スペインに出張したとき、スペインは大手銀行が倒産の危機に瀕し、公的資金を注入するかどうかで世論が騒然としていました。
一方、テレビをつけると、やはり経済危機に見舞われているギリシャで反独デモが頻発しているというニュース。ドイツがギリシャに対する支援を渋っているからですね。
ギリシャについて、韓国の新聞にこんな記事が。(朝鮮日報6月24日)
【コラム】ギリシャと韓国の長時間労働
ギリシャの年間労働時間は欧州最長、労働生産性低く経済転落
労働時間がギリシャよりも長い韓国、その効用は限界…能力開発と生産性に悪影響
欧州で最も勤勉な国を挙げよと言われたら、ほとんどの人がドイツを思い浮かべるだろう。米国の世論調査機関、ピュー・リサーチ・センターが最近、ドイツ、フランス、英国、イタリア、スペイン、ギリシャ、ポーランド、チェコの欧州8カ国で実施した世論調査でも、そのような結果となった。「どの国の人が最も一生懸命働いていると思うか」との質問に、7カ国の国民がドイツを1番に挙げた。一方「最も働かない国」としては、ギリシャが5カ国中1位となり、体面を傷つけられる形となった。
しかし、ギリシャの世論は全く違っていた。ギリシャ人の60%は、自分たちが最も一生懸命働くと回答した。これは全く根拠のない主張ではない。経済協力開発機構(OECD)の雇用統計を見ると、2010年のギリシャの年間労働時間は2109時間で、欧州で最も長い。ドイツは1419時間で、オランダ(1377時間)、ノルウェー(1414時間)と共に労働時間が最も短いグループに入る。ドイツ人よりも年間690時間も多く働いているにもかかわらず、ギリシャ人は「怠け者の民族」とばかにされるのだから、実に悔しいことだろう。
ギリシャの評判が低下した理由はほかにもある。ギリシャはEU(欧州連合)などの金融支援や民間債権者との債務交換などを通じ、計3800億ユーロ(約37兆7800万円)の支援を受けた。これは、昨年のギリシャの国内総生産(GNP)2150億ユーロ(約21兆3800万円)の約2倍に当たる。このように他国の資金を湯水のように使いながら、自分たちの身は削れないと開き直っているため、色眼鏡で見られるのも無理はない。
さらにギリシャの労働とドイツの労働は質が異なる。ギリシャは欧州で唯一、年間の労働時間が2000時間を超える。しかし国民所得は最低レベルにとどまっている上、国の経済は低迷し続けている。製造業の基盤が不十分ということもあるが、結局はギリシャ人の時間当たりの労働生産性が低く、働き方が非効率的であることが原因となっている。ギリシャの長時間労働は決して自慢にはならないのだ。
韓国は年間労働時間が2193時間と、ギリシャよりもさらに長い。OECD加盟国中、韓国が1位、ギリシャが2位だ。韓国の長時間労働とギリシャの長時間労働の価値はどれほど異なるだろうか。韓国はかつて、先進国に追い付くため、より一生懸命働くべきだと考え、長時間労働を当然のこととして受け止めてきた。世界最長の労働時間を、韓国人の勤勉さを示す指標だと考えた。韓国経済がここまで成長したのは、このような長時間労働のおかげだともいえる。
しかし、長時間労働の効用はすでに限界に達している。家庭を犠牲にし、勤労者の健康や安全を脅かし、能力開発の機会を減らし、生産性を低下させるという副作用の方が目立っている。上司の顔色をうかがうような韓国特有の企業文化のため、会社員たちは不必要な残業を行うなど時間の浪費が多い。女性、青年、高齢者の就業が難しく、経済活動参加率が低いことも長時間労働の文化と関連がある。
韓国経済が「先進国に追い付く」という目標を超えて、もう一歩進むためには、労働の質と生産性、効率性を高めなくてはならない。体で企業の成長に貢献する勤労文化から抜け出すべきだ。企業も最近は「work hard(一生懸命働こう)」ではなく「work smart(賢く働こう)」をテーマに掲げている。無条件に一生懸命働くよりも頭を使って創意的に賢く働くべきというわけだ。
このような側面から、政府が今年に入って労働時間の短縮を推進したところ、財界の反発に直面し、残念ながら労働時間の短縮は思うように進んでいない。人件費の負担を含む企業の懸念を無視するわけにはいかないが、労働時間短縮の努力を諦めてはいけない。労使、政界がさらに積極的に議論し、実現可能な方法を模索すべきだ。
金基天(キム・キチョン)論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
「勤勉」のイメージの強いドイツの労働時間は短く、経済危機に見舞われ、「怠け者」と指弾されているギリシャの労働時間は長い。韓国は、そのギリシャよりさらに長い…
私のイメージでは、韓国の人達がそんなに長時間労働をしているようには見えません。
今では週休二日制が定着しており、残業もそう多くない。残業をしている人がいるとすれば、残業代目当てと考えていいでしょう。残業代が出ないとなれば、残業する人はいない。
それでも統計上、労働時間が長いとすれば、工場労働がいまだに残業を強いているのかもしれません。
ところで、少し前の記事で、OECDの調査によると韓国の喫煙率がギリシャに次いで高いことを紹介しました(→リンク)
喫煙率と労働時間、相関関係がありそうな。
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