goo blog サービス終了のお知らせ 

犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

人称について

2021-05-02 23:09:20 | 言葉
性について(リンク
数について(リンク

 「性」「数(すう)」は、普通の名詞を文法用語に転用したものですが、「人称」はもともと文法用語です。

 私がこの言葉に最初に出会ったのは、「数」(単数形、複数形)と同じく、中学の英語の授業でした。

 人称代名詞というものがあって、一人称、二人称、三人称のそれぞれ単数、複数を覚えました。

 一人称は単数が I で複数が we。二人称は単数と複数が同じで you、三人称単数は三つあって he、she、it、複数は一つしかなくて they。

 英語において、人称は重要な文法概念らしいのですが、ピンと来ませんでした。

 たんに、日本語の訳語の「私、私たち、あなた、あなたたち、彼、彼女、それ、彼ら・彼女ら」を対応させて覚えましたが、普通の名詞と何が違うのか、よくわかりませんでした。

 日本語では、人称という概念は重要ではないからですね。

「性」や「数」のときに見た通り、人称が他の言葉の形に影響を及ぼす場合、その言語に「文法的な人称がある」ということができます。

 英語の場合、人称は、be動詞の活用に影響を与えます。

 現在形の場合、I am、you are、he/she/it is、we are、they areというように。

 でも、日本語の場合、「~は~です」という言い方は、どの人称でも変わらない。

 また、英語の一般動詞の場合、三人称単数の現在形のみ、動詞に-sという語尾がつく。しかし、日本語は、主語が私だろうが、彼だろうが、動詞の形は同じ。

 つまり、日本語には「文法的人称」がないのです。

 これがフランス語になると、etre(英語のbe動詞に当たる)だけでなく、一般動詞も人称・数によって活用します。話し言葉では、6つの人称(単複)で、3種類の活用だったりしますが、書き言葉になると同じ発音なのに別の綴りになります。さらに、時制(過去、未来)や法(条件法、接続法)に応じて、人称変化も異なるので、英語よりよっぽど複雑です。

 今、私が勉強しているロシア語では、ほとんどの動詞の6つの人称(単複)の活用形が異なるので、ほんとうに大変です。

 例えば、読むという意味のчитатьという動詞の現在活用は以下の通り。

читать
単数
複数
1人称
я читаю
мы читаем
2人称
ты читаешь
вы читаете
3人称
он читает
они читают

 同じ、インド・ヨーロッパ語の中でも、「文法的人称」がもっとも発達していると言えるでしょう。

 さらに所有代名詞(my、your、his、her、our、theirの類)が、修飾する名詞の性・数に応じて変化しちゃうので、覚えるのにほんとうに苦労します。

 半分、ボケ防止のために始めたロシア語学習ですが、初等文法に出てくる活用を覚えきる自信がありません。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幼児語 | トップ | 緊急事態宣言下の飲み会 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

言葉」カテゴリの最新記事