韓国の大統領選挙が近づいてきました。韓国では略して大選といいます。
私の記憶に残っている大選は、1988年から。
当時、韓国のことは何も知りませんでしたが、職場で韓国からの留学生がアルバイトとして働いていたので、たまに「遠い国の話」として韓国のことを聞くことがありました。
このころ、韓国は出国が自由でありませんでしたから、日本への留学は大変だったようです。お父さんは資産家で、テグで新聞社を経営していたそうですが、全斗煥大統領の時代にマスコミが統廃合され、新聞社は閉鎖。全斗煥に対する恨みは相当なものでした。
そのころ、韓国は民主化運動が激しくなり、全斗煥の次は文民政権が確実視されていました。
初の文民大統領の候補者は金泳三と金大中。そして、軍人出身の盧泰愚、そこへ金鍾泌が加わって一盧三金の激しい選挙戦が展開されました。
金泳三と金大中のどちからが譲って野党が候補者を一本化すれば勝利は確実だったのですが、両者は最後まで互いに譲らず、野党は分裂したまま選挙日を迎え、盧泰愚に敗れました。
このときの対立軸は、軍人vs文民でした。しかし、次の選挙で金泳三と金大中が争ったときは地域間対立がクローズアップされました。
それまで韓国の大統領の出身地は、朴正煕が大邱、全斗煥が陜川、盧泰愚が大邱ですべて慶尚道。特に1980年の光州事件では、全羅道で起きた暴動を慶尚道出身の軍人たちが鎮圧し、数百人の犠牲者を出したため、全羅道民の慶尚道に対する憎しみが激しかった。
結局、全羅道初の大統領の登場は1998年の金大中まで待たなければなりませんでした。
このころから、韓国政治の対立の軸は地域よりもイデオロギーになってきました。金大中は保守層に対して厳しく、北朝鮮に対しては寛容な「太陽政策」をとった。朝鮮戦争を知らない世代に親北朝鮮の雰囲気が広がりました。
2002年の盧武鉉は完全に左派でした。盧武鉉は慶尚道、釜山出身でありながら金大中と同じ路線をとったことから、地域対立の軸は陰に隠れました。
李明博は大阪の出身ですね(父親は慶尚道浦項)。
今回の大統領選は、野党側候補が誰が出てくるかで変わりますが、もし文在寅(金泳三と同郷)が出てきたら、文氏は盧武鉉の後継ですから、地域対立ではなく右派(朴)対左派の構図でしょう。
安哲秀(釜山出身)はまったく新しいタイプなので、地域対立でもイデオロギー対立でもなく、強いていえば新旧対立でしょうか。
最新の画像[もっと見る]
-
大阪便り~新幹線 1日前
-
大阪便り~タイ料理 3日前
-
大阪便り~飲み屋めぐり 5日前
-
大阪便り~飲み屋めぐり 5日前
-
スイングをかける 1週間前
-
梅雨のワイン会 1週間前
-
梅雨のワイン会 1週間前
-
梅雨のワイン会 1週間前
-
梅雨のワイン会 1週間前
-
やられたらやり返す 2週間前
いわゆる、民主国家の中でイデオロギーの火種が残っているのは、北朝鮮との分断国家である韓国の事情によるところが大きいということなんですかね。
さて、日本も衆院解散、総選挙が決まりましたが、日本の総選挙の争点は実におぼろげです。
地域主権、統治機構改革など反対する党はないし、脱原発といっても、与党として責任を負えばできることは限定的なものでしょう。
しいていえば、TTPあたりでしょうか。TTPは自民党、民主党も党内で意見は集約できないでしょうから、この際、TTPで政党改編してくれたら良いかもしれません。
朝鮮戦争を経験した世代は共産主義にアレルギーがありますが、若い世代は、北の自主路線がエライと思っている人がいて、親北の感情が根強いようです。
日本の選挙の争点は…
私もよくわかりません。