考えたりするのです。
ピエール・カルダンとかミチコ・ロンドンみたいになるのかな。
それはそれで、面白いけれど。
フィリップ・スタルクはだいじょうぶかな。

化粧品ブランドで、「アルチザン&アーティスト(職人と芸術家)」
という名前のものがありますね。
「デザイナー&キャラクターズブランド」で「DCブランド」なんてあったなぁ。

うん、知る人ぞ知る、くらいのアノニマス加減がちょうどいいのかも、
とおもったりして。
柳宗理センセイなんかは、まさにそのあたりにいらっしゃるように感じます。

詠み人知らず。
けれど誰の心にも、さりげなく「とどまる」デザイン。
いいですね。そうありたいもんです。