北海道の人口、2045年には400万人まで減少…538万人から25%減 (読売新聞 2023/01/22)
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計によると、北海道内の人口は2015年から45年にかけ、538万1733人から25・6%減少し、400万4973人となる。
日本全体の減少率は16・3%。20年時点での実際の減少ペースは推計より緩やかだったものの、全国平均より早く人口減が進む。特に過疎部では産業や行政サービスの維持が難しくなるおそれがある。
推計では、道内179市町村のうち85市町村で人口が半分以下になる。最も減少率が高いのは歌志内市だ。3585人から813人となり、77・3%減る。これは全国でも奈良県川上村(79・4%)に次ぎ2番目に高い。道内でほかに7割を超えるのは、夕張市(74・5%)、松前町(72・8%)、福島町(70・1%)。旧産炭地と、漁業の後継者不足に悩む4市町が、最も厳しい数値となった。
地域別でみると、比較的減少率が低いのが十勝だ。帯広市(11・6%)、幕別町(14・6%)、音更町(15・7%)と、19市町村中9市町村が30%未満で踏みとどまる。広大な面積を生かした畑作や酪農が、基幹産業として機能していることが背景にありそうだ。
道都・札幌市は、45年でも180万5120人で、減少率は7・5%にとどまる。中央区に限れば10・1%増と、道内で唯一、増加する見込みがある。
将来推計人口は、5年ごとに行われる国勢調査を基準に、出生や死亡、人口移動の傾向を分析して算出する。まだ起きていない出来事は計算に入らないため、北広島市で3月に開業するプロ野球・日本ハムの新球場や、30年度予定の北海道新幹線の札幌延伸、札幌五輪招致は人口変動の要素に含まれていない。
社人研の人口構造研究部・小池司朗部長は「一般に、大規模商業施設の開業や宅地開発などがあると人口が増えるため、札幌市や北広島市では影響があるかもしれない」と指摘。道内の状況について「札幌一極集中の状況は変わらない。人口急減を前提としたまちづくりを進めつつ、長い時間をかけて出生率を回復させていく取り組みが求められる」と話している。
推計人口は18年3月に公表された。新たな将来推計人口は、今年中に発表される予定だ。