ゲームについて。
工業製品のGUIと、ゲームとの最大の違いは、
作り手と受け手の、意識の違いだとおもいます。
以前、
「寝食を忘れる」ということについて書きましたが、
ゲームはまさに「寝食を忘れる」次元で作られています。
作り手の思い入れのレベルが、圧倒的に違う。
前回「タスク」という言葉を使いましたが、
「タスク」というのは、
「やるべき仕事」、
「やらねばならない用事」と考えてください。
「銀行ATMを操作するのが、楽しみでしょうがない」
というひとは、あまりいませんね。
…いるかな。ま、いても珍しいですよね。
でも、ゲームはそれ自体が「楽しみ」であって、
嫌々やるものではない。
「楽しませてやろう」という思いと、
「面白がるぞ」という思い。
受け手もヘタをすると、
「寝食忘れて」没頭してるじゃないですか。
その「熱愛!関係」のなかで、
「タスク」なんていう、野暮な意識はうまれない。
お互いの心持ちが、ぜんぜん違うのです。
ふつうの工業製品は、そこまで思ってもらえないです。
つねに、「めんどくささ」や「わかりにくさ」が鼻につく。
…というのは、「心情的」な部分ですが、
物理的にも違います。
まず、コントローラがいつも同じ、というのは大きな違いですね。
操作するためのボタンは、いつも同じもの。
その部分について、「学習」する必要がありません。
(例外はありますけどね ガンコンとか)
それから、基本的な操作に関しては、
暗黙の業界標準がありますね。
すくなくとも、「タスク」的な操作、
「設定系」なんかについては、突飛なものはないです。
だから、機種ごとの操作ボタンやタッチパネルで、
地味に「タスク」をこなさねばならない、
「フツーの」GUIデザインと比べるのは、
いささかキビしい。
ゲームはGUIとしてはちょっと特別。
というのは、ということです。
追伸:
日本語に「デフォルト」という言葉と概念が一般化したのは、
ゲームの設定画面のおかげです。
言いますよね、デフォルトって。