韓国にも勿論、新幹線がある。名前は韓国高速鉄道である。
これを一度でも利用したことがある人は驚くのではないだろうか。
そこには改札というものがないのだ。なんとも便利だといわざるをえない。
つまり、改札を通って予約した車両の席に座るという、
日本では常識というものが、韓国には存在しない。
いやいやそれじゃ、不正乗車が後を絶たないのではないか?
日本人なら普通はそう思う。実際不正乗車が0かといえば、0ではないらしい。
そこらへんは、韓国人も人間であるということだろうか。
しかし、その不正乗車も一般の正規のお客様の利便性を低める対策が必要な
ほどでもないらしい。
確かに損はしているがそれは僅かなもので、普通のお客様が価値を感じてくれて
さらに利用をしてくれるという得のほうが遥かに多い
ということなのだろうか。実際そうなのかもしれない。
しかし、こんなことはまず日本では起こりえないだろう。
確かに今の新幹線は昔に比べれば便利になったのだろう。
ネットで簡単に予約ができ、変更もいつでも自由に簡単にできる。
そして乗車するにあたっては、発券もせずに、所有の専用カードを改札に
かざすだけで、改札を通ることができる。
緑の窓口に並んで券を購入していた時代を考えると、それはもう便利極まりないが
韓国のようではない。
韓国ではいわば、IT化をすすめるにあたってセロベースで物事を考えたということだろう。
ゼロベースと聞くと、よく聞くフレーズで、大変そうというイメージもあろう。
BPMのことか? BPRが必要なのか?そう思う人も多いかもしれないが、
韓国のこの事例は、そこまでの重労働だったとは思えない。
ちょっとした工夫だったはずだ。しかしそれはゼロベースに基づいているのだ。
かたや日本は、従来の業務をいわばどうすればIT化できるかという枠組みでしか
物事を考えてはいない。
改札をなくすとか、
例えば東京発大阪行きの新幹線においてグリーン車の乗車率が非常に少ないなら
追加料金なしで、名古屋から大阪間はグリーンへ席を移動できるとか
という発想はまず生まれないから、そういったサービスをお目にかかることができない。
日本での取り組みは確かに便利にはなっているが、それは極めて限定的な情報化であって
電算化といっていいかもしれない。
本当の情報化の力とは、韓国のような取り組みがあってこそだ。
わずかに損をしてでも得るものが大きければ、それは是非やろう!!
そういう発想は日本では難しいだろうが、だからそれはお国柄と整理してしまっていいのだろうか。
日本のIT化が電算化で終わってしまっている理由は、他にも色々とありそうだ。