今年の全日本マスターズ陸上競技選手権は8月26日から和歌山県は紀三井寺陸上競技場で開催されます。
あとちょうど一週間。思い通りにならないなりに、ケアとトレーニングを続けてきた体が、
せめて参加することに意義ある状態までは持って行けるかどうか、今日は判断のしどころです。
朝10時、Sコーチとの練習は、織田フィールです。
まずは一人で30分かけて、JOGと体操、そして静的ストレッチと動的ストレッチをして
全身の筋肉をゆるめていきます。
ややアキレス腱に突っ張りがあったので、コーチと相談し、走りは芝生の上で、40%程度の流しから
スタートしました。
芝のように不安定な表面ですと、着地はよりシビアになります。
痛い右足より、左の方がつぶれてしまうのは、17年前の古傷のため。
極端な話、左でぴょん、右でぐわ、左でぴょん、右でぐわ、というリズムの繰り返しでありながら、
左の強い足の返しを使った力のベクトルを、右は支えるだけで前へ進んでいたのが
私のこれまでの走り方です。
しかも今は左足の跳ねが十分にはできないので、右もあるていど力を出さないと止まってしまいそうな
感触です。
でも、長年支えるだけに慣れた右足は、うまいタイミングで、十分に地面をつかむ方法がわかりません。
そのため、芝生の流しで体が傾いたようになってしまっています。
この点をコーチに指摘され、2本目はまず、右のけり返しをやめるように走ります。
そうそう、先週もその「右足首を返してアキレス腱で跳ねるのではなく、地面を強く下に押して
素早く前へ太ももから返していく走り」を一週間の旅行ですっかり忘れていました。
意識すれば5本目くらいからは、うまく右足も地面を押すタイミングをつかんでくれて、
また左のアキレス腱もほぐれてくれて、左右のバランスがとれるようになってきます。
となると、次はトラックコースにでます。
しかもスパイク付き。
トラックは芝と違ってまっすぐ平坦です。
スパイクを履けば、着地は固定され、自然に地面からの反発を受けとります。
ただし、負担も大きいので、うまくやらないとアキレスの傷は深まります。
不安と期待のトラック走り、でも今日これをクリアしておかなければ
来週の全国大会でのレースが走れるわけがありません。
そんな思いもあり、70m×5本の加速走。コーナーで助走をつけつつ、地面からの反力を
すぐに前へのベクトルにすべく、太ももを素早く前へ返します。
何とかなったかと思っていると、コーチからは”石”を持って走るように指示が出ます。
足に意識が行くあまり、上半身を使えていないというのです。
石を握って走れば、否応なく腕にやや大きな力をいれて走る必要がでるので、
上半身を使うようになるという寸法です。
ただやりすぎると全身が固まったフォームになるので、石を握るのは2本だけ。
やってみると、確かにこれまで腕をうまく使ってないことがわかります。
着地の反力は、太ももで返すと同時に、腕で前へ押すこともできるのです。
加速走で走りのリズムをつかんだあとは、120Mのテンポ走。
加速後のスピード維持はフォームを崩さない機械的な動きをめざし、
仕上げは250mの快調走で、心肺に負荷をかけて走る練習は終わりになりました。
息を整えたあと、スタートの3歩をうまくでる、腰の高いクラウチングの練習を行います。
実際にスタート練習をすれば、筋肉への負荷は、加速走などの非ではありません。
タイミングだけつかんで、あとは本番の一発勝負です。
2時間の練習は、夏休み最後の10日となり、クラブ活動も復活したらしい、
多くの高校生の波の中、涼しくなった空気に助けられ、心地よい汗で
終わることができたのでした。
あとは、マッサージと整形外科でのリハビリが待っています。
そんな体のための一日です。