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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

カメルーン出身の青年

2019-12-12 23:24:33 | 飲む
 夜の飲み歩きの楽しみの一つに、飲み屋での「出会い」があります。

 近年、日本には外国人観光客が増えています。大阪も例外ではありません。私が住んでいる新大阪駅近くには、ホテルの建設ラッシュで、新しいホテルがオープンするたびに、周辺を歩く外国人の数も増えていきます。

 先日、行きつけのバーで飲んでいると、ママさんが、入口に向かって、


「ハーイ!」

と声を掛けました。そして私に向かって小声で、

「犬鍋さん、アメリカ人が来た、ちょっと助けて」

 
振り向くと、黒人の若い男性が、ニコニコしています。

「このまえも来たのよ。そのときはたまたま隣にいた人が英語ができたから助かったけど」

 もう一人いた常連さんと、かわるがわる英語でコミュニケーションを試みます。
それを通して分かったことは…。

 一週間前に初めて日本に来たこと。
 観光で来たこと。
 あしたアメリカに帰ること。
 今20歳で、アメリカのバージニアに住んでいること。
 もともとアフリカのカメルーン出身で、子供のときに移民したこと。


「カメルーン! ヤウンデですか」

「よく知ってますね。そうです。ヤウンデから来ました」


 子どものころに覚えた「世界の国々首都」の知識が役立ちました。

「家族で移民したのですか」

「両親は亡くなっていて、叔母に連れられて、姉といっしょに、7歳の時にアメリカに行きました」

「そのとき、英語はできましたか?」

「いいえ、カメルーンではフランス語しかできませんでした」

「フランス語! アフリカの言葉は?」

「私はできません。家族ともフランス語でした」


 ここでちょっとフランス語を使ってみました。すると、びっくりした顔をして、フランス語で応じてくれました。

「でも、最近はフランス語使わないので、忘れてきました。今は英語のほうが得意です」

「今は学生ですか」

「はい、大学でクリミノロジーを勉強しています」

「クリミノロジー?」


 スペルを教えてもらうと、Criminology。犯罪学でした。

「警察官になりたいんです」

 さらに深堀して話を聞くためには、私の英語の語彙が足りなすぎるために断念。

 そのとき、バーのドアが開いてもう一人のお客さんが。

「ああ、〇〇さん、待ってたわ」


 前回、カメルーンの青年が来たときに居合わせて、英語の通訳をしてくれた常連さんを、ママがラインで呼んだのでした。

 すでに店での滞在時間が2時間を過ぎ、酩酊状態に入っていたので、バトンタッチ。

 彼が7歳でアメリカに移民し、英語を勉強し、大学で犯罪学を勉強し、警官になろうと思うに至った経緯について聞きたかったのですが、それは、彼がリピータ―として再度大阪に観光に来て、このバーを思い出して、彼が来たとき、僕の単身赴任がまだ続いていて、このバーでたまたま飲んでいた時のお楽しみにしようと思います。
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