犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

久住昌之さん、インタビュー記事

2024-02-08 23:31:03 | 食べる

写真:漫画『孤独のグルメ』新装版

 ドラマ『孤独のグルメ』の原作者、 久住昌之さんを、『朝鮮日報』の東京支局長が取材したインタビュー記事が、今年初めの「日本語版」に載っていました。

人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者・久住昌之さん、「ひとり飯」を語る(上)
人気ドラマ『孤独のグルメ』原作者・久住昌之さん、「ひとり飯」を語る(下)1

 かなり前から、ドラマ「孤独のグルメ」の再放送(孤独のグルメ 全話イッキ見)をやっていて、妻が録画をしたものを、ときどき見たりします。

 このドラマ、韓国でも放映され、尹大統領が日韓首脳会談で言及するほどの人気ということです。

 かつて、韓国では「ひとり飯」という習慣がなかったのが、このドラマの人気もあって、最近ではかなり普及している。

 この長いインタビューで、初めて知ったことも多かった。

原作の漫画は、日本のバブル期に当たる1990年代に始まったこと、

作画担当の谷口ジローさんが2017年に亡くなったあと、漫画の連載が中断されていること、

原作者の久住昌之は、いわゆる「グルメ」ではなく、高級フランス料理とか値段の高い店には行ったことがないこと。

 「当時はバブルだということで、日本で初めてグルメブームが起きました。(中略)フランス料理、高価なワイン、どこどこ産の高級マグロなど、とんでもなくお金がかかる食べ物文化が人気でした。私はそういうのが嫌いでした。知り合いだった漫画雑誌の編集者が当時、「とうとう料理までカネがモノを言うようになって本当にイヤだ」と言いました。だから、そうでないグルメ漫画を描こうと始めたのが『孤独のグルメ』でした」

「昼食は1000円以内がいいですね。まあ物価高の時代なので、最近は1200円くらいまででしょうか。東京にはなかなかありませんね」

-ドラマの中の料理は1000円をはるかに超え、主人公は料理をたくさん注文しますが?(五郎は普通、一人で3人前くらいの料理を注文し、すべて食べる)

「たくさん食べるシーンは私の夢です。小食だから、相撲取りのようにたくさん食べる人がうらやましいんです。漫画は本来、ヒーローを描くものです。『孤独のグルメ』ではたくさん食べる主人公を『スーパーマン』にしました。ただし、主人公は酒が飲めません。弱点がなければ、それもやはりヒーローではありません。その代わり、私はよく酒を飲みます」(久住さんはほとんどのエピソードの終わりに自ら登場し、実際の飲食店の店主と一緒に、いっぱいやりながらリラックスして食事する)

 主人公・五郎を演じる松重豊さんは、撮影の前日から何も食べずに撮影に臨むんだそうです。

 とても共感した部分がありました。

「漫画に、五郎が店で怒るシーンがあります。そのセリフが『見てください! これしか喉を通らなかった!!』というものです。店主がアルバイトの学生をしかった時、五郎が腹を立てた時のセリフです。食事をしている前で、店主がアルバイト学生をしかったせいで料理がまずくなり、全部食べられなかったという意味です。実はそういう店もないわけではありません。料理を食べているのに、その目の前でしかってはいけません。私はしかられている人の気分になってしまうので、おいしくなくなる。モノを食べる時は、静かで豊かでなければなりません」

「漫画に」という但し書きがあるので、ドラマには出てこないシーンかもしれません。

 私は以前、ある回転ずしで、先輩の女性社員(それでも20代)が、たぶん入ったばかりの女性従業員に「説教」している場面に遭遇していました。

 先輩は、「レーンに並べるネタや順番には、その人の「考え」が反映していなければならない、あなたの並べ方には「考え」が見えない…」というようなことを、ねちねちと言い聞かせていました。

 それが客に対して「聞えよがし」で、説教の内容に自分自身が酔っているかのようでした。

(「回転ずし」に「考え」なんて必要なのか?)

 私は店に文句は言いませんでしたが、席にそなえられていた、「店について気になったこと」を書くアンケートの自由記述欄に、

「新人教育は客の見えないところでやってください」

とだけ書きました。

 それが改善されたかどうかは、その後その店に行っていないのでわかりません。今後も行かないでしょう。


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