犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

声調言語と遺伝子

2007-08-20 02:07:48 | 言葉
 今,タイのバンコクに来ています。クーデター政権の憲法の信任投票が行われ,即日開票の結果信任。年内に総選挙が行われるそうな。

 ところで,なんかわけのわからない記事があった(→リンク)。

 中国語など抑揚によって単語の意味が異なる声調言語が存在する背景に遺伝学的要因があるとの説が、米科学誌「サイエンティフィック・アメリカン」9月号に掲載された。
 英エジンバラ大学のロバート・ラド教授(言語学)らによる研究チームは、「中国語や西アフリカのヨルバ語のように声調だけで意味が異なる単語が多い言語は遺伝的な起源がある」と指摘した。
 例えば、中国語の場合、「マー」という発音は、声調によって「媽(母)」「馬」など複数の意味で使われる。英語の場合、音の高低によって感情の違いを伝達することはあるが、意味が変わることはない。
 ラド教授らは、突然変異形態の2つの遺伝子を持つ人々に抑揚がない言語を使う傾向がみられるという事実を発見したという。
 突然変異は知的能力や脳の大きさとは関係ないが、人が言語を習得する方式に変化をもたらすことがあり得るという。米ノースウエスタン大学のパトリック・ウォン教授(神経学)は「遺伝的連関性が存在するならば、人間が音の高低を聞き分け理解するのに役立つ」と指摘した。
 また、カリフォルニア大サンディエゴ校のディアナ・ドイチ教授は「声調言語を使う人々は音の高低を完璧に発音しようとする傾向があるが、遺伝的な起源は存在しない」と自身の研究を基に反論した。
 ラド教授は、非声調言語圏の人々が声調言語を習得する際、突然変異遺伝子がどのような影響を与えるかについては、今後の研究で立証するとしている。
8月16日朝鮮日報

 タイ語も声調言語で,「マー」が声調によって「馬」「犬」「来る」などの意味になる。

 中国人もタイ人もベトナム人も,全員,正しく声調言語を使えているはずだけど,じゃあ全員遺伝子が同じってこと? 

 非声調言語圏の人々(たとえば私)が声調言語(たとえばタイ語)を習得する際,「突然変移形態の2つの遺伝子」を持っていたら「抑揚がない言語を使う傾向」があるので,勉強しても習得は不可能ということでしょうか。

 私がタイ語で挫折したのは,遺伝子のせいだったんだ!

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2 コメント

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抑揚 (スンドゥプ)
2007-08-20 09:11:50
イントネーションの話しにアクセントの話を持ってくることが妥当かどうかわかりませんが、日本の一部の地方ではアクセントが無いところがありますね。(崩壊アクセントと言うのだそうですが、聞こえは悪いですね)
でも遺伝でしょうか?(北関東、南東北、九州の一部)
日本語はアクセントの位置によって意味が変わります。でも英語では一部の単語で動詞と名詞が異なるくらいです。韓国語は?
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アクセント (犬鍋)
2007-08-21 03:06:53
韓国語は,アクセントによる意味の区別はないはずです。

そのかわり,ハングルでは表示できない長短母音の違いで意味が変わると主張する学者がいるけれど,これもほとんど機能していないと思います。

例) ヌン(目),ヌーン(雪)
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