性について(リンク)
「性」や「数(すう)」は、普通の名詞を文法用語に転用したものですが、「人称」はもともと文法用語です。
私がこの言葉に最初に出会ったのは、「数」(単数形、複数形)と同じく、中学の英語の授業でした。
人称代名詞というものがあって、一人称、二人称、三人称のそれぞれ単数、複数を覚えました。
一人称は単数が I で複数が we。二人称は単数と複数が同じで you、三人称単数は三つあって he、she、it、複数は一つしかなくて they。
一人称は単数が I で複数が we。二人称は単数と複数が同じで you、三人称単数は三つあって he、she、it、複数は一つしかなくて they。
英語において、人称は重要な文法概念らしいのですが、ピンと来ませんでした。
たんに、日本語の訳語の「私、私たち、あなた、あなたたち、彼、彼女、それ、彼ら・彼女ら」を対応させて覚えましたが、普通の名詞と何が違うのか、よくわかりませんでした。
日本語では、人称という概念は重要ではないからですね。
「性」や「数」のときに見た通り、人称が他の言葉の形に影響を及ぼす場合、その言語に「文法的な人称がある」ということができます。
英語の場合、人称は、be動詞の活用に影響を与えます。
現在形の場合、I am、you are、he/she/it is、we are、they areというように。
でも、日本語の場合、「~は~です」という言い方は、どの人称でも変わらない。
また、英語の一般動詞の場合、三人称単数の現在形のみ、動詞に-sという語尾がつく。しかし、日本語は、主語が私だろうが、彼だろうが、動詞の形は同じ。
つまり、日本語には「文法的人称」がないのです。
これがフランス語になると、etre(英語のbe動詞に当たる)だけでなく、一般動詞も人称・数によって活用します。話し言葉では、6つの人称(単複)で、3種類の活用だったりしますが、書き言葉になると同じ発音なのに別の綴りになります。さらに、時制(過去、未来)や法(条件法、接続法)に応じて、人称変化も異なるので、英語よりよっぽど複雑です。
今、私が勉強しているロシア語では、ほとんどの動詞の6つの人称(単複)の活用形が異なるので、ほんとうに大変です。
例えば、読むという意味のчитатьという動詞の現在活用は以下の通り。
例えば、読むという意味のчитатьという動詞の現在活用は以下の通り。
читать | 単数 | 複数 |
1人称 | я читаю | мы читаем |
2人称 | ты читаешь | вы читаете |
3人称 | он читает | они читают |
同じ、インド・ヨーロッパ語の中でも、「文法的人称」がもっとも発達していると言えるでしょう。
さらに所有代名詞(my、your、his、her、our、theirの類)が、修飾する名詞の性・数に応じて変化しちゃうので、覚えるのにほんとうに苦労します。
半分、ボケ防止のために始めたロシア語学習ですが、初等文法に出てくる活用を覚えきる自信がありません。
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