goo

キンモクセイ・2~芳香

 数日前から街に漂う「キンモクセイ(金木犀)」の香り。この界隈では公園や庭木に多く植えられていて、この香りを嗅ぐと心がワクワクする。
 人気女流作家、恩田陸さんの 『夜のピクニック』 や 『ネバーランド』 と言えば爽やかな青春小説だが、その 『ネバーランド』 の主人公の一人、美国(よしくに)が、走ることについて触れている部分がある。以下に少し抜粋するが

 “中距離は競技としては面白いものの、ただトラックをくるくる回るのが不満なのだった。(中略)彼は普段の練習で一人黙々と走りながら左右を流れていく風景を感じているのがいちばん好きだった。視界の隅にちらっと入る空に浮かんだ雲や、澄んだ香りを放つキンモクセイを貫く木漏れ日が、空っぽになって走っている無防備な自分の中に焼き付く瞬間を感じるのが好きだった。そうして毎日走っていると、風景の流れるテンポの方が身体にしっくりくるようになって、走っている間こそが自分の時間だと感じるようになる。”

 という文章。恩田さんはランナーの気持ちが本当に良くわかっているとつくづく感心している。私のランニングの時の気持ちは、まさにこの通りで、風景の流れるテンポが身体のリズムに合うと、疲れを感じない至福の時間になる。キンモクセイはモクセイ科モクセイ属の常緑小高木。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

ヤブマメ・1~花

 私の背中の粉瘤腫(皮膚の下に油脂・老廃物が溜まり膨れたもの)切除手術は明後日の午後を予定している。メスでチョンと切るだけなので、おそらく20分も掛からない簡単な手術と聞いている。ただ気になるのはこの粉瘤腫のある場所がちょうど背骨のライン上にあり、半年前にかかりつけの内科主治医に相談した時に 『微妙なところにあるので、化膿したらまずい。』 との意見を貰っていた。手術は天下の北里研究所病院なのでヤブ医者ではないだろうが、手術予約時に、形式的とはいえ “手術同意書” に署名させらるとやはり緊張する。
 写真は長池公園の藪に蔓延っている「ヤブマメ(藪豆)」。マメ科ヤブマメ属のつる性一年草で、名前の通りあちらこちらの藪で普通に見られる。このヤブマメには閉鎖花があるはずだが、これは次回の宿題にしておこう。メスの傷跡もうまく “閉鎖” してくれると有り難い。
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )