犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

犬鍋の話(3)

2006-03-29 10:49:50 | 食べる
 韓国に来て間もないころ,毎週のように家族で市場(シジャン)探検に行っておりました。

 その日は永登浦(ヨンドゥンポ)市場。
 前に南大門市場の豚の頭が並んでいるのを見て,家族にもみせたいと思っていたところ,この市場でも遠目にそれらしきものを発見しました。
 「おーい,こっちにおもしろいものがあるぞ」
 娘たちの手を引いて,近づいたところ,どうも様子が違う。
 「げーっ」
 なんとその動物の死体は犬だったんですね。
 毛をむしられて,半身がすでに切り取られ,目はかっと見開かれ,口は半開き,断末魔の形相を残しておりました。
 平素ムツゴロウさんのビデオを日本から送ってもらって愛聴していた娘たちは,顔面蒼白。
 市場探検ツアーはその場でうちきり。帰りのタクシー内ではさんざん非難されました。

 犬鍋を食べて帰った日も,娘たちに知れると口を聞いてもらえませんので,以後,家庭で犬鍋の話はタブーになりました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 犬鍋の話(2) | トップ | 犬鍋の話(4) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

食べる」カテゴリの最新記事