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チャノキ・3~花

 晩秋の頃に目立たない花をひっそりと咲かせる「チャノキ(茶の木)」。ツバキ科ツバキ属の常緑低木で、茶畑などでは芽を刈り込むので花を見ることはない。花は直径3センチほどで下向きに咲き、多数の雄蕊には少し小さ過ぎる花弁が5~7枚付いている。
 18世紀頃、東インド会社が中国からインド洋経由で英国に茶葉を運ぶ際に、船が赤道を通過し湿度と温度が高くなって緑茶が醗酵し、港に着いた時に紅茶になっていたという話があるが、これは真っ赤なウソ。しかし緑茶と紅茶の原料が同じなのは事実だ。Part3でお茶について触れていたが、せっかくなのでまた載せておこう。
 ウーロン茶が日本で流行りだしたのは、1970年代後半だが、このウーロン茶の原料もやはり緑茶と同じ。もちろん販売されているものはそれぞれに適した品種が選ばれているが、理屈の上では1本の樹から緑茶もウーロン茶も紅茶も出来る。お茶の種類は、まず摘みたての葉を醗酵させずにそのまま熱処理加工したのが “緑茶”。 これは不醗酵茶と呼ばれるもの。次に摘んだ葉を少しだけ醗酵させて加工すると “ウーロン茶” になる。つまり半分発酵させるのでこれは半醗酵茶。そして摘んだ葉をしっかり醗酵させたものが “紅茶” で、醗酵茶と呼ばれる。
 緑茶の一種の “煎茶” とは、蒸熱により醗酵を止めるもので日本独自の製法。これは当初は、茶葉を煎じて飲んでいたので、煎茶と呼ばれている。 “玉露”  は、煎茶の一種で、収穫前の2週間程度、日射を遮り、旨み成分のアミノ酸を増加させ渋味のカテキン類(タンニン)を減少させる工程が加えられている。
 “番茶” の製法は煎茶とほぼ同じだが、夏以降に収穫した三番茶、四番茶など成長した葉を使うのでタンニンが多くなる。また “ほうじ茶” は、煎茶、番茶、茎茶を香り付けのために焙(ほう)じた、つまり焙煎したものとなる。
コメント ( 26 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
お茶の花 (granma)
2016-10-27 19:46:47
こんばんは。
お茶の花、私も東御苑の茶畑で撮ったのですが
ブログにアップするのを忘れていました。
お茶はツバキ科なので、小石川植物園では
アッサム茶を見ましたが普通のお茶の木と
あまり変わりがありませんでした。
 
 
 
Unknown (平家蟹)
2016-10-27 20:13:39
紅茶だけに真っ赤な嘘でしたか(笑)
私もこの話を単純に信じていましたが発酵させるのも難しいだろうにそうそう巧くいくこともないですよね。
チャノキは家の周りの生け垣として利用されているのか野生とも半野生とも思われるのをよく見かけます。
 
 
 
お番茶。 (ちごゆり嘉子)
2016-10-27 22:04:39
お茶の事よくわかりました。初めての職場では、外回りのおじさんが、
はがまで番茶を、沸かしてくれ 登板の人が全職員に、配ってくれました。
懐かしい思い出です。
 
 
 
Unknown (和 さん)
2016-10-27 23:29:39
玉露の日射を遮り、旨みを増加させ渋味を減少させる工程というのがとても日本的ですね。霜降りの和牛のようにちょっと嫌らしさを感じます。
 
 
 
granma様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 07:39:01
コメント有り難うございます。お茶の種類は多いですがチャノキ自体はそれほど種類は多くないのでしょうかね。
 
 
 
平家蟹様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 07:43:22
コメント有り難うございます。船で醗酵した話は若い頃に聞いたことがありました。チャノキは当方ではほぼ植栽もののようです。
 
 
 
ちごゆり嘉子様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 07:47:35
コメント有り難うございます。お茶は日本人にとっては生活の一部ですね。
 
 
 
和さん様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 07:50:01
コメント有り難うございます。美味しいお茶作りは今でも日々研究が重ねられているんでしょうね。
 
 
 
茶の木 (かえで☆)
2016-10-28 08:58:40
当市はお茶の産地なので
大規模な茶畑が見られます。
お茶の美味しい季節ですね~♪
今週末は地元のお祭りに一日参加します。
 
 
 
チャノキ ()
2016-10-28 09:54:54
近くの畑でチャノキが咲いていますが、畑縁に数本だけ。
昔は自分の家で飲むお茶を、摘んでいたのでしょうが、今はそんな気配も感じられません。
 
 
 
かえで☆様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 12:35:46
コメント有り難うございます。そちらは茶畑が広がっていますか。でも茶畑では花はやはり見られないんでしょうね。お祭りは楽しみですね。
 
 
 
楽様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 12:38:52
コメント有り難うございます。農家の方はお茶も自前で作っていらっしゃったのすね。この界隈でも住宅地の横に20坪くらいの茶畑があります。あれでどのくらいの茶葉ができるのが知りたいですね。
 
 
 
Unknown (ディック)
2016-10-28 13:57:36
先日小石川植物園をうろついていたら、「アッサムチャ」の木というのを見つけまして…。
それが葉が大きいし、チャの木とずいぶん違うのですよ。
「ほんとかなあ…」と疑って、調べてみたいけれども、どうすればわかるのか、戸惑っております。
 
 
 
ディック様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 15:16:32
コメント有り難うございます。granmaさんのコメントにも小石川植物園のアッサム茶の情報がありました。葉っぱが大きいのですか。
 
 
 
Unknown (guitarbird)
2016-10-28 15:37:50
こんにちわ
お茶について詳しい解説、ありがたく読ませていただきました、勉強になります。
私は今は水で出す緑茶を飲んでいて、仕事にも水筒に入れて持って行っています。
 
 
 
こんにちわ (マーガレット)
2016-10-28 16:26:31
夏の間は毎日、あさ麦茶を作るのが日課でしたが、
今は、ぬるめのお湯で煎れた煎茶が美味しくなりました。コーヒー、紅茶、ウーロン茶より好きですね。
 
 
 
guitarbird様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 16:59:44
コメント有り難うございます。お茶の種類はいろいろですが、もとは同じでした。もっともハブ茶とかドクダミ茶などは別物ですけどね。
 
 
 
マーガレット様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 17:03:26
コメント有り難うございます。夏に冷やした麦茶は美味しいですね。寒くなると暖かいお茶が嬉しいです。
 
 
 
Unknown (YAKUMA)
2016-10-28 19:07:04
お茶の製法、再確認できました。
船の話は嘘なのですね。
この辺りでも道端でチャノキを見ることがあります。
花が咲いていますね。
 
 
 
Unknown (緑の惑星人)
2016-10-28 19:25:20
幼き頃、生まれた実家を次いだ叔父が開いた海苔と茶の店の開店時、店頭でお茶を炒っている香りが近所中充満していたのを、香り記憶として凄く残っています。
チャノキの花びらはなんでどれも不揃いなんですかね。
 
 
 
YAKUMA様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 21:11:13
コメント有り難うございます。学生の頃は、船の話は本当だと思っていました。チャノキの花は目立たないので、見逃すこともあります。
 
 
 
緑の惑星人様 (多摩NTの住人)
2016-10-28 21:13:44
昔は商店街に必ず1軒はお茶の店があり、店先で煎っていましたよね。とても良い香りだったことを覚えています。チャノキの花弁は小さくて不揃いですね。
 
 
 
お茶 (がちゃばば)
2016-10-29 12:15:03
コーヒー、紅茶、緑茶を朝食の後ゆっくり飲む時間が大好きです。その日の気分でどれか選びます。
栗羊羹と緑茶が今の時期美味しいです。
お茶の木から製法の違いで色々なお茶になると再確認しました。有難うございました。
 
 
 
がちゃばば様 (多摩NTの住人)
2016-10-29 17:51:41
コメント有り難うございます。私はコーヒーも日本茶も毎日飲みます。お茶の製法はいろいろ工夫されていますね。
 
 
 
Unknown (ディック)
2016-10-29 17:56:20
多摩NTの住人 さん、
何か保管情報が得られたら、アッサム茶の写真をブログに掲載しましょう。
植物関係でなく、紅茶を楽しむ関係の本、ネットなどを調べればよいのかも知れません。
 
 
 
ディック様 (多摩NTの住人)
2016-10-29 18:42:23
コメント有り難うございます。そちらの記事を楽しみにしています。
 
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