ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

パナソニック、食器洗い乾燥機、NP-TM3。

2010年08月12日 | blog


紆余曲折あり、結局導入しました。食器洗い乾燥器。
我が家では愛情をこめて「家事セレブ」と呼んでいます。
あっという間に生活必需品で、必需のレベルはいきなり「ウォシュレットと同クラス」かな。

育児は本当に時間との戦いです。子供ができて、時間の感覚はほんとうに激変しました。これはうまく説明できませんが、同じような仕事をしていて「時間がない」とか言われるとポカーンとしてしまうくらい。

食器洗い乾燥器を買うということは、お金で時間を買うということです。もちろん頭ではわかっていましたが、そのリアリティが違います。

夕食後、ムスメの寝かしつけをするのですが、そのまえにお皿を洗えればいいですが、「かまってちゃん」になると放っておけず、そのままにして寝かしつけることが多いのです。

大人の食事が済んでからムスメが寝るまで、1時間半~2時間。その間、汚れた食器を放置しているというストレス。寝かしつけがすんなりいけば良いですが、「寝落ち」することもあって、寝てしまってから起き出して、汚れの固まったお皿を洗うのはなかなかきつい。

そもそも皿洗いというのは、けっこう「気を使う家事」です。割れ物を水と洗剤で洗う。刃物もある。衛生に気を使う。洗い上がった濡れた割れものを拭く。そういうことが積み重なって、面倒になる。

まぁそれを代わってくれるなら、多少の「仕上がりの悪さ」は許すよ。という思いで導入したのですが、実は仕上がり自体もなかなかのものでした。

手洗いを超えられないとばかり思っていましたが、洗浄温度が70~80℃と高いので、手洗い以上に「脱脂」されます。洗い上がりの食器に触れると、新雪のように「ギュッッギュ」と指がきしみます。これには驚き。

弱点は、木べらの先など、熱でこびりついた汚れが落ちない場合があることと、小さい生ゴミが庫内で循環して、食器にくっついていることがあります。薬味のねぎとか。でもそのくらい。仕上がりには満足です。

食器は洗うのも面倒ですが、「拭く」というのがいやですね。日東紡のふきんでも水分を完全に取ることはできないし、衛生面もそこはかとなく気になります。そこで温風でカラッと乾燥してくれるというのは実にいい。

不思議なことに、食洗機が使えない漆器とか、入り切らなかった食器を手で洗うのが、嫌じゃないんですね。「だいたい洗ってもらってるから、ちょっとくらいは」という心理なのか。

あと気づいたのは、高温のお湯で洗浄するので、排気が熱い。排水も熱い。

しかしよく進化したもんです。食器の形も汚れも様々で、これだけ不確定要素が多いのに、ここまで洗練されるとは。この複雑な食器受けの凹凸に、長年のノウハウが滲んでいます。価格もこなれていて、実売で5万ちょっとでした。据付工賃が部品代込みで一万円くらい。

なにより佇まいが、無駄な主張がなくて好感が持てます。洗濯機なんかより、よほど控えめでよろしい。

設置のために、台所のレイアウトを大幅に変更して、冷蔵庫があった場所に置きました。ここがけっこうオオゴトでしたね。大物家電で、電源と給水・排水が必要なので、まず場所を確保するというハードルがあります。そこさえクリアできれば、素直にオススメです。

Apple、iPhone4。

2010年08月07日 | blog
買ったひとも見送ったひとも、いまひとつ「府に落ちない」デザインでおなじみのiPhone4ですが。実際手にしてみると、ものすごく「板っぽい」です。かつてこんなに「板っぽい」携帯電話があったでしょうか。いや、ない。

まぁ、いくら府に落ちないとはいえ、外装にプラッチックが使われていない携帯電話というのはスゴいです。削り出しの金属フレームに、表も裏もガラスを組み合わせる。そんなプロダクトなんて…と考えてみたら、「腕時計の、いい奴」は、そんな構成でした。腕時計感覚かー。

よーく見ると、ガラスの側面のつや消し部分は樹脂のようですね。

府に落ちないといえば、壁紙も。あの水滴の壁紙のセンスはよくわかんないですね。しかも黒の単色の壁紙がない。iPadもそうなんですが。

というわけで、iPhone4もiPadも、デザインでしびれるほどの感動があるわけではないです。もちろん、圧倒的にレベルは高いんですが、3Gほどの衝撃はない。

ではだめかというと、そんなことはないです。使用感はじつに心地いい。「心地いい」というのが、じつにしっくり来ます。

早い、マルチタスク、網膜ディスプレイ。心地良さのモトは、端的に言うとこの3つ。

とにかく動作が機敏でぴしっとしています。マルチタスクの切り替えもぴしぴしっとしています。網膜ディスプレイのくっきり感もじつにぴしっと。本体デザインもぴしっとしているので、全体的に「ぴしっとさん」です。カメラもぴしぴし、なんでもかんでもぴしぴし決まると、そりゃ心地いいってもんです。しゅっとしてぴしっとして、一流のホテルマンのようです。

そもそもiPhoneの使いこなしのコツは、いかに「もっさり感を回避するか」ということばかりでした。そして、愛用していた3Gが、iOS4のおかげで劇遅になって、実用に耐えられなくなってしまったのは悲しかった。きびきび感は、ずっと渇望されていたのです。

そんなわけで、府に落ちないといえば府に落ちないですが、それでもたいそう気にいって、満足しています。なんだかんだいって、iPhoneもう手放せないですからね、洗練されて使いやすくなって、うれしい。

つまり、個々の機能やコンテンツが主役であって、ハードウエアは脇役に徹するようになった。そこまで成熟したと。だからやっぱり、ホテルマンであり、黒子ですね。

あ、もうひとつぴしっとポイントがありました。ガラスのコーティングのせいだと思うのですが、指紋がすごくつきにくい。裏もガラスなので、表も裏も指紋がつきにくい。これはどういう仕組みなのかよくわかりませんが、指紋でべたべたにならず、いつみてもぴしっとしています。

ぴしっとしゃきっとiPhoneフォー。

マルチタスクに慣れてしまうと、贅沢にもiPadがイマイチに感じてきます。秋のOSのアップデートで対応するという噂なので、そちらも期待してるで~Appleはん~