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ラッパイチョウ

 ラッパ状の葉が珍しい「ラッパイチョウ(喇叭公孫樹)」。これは鑓水交差点から約2キロ北にある宇津貫熊野神社の樹。案内板には “皇太子殿下御成婚記念樹 大正13年1月26日” とあるので、今上天皇ではなく昭和天皇のこと。つまり樹齢は90年程度なのだろう。以前、ブロガーの方にこの樹のことを教えていただいていたので、少し足を伸ばして訪れてみた。
 樹はすぐにわかったが、枝の葉にラッパ状のものが見当たらない。落ち葉を探しても乾いて丸まったものはあるが、それはどのイチョウでも見られるもの。あきらめて石段を下りたところで、写真の葉を発見。これは単に丸まっただけでなく、ちゃんと端が繋がって筒状になっている。もっと黄葉が進めば、大量の落ち葉の中からラッパの葉を見つけ易くなるだろう。
 ここのラッパイチョウは平成15年8月に巨樹写真家の方が偶然発見したもので、案内板には 『国内では十数本しか存在が知られていない変異種。普通の扇形の葉に交じってラッパ状の葉を各枝に付ける。』 とある。さらに 『都内で確認された例がなく、他県では天然記念物に指定されていたり保存種に指定されている。』 ともあり、八王子市や東京都に、『何とか指定種にしてよ。』 という想いが滲み出ている。天然記念物に指定されるまで、南大沢から少し離れてはいるが、私が “南大沢77景” に指定しておこう。 
 すぐ近くにある八王子みなみ野駅(JR横浜線)は “みなみ野シティ” 開発にともなって平成9年に開設された新駅で、近年急速に発展している地域。厳密に言うと多摩ニュータウンではなくここは八王子ニュータウンということになる。周りにはまだまだ緑が多く、自然とうまく調和した街になることを願っている。

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コケオトギリ・2~果実

 背丈5センチほどの頭頂部に真っ赤な果実ができている「コケオトギリ(苔弟切)」。オトギリソウ科ヒメオトギリ属の一年草で、果実の大きさは2~3ミリ程度。この実が落ちて来春には芽を出すのだろうが、コケオトギリはこのほかに、よく分枝して茎の先端に肉芽を作る。その肉芽が落ちて越冬し、そこからも新しい芽が出る無性生殖も行っている。次はその肉芽を観察してみよう。
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