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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

素数/小数

2007-09-27 00:16:00 | 韓国の漢字語
 この世で博士が最も愛したのは,素数だった。

 1と自分自身以外では割り切れない,一見頑固者風の数字のどこにそれほど魅力があるのか,最初のうちはほとんど理解できなかった。

 私が推察するに,素数の魅力は,それがどういう秩序で出現するか,説明できないところにあるのではないかと思われた。約数を持たないという条件を満たしながら,一個一個は好き勝手に散らばっている。数が大きくなればなるだけ見つけるのが難しいのは間違いないにしても,彼らの出現を一定の規則によって予言するのは不可能であり,この悩ましい気紛れさ加減が,完璧な美人を追い求める博士を,虜にしてしまっているのだった。「100までの素数を書き並べてみよう」ドリルの宿題の続きに,ルートの鉛筆で,博士は数字を書き連ねていった。

2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,7,83,89,97



 家にあった「博士の愛した数式」を読了しました。

 日本でベストセラーになって,映画化までされたそうですね。とても面白く読みました。

 ところで,この小説,韓国でも翻訳されたようです。

 小説の中で重要な役割をする「素数」,韓国語でちゃんと読者に理解されただろうか。というのも,韓国語で「素数」は 소수 と書くのですが,これは「小数」と綴りが同じ。かといって,同音異義語ではない。発音は,素数のほうがソッス,小数がソスです。

 かつては,二つを綴りの上でも区別するために,素数のほうを 솟수 と書いたようですが,89年の正書法改訂によって,漢字音にシッオッパッチムをつけないことにしたために,素数は 소수 と書かれ,小数と見分けがつかなくなりました。紛らわしいことです。
 でも,この原則は完全には守られていなくて,「数字」(スッチャ)は 수자 ではなく 숫자 と書く。

「素数」と「小数」のように,厳密に書き分ける必要がある用語については,例外にすればいいのに,とお節介ながら思ってしまいます。

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