ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

ダイバーシティ。

2006年01月31日 | blog
ロハス(LOHAS)のSは、サスティナビリティーなんですってね。
ライフスタイル・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティー。

サスティナブルというのは耳慣れませんけど、これは「持続可能」というような意味ですね。
辞書によると「<開発・農業などが>資源を維持できる方法の;<社会などが>持続可能な方法を採用する生活様式の」という記述もあります。

このサスティナビリティー…というのは、よくエコロジーの話で出てきます。
「今のままの生活を続けてしまうと、資源も環境も破綻する。だから持続可能な社会を目指しましょう」
とかいうことです。
つまりそもそも、「もう持続可能な社会ではないのよ、やばいよ」という前提。

こういうコトバが、なにか「おしゃれなこと」としてハヤるのは、いいことですね。

まぁ「死角」があるとすれば、「誰のためのサスティナビリティー」か、ということでしょうか。
持続するって、「誰の」「どういう生活」を「持続」させるんでしょう。

アメリカなのか。出どころはアメリカっぽいです。
いやドイツなのか。北欧なのか。江戸なのか。養老の壁なのか。ウルルンなのか。ダッシュ村なのか。
近所にスタバとナチュラルローソンがある生活なのか。


「正解」はありません。
それぞれが信じるこたえに向かって、さまざまなトライをし続けること。
誰もが同じ道を進んだら、その道が間違っていたときは全滅です。

鍵は「多様性(Diversity)」。人間の持つ特質です。
Diversity : a range of many people or things that are very diffilent from each other.

そして、どうすればいいかわからないときは、
わかることからはじめること。

無印良品、コードレスハンディクリーナー。

2006年01月30日 | blog


取り説で確認したら、02年に購入。
さすがに充電池がヘタってきたので注文しました。

この手のサービスパーツの注文は、お店の対応が「うまくない」ことが多いですが、
これはすんなり注文できました。けっこう需要があるんですかね。
充電式ニカド電池、1680円。

ただし、ねじをはずして本体を割ったり、配線のギボシをはずしたり、
そういうものをぜんぶ元に戻して組み立てなおすのは、
フツーのひとにはちょっと難しいかも。
プラモデルに慣れ親しんだ元少年ならOK。

こういう「軽家電」が得意なメーカー、TWINBIRD製です。

けっこうロングセラーですね。
とくにグッドデザインというほど華はないですが、
けれんのない自然なデザインです。

ところで取り説には、使用済みニカド電池のリサイクルを
つよく推奨されています。

試しに無印良品の店舗で
「これ、お店でリサイクル出してもらえますか?」
と聞いたらだめでした。

惜しい!惜しいぞ無印良品。
これで、さらっとリサイクル受け付けてくれたらものすごくポイント高いのに!

というか、もしかしてほんとはできるんじゃないのか。
業務マニュアルよく読んでないだけじゃないのか。
なんかできるような気がするぞ。ねぇ。

こんど有楽町の旗艦店で聞いてみよ。



ドローグ・デザインの一輪挿し2。

2006年01月29日 | blog

花、買ってみました。造花ですけど。
さいきんFrancFrancとかでは、やたらとリアルな造花を売ってたりするわけです。

花を挿してみるとやはり完成するというか、
植物の持っている「伸びるべクトル」みたいなものがあって、
それがこの一輪挿しのデザインの「素(モト)」になっているんだなぁとかんじます。

伸びるべクトル…天に向かって伸びる↑チカラ、地に向かって根を張る↓チカラ。
「花」を挿した瞬間から、ぐぐぅっとスピード感が出るかんじ!

や、造花ですけどね。


DURALEX。

2006年01月28日 | blog


同居人の愛用品です。
もう10年(!)使ってるそうです。
とにかく丈夫であると。
気兼ねなく使い倒せるというのは、大事な性能ですね。

どことなく品があって、頑丈だけれど繊細なかんじもする。
どんな場所にも、どんな飲み物にも似合いそうです。

定番の強さ、でしょうかね。


NOKIA、3310。

2006年01月27日 | blog


続けてヨーロッパに行く機会があったときに買いました。
NOKIA欲しかったんだよねー。
GSM方式という規格で、日本ではつかえません。

独特のNOKIA TONE(着信音)とか、素朴なカンジのゲームとかもいいけど、
このスマイルにはヤラれた。

日本には電波法という法律があって、こういう電波が出るものは分解できないようになってます。日本の着せ替えケータイは、だから「殻」が2重になってるんですね。ケースを外しても中身が見えない。
でもヨーロッパにそういうのはないので、着せ替えカバーを開けると内臓がみえちゃうわけです。

その見えた内臓の板金に、ちょっとスマイルとか入れちゃうわけです。
こういう遊びはいいですねー。


ところでドイツに行ったときにこんなことがありました。

クルマ移動だったんですが、ちょっと街で別行動を取ることになり。
まぁお互いケータイも持っているしクルマにはカーナビがついてるしダイジョブさ、と別れたわけです。

ヨーロッパの多くの都市では、交差点名というのは無いんですが、ストリート名がふたつわかれば、その「交点」で地点が確定できるんですね。

そんで、大きな交差点で、じゃぁここを待ち合わせ場所にしようと電話をしてみると…

ストリート・ネームが読めない!ドイツ語だから!
あうふ、おうふ、ふぁぅぇ、と果敢にトライするも通じず。

「で近くに何がみえる?」
「えーとバーガーキング」
「ミュンヘンはバーガーキングたくさんある」
「うー…」

と考えた末に、はっと気づいて、
SMS(メール)で道路名を送ったわけです。

いやーケータイって!便利ですね!


セブンイレブン、フィリップ・スタルク・コレクション

2006年01月26日 | blog

当時は衝撃でしたねぇ。
コンビニで売られる、お手軽デザイングッズ。

あの値段でこの内容を実現するのは、
本当に大変だったんだろうとおもうんですよね。
実行した人の志(こころざし)は、相当に高いとみた。

いわゆるデザイングッズが、小学生でも買える価格で、
しかもコンビニという生活に密着した店舗で買える!
デザインの裾野をひろげるのにこれ以上の企画があったでしょうか。

うーんでもねぇ…。

スタルクにしては安い・といっても、どうしてもフツーの文具に比べたら「ちと高い」。
「地価の高い」コンビニのなかで、パッケージもかさばってたし。
けっきょくさいごは、ほこりっぽい売れ残りが安売りされて幕を閉じてたなぁ。

こういうものが手軽に安価に手に入るということは、意味があったんだとおもいます。

でもねー、品質が「安すぎた」「やすっちい」。

ボールペンは軸がヤワくて途中で折れたし、テープカッターの歯はすぐなまっちゃった。消しゴムは肝心の「ゴム」がわるすぎて消えなかった。

フツーに売ってる文具のフツーの性能が実現できなかった。

ま、デザイングッズは一般的に「高価なわりに機能や使い勝手はよろしくない」場合が多いですね残念ながら。

それでも買ったりしちゃうのは他ならぬデザイン(この場合は[みため]だけだなぁ)がいいからですが、カンジンの「みため」を支える「質感」さえもが低かった。

あ、「フツーの性能」なんて書いちゃいましたが、いま日本の、ごくフツーの文房具の性能とかクオリティ…「書き味なめらか」とか「よく消える」とか、そういうのって、ものすごーくレベルが高いですからね。


それでALESSIなんかの製品はたしかに高価ですけど、品質もそれなりにいいわけです。
日本ではみたことないような、肉厚のプラスティックの感触にびっくりする。
精度はそこそこ、バリっぽいけど、肉厚で頑強で「大人の使用に耐える」。
造形も「表面だけ」ではなく「中身が詰まった」感じがする。



…ふふ、でもこれ捨てられないんだなぁ。
探してみたらけっこう出てきたね!
ホチキスは同居人のものです。

こうやって集めてみると、やっぱりチャーミングで、
シリーズ全体に「群」としてのメッセージもあって、
うーんなかなかいいな、なんて思ってしまう。


デザインが「ハヤり」の今日このごろ、
こういう企画が再燃する日は??近いかな??

カーのデザイン。

2006年01月25日 | blog

仕事ですこし英語に触れるようになって、ある日とつぜん、「耳なれた洋楽」の歌詞…いままで「たんなる音」として聞こえていた歌詞が、とつぜん「ことば」として頭に響く瞬間というのがありました。左脳で聞いてた音が、とつぜん左右の脳が「ショート」して、右脳が反応する。音がことばになる瞬間のスパーク。

プロダクトデザインをはじめたばかりのころ、やってみるといろいろとわかることがあります。
同じようにデザインされたであろう、ほかのプロダクトデザインをみると、その意図とか思惑を「読み取れる」ようになってくる時期がある。

「ああこれこういうことやりたかったんだろうなぁ」とか、「これほんとうはこうしたかったんだろうなぁ」とか、そういうことです。

そんなことがうれしくておもしろくて、友人のクルマのなかで熱く語ってしまったことがあります。
友人は運転しながら、「へぇそう。じゃぁこのクルマのデザインからはどんな意図を読み取れる?」

はっとして考えて、考え込んで、うーん、けっきょくうまく答えられませんでした、そのときのクルマはシトロエンのAX。

クルマのデザインには、独特のデザイン言語や評価基準なんかがあって、そもそもクルマのデザインなんてしたことないしできないし、という「言い訳」もありますが、でもそれだけじゃないような気がしています。
いまだにクルマのデザインの「よしあし」はよくわからん。「好み」はあるけれど。

クルマのデザインは、というかクルマというモノは、「持っている情報量がとてつもなく多い」。
ノイズが多すぎて何を言いたいのか聞き取れない。そもそも、どれがノイズなのかすらわからなくなっている。

乗っているクルマで人柄が知れるなんてことはよく言います。これは社会的なイメージをつくる「付帯情報」。価格とかブランドとかの「刷り込み」ですね。

無印良品が日産マーチをベースに「MUJI CAR」をつくったことがあったけれど、まったく売れなかった。クルマに求められる価値観はそういうことじゃなかった。

クルマのデザインについて語るとき、「音楽の好み」や「好きな食べ物」や「異性の好み」に近い「嗜好性」もあって、好きで乗っている人には、うかつにいいとか悪いとか言えない。
自分の恋人を他人に「だめだなその女」とか言われる筋合いはないわけです。

蓼(たで。苦い草)喰う虫も好き好き。
メーカーもそのへんわかってて、あえてニガい細分化や差別化のための差別化をはかっている部分もある。

時代を超えていいデザインのクルマっていうのはありますけどね。フィアット・パンダとか。ポルシェ911とか。
ポルシェの「カエル顔」には理由があって、リアエンジンなのでボンネットはうんと低くできる。でも前輪のサスペンション構造にじゅうぶんなスペースをとるために前タイヤのうえを持ち上げて、その延長線上にヘッドランプを置いた…とかね。

今、要素技術がものすごく発達したおかげで、そういう「機能がかたちにあらわれる」こと自体がすくないし、あっても評価されにくい。

いいとかわるいとか言ってもそれは、「この女がすき」「このラーメン好き」「このバンド好き」とか言ってるのとあんまり変わんないような気がしちゃうんだよねー。

もちろん「本質をついた評価」はあるんだけれど、何が本質なのかがごっちゃになってる世界だとおもうわけです。もうわかりにくくてめんどくさい。サブカルのメインカルチャー化みたい。

だってダメダメなデザインのクルマでも、価格分の機能は果たすし、好きこのんで気に入って乗る人もいるわけですからね。そういうの意外と売れちゃったりするんだ。初代の日産キューブとか。

だからクルマのデザインについては「触れない」ことにしています。
唯一「ダメ出し」できるたしかな基準は「パクリ」くらいかなー。

もちろん好みはありますよ。
さいきん、見ても乗ってもヨカッタのは、「スズキ・スイフト」かなー。


au、鳥取三洋、深沢直人、INFOBAR。

2006年01月24日 | blog


ズボン下とかスキカルとか、ネタ切れっぽいので
ちゃんとデザインモノ出しますね。

INFOBAR、持ってました。
使ってみたくて、ほんの数ヶ月だけの契約。

いいかげん語り尽くされたというか、いまさら感のあるINFOBAR。
でも「充電器」についてはあまり語られてないんじゃないでしょうか。
それはつまり、「どうのこうの言う人」ほど「買ってない」「使ってない」ってことじゃないかと推測したりして~。

この、コードの始末がすごく好きです。
コネクタ部分がうまく隠れて、細いコードがさりげなく出ている。
使用状態を、立体的に、リアルにかんがえているとおもいます。

電源コードというのは、なぜか「無いもの」として扱われますね。
ないと動かないのに。

換気扇CDプレイヤーもそうですが、
「必ずあるものなんだから、ちゃんとしなきゃだめでしょ」
という意識が感じられます。
「死角」に目が向いている。
ヘンなシールとかはがさないのも「死角」なんですよね。


ただこうやって平置きすると、
ベッド脇のサイドテーブルで邪魔。
ものすごーく邪魔です。



さて、あなたは「死角」が見えていますか?


ナショナル・スキカル。

2006年01月23日 | blog



考えてみると皆、「だれか他人がデザインした髪型」を、アタマに乗っけて日々生活しているんである。

なーんちゃってそれは言いすぎかもしれませんが、でもまぁかなりの部分を
美容室なり床屋さんなりに「お任せ」デザインになっているのは確かじゃないですかね。

床屋にしても美容室にしても、予約しても待たされたり、カットにカラーでもしようもんなら、
映画2本見るくらいの時間がかかったりしますね。コストもばかにならなない。

セルフ坊主にするようになって、そういう問題イッキに解消しました。
「スキカル」の家庭内経済効果は絶大といえるでしょう。
クシ歯を微妙に削って好みの長さに調節したりして。

散髪するということについて、ストレスとか気兼ねとか面倒臭さとか不安とか一切ない。
慣れればこんなにいいことないです。
洒落た美容室行ったって、坊主にするのはフツーのバリカンです(床屋さんは違いますがね)。

ナショナルの品質感の高さと、けれんのないまじめなデザインには好感が持てます。
こういうのは「よくわからない」外国製とか、買う気になれませんね~。


KOKUYO、カドケシ。

2006年01月23日 | blog

カドケシ買ってるか~い?

…はぁ。
「カドケシすら買わない」人のなんと多いことか。
「あ~、知ってる知ってる」というのはいーからさ、
興味あったらちょっと買ってみようよ。

こんな構造なので、やっぱフツーのMONO消しゴムに比べたら
ちょっと「固め」ですね。
ぐにゃぐにゃになっちゃうからね。

ふでばこにいれて持って歩くには、へこみがほこりっぽくなるのが
ちょっと気になるかなー。

手に持ったときに、「うーんどこのカドから使うかな」とおもうのがおもしろい。

ものすごく自然で、機能的で、安くて、
でもすごく、デザインとしての存在感がある。
一個目まだ使い切ってないですけど、最期を見届けたいかな。

だからさ、そこのあなた。
気になるなら、ちょっと買ってみようよ。