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チャノキ・2~花

 清楚な雰囲気の白い花を下向きにつける「チャノキ(茶の木)」。ツバキ科ツバキ属の常緑低木で、花弁が大きく開かず雄蕊を柔らかく包みこむような姿がとても可愛らしい。
 18世紀頃、東インド会社が中国からインド洋経由で英国に茶葉を運ぶ際に、船が赤道を通過し湿度と温度が高くなって緑茶が醗酵して紅茶になったというまことしやかな話があるが、これは真っ赤なウソ。しかし緑茶と紅茶の原料が同じなのは本当だ。
 ウーロン茶が日本で流行りだしたのは、1970年代後半だが、このウーロン茶の原料もやはり緑茶と同じ。もちろん販売されているものはそれぞれに適した品種が選ばれているわけだが、理屈の上では1本の樹から緑茶もできればウーロン茶も紅茶もできる。
 せっかくだからお茶の種類について少し調べてみよう。まず摘みたての葉を醗酵させずにそのまま熱処理加工したのが “緑茶”。 これは不醗酵茶と呼ばれる。摘んだ葉を少しだけ醗酵させて加工すると “ウーロン茶” になる。つまり半分発酵させるのでこれは半醗酵茶。摘んだ葉をしっかり醗酵させたものが “紅茶” で、これは醗酵茶と呼ばれる。
 緑茶の一種の “煎茶” とは、蒸熱により発酵を止めるもので日本独自の製法。これは当初は、茶葉を煎じて飲んでいたので、煎茶と呼ばれている。 “玉露”  は、煎茶の一種で、収穫前の2週間程度、日射を遮り、旨み成分のアミノ酸を増加させ渋味のカテキン類(タンニン)を減少させる工程が加えられている。
 “番茶” の製法は煎茶とほぼ同じだが、夏以降に収穫した三番茶、四番茶など成長した葉を使うのでタンニンが多くなる。また “ほうじ茶” は、煎茶、番茶、茎茶を香り付けのために焙(ほう)じた、つまり焙煎したものとなる。
 と、ここまでウーロン杯を何杯か飲んだので、とても気持ちが良い。
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ツルグミ

 グミ科グミ属の「ツルグミ(蔓茱萸)」。常緑つる性木本で秋に葉腋に淡褐色の花を下向きに咲かせる。先端が4裂した筒状のものは花弁ではなく萼片。果実は4~5月頃に赤く熟す。ツルグミの材質は粘り強く割れにくいため、農具、大工道具の柄、杖などに利用されるようだ。
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ラッパイチョウ

 ラッパ状の葉が珍しい「ラッパイチョウ(喇叭公孫樹)」。これは鑓水交差点から約2キロ北にある宇津貫熊野神社の樹。案内板には “皇太子殿下御成婚記念樹 大正13年1月26日” とあるので、今上天皇ではなく昭和天皇のこと。つまり樹齢は90年程度なのだろう。以前、ブロガーの方にこの樹のことを教えていただいていたので、少し足を伸ばして訪れてみた。
 樹はすぐにわかったが、枝の葉にラッパ状のものが見当たらない。落ち葉を探しても乾いて丸まったものはあるが、それはどのイチョウでも見られるもの。あきらめて石段を下りたところで、写真の葉を発見。これは単に丸まっただけでなく、ちゃんと端が繋がって筒状になっている。もっと黄葉が進めば、大量の落ち葉の中からラッパの葉を見つけ易くなるだろう。
 ここのラッパイチョウは平成15年8月に巨樹写真家の方が偶然発見したもので、案内板には 『国内では十数本しか存在が知られていない変異種。普通の扇形の葉に交じってラッパ状の葉を各枝に付ける。』 とある。さらに 『都内で確認された例がなく、他県では天然記念物に指定されていたり保存種に指定されている。』 ともあり、八王子市や東京都に、『何とか指定種にしてよ。』 という想いが滲み出ている。天然記念物に指定されるまで、南大沢から少し離れてはいるが、私が “南大沢77景” に指定しておこう。 
 すぐ近くにある八王子みなみ野駅(JR横浜線)は “みなみ野シティ” 開発にともなって平成9年に開設された新駅で、近年急速に発展している地域。厳密に言うと多摩ニュータウンではなくここは八王子ニュータウンということになる。周りにはまだまだ緑が多く、自然とうまく調和した街になることを願っている。

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コケオトギリ・2~果実

 背丈5センチほどの頭頂部に真っ赤な果実ができている「コケオトギリ(苔弟切)」。オトギリソウ科ヒメオトギリ属の一年草で、果実の大きさは2~3ミリ程度。この実が落ちて来春には芽を出すのだろうが、コケオトギリはこのほかに、よく分枝して茎の先端に肉芽を作る。その肉芽が落ちて越冬し、そこからも新しい芽が出る無性生殖も行っている。次はその肉芽を観察してみよう。
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ジュウガツザクラ

 以前、JR山手線高田馬場駅の発車メロデーに “鉄腕アトム” が使われているのを紹介したが、同じ高田馬場駅の西武新宿線ホームでは今月1日から、お味噌の “マルコメソング” が流れている。マルコメ㈱の本社は長野市にあるが、東京支社が高田馬場にあり、地元密着企業を目指す取組みのひとつだという。あの丸坊主のマルコメ君は14代目らしい。あわてて電車に飛び乗ろうとした時に ♪♪マルコメマルコメ~マルコーメみそ~ のメロディが流れてくると、思わず微笑んで立ち止まってしまうだろう。
 一方東京メトロ銀座線の駅では、明日から4駅で新たに発車メロディを流すことになった。浅草駅では、隅田川に近いことから “花(滝廉太郎作曲)” が選ばれ、上野駅では、上野公園の桜にちなんで森山直太朗さんが歌った “さくら” になり、また銀座駅では、数多い銀座の曲の中から何と “銀座カンカン娘” が選ばれたようだ。ご当地発車メロディは、関東では平成9年にJR蒲田駅で “蒲田行進曲” を流したのが最初で、それ以降、様々な駅で導入されている。発車メロディを集めたCDも出ているようで、鉄道ファンにはたまらないだろう。
 さて写真は南大沢5丁目のマンション横で見つけた「ジュウガツザクラ(十月桜)」。バラ科サクラ属の落葉高木で、年に2度開花する園芸品種。マメザクラ(豆桜)とコヒガンザクラ(小彼岸桜)との雑種で、白花や薄紅色などいろいろあるようだ。
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