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『アイルトン・セナ 音速の彼方へ』の感動

2010年にイギリスで製作された、アイルトン・セナの
ドキュメンタリー映画、『アイルトン・セナ 音速の彼方へ』の
DVDを先日購入した。



このドキュメンタリーはとても良く出来ている。
セナ財団の全面協力を得て製作されているだけあって、
貴重な映像の数々も登場しており、セナの天才ぶり、そして
ただひたすらに速さを求めたセナのピュアなまでのレース魂にスャbトが
当てられ、観るものに深い感動を刻み込むドキュメンタリーだ。



セナが絶頂期にあった80年代後半から90年代前半にかけて、
僕も例に洩れず、セナの大ファンであった。特にその頃は
日本でもF1ブーム真っ只中で、セナとプロストのチャンピオンシップ
争いが鈴鹿の日本グランプリで決まる状況が多く、フジテレビによる
F1中継は常に高い視聴率を叩き出していたのだ。



ドキュメンタリーの内容は、4歳からカートを始めたセナがF1業界に入り、
トールマン、ロータス、マクラーレン、ウィリアムズと名門チームを渡り歩き、
栄光を掴んだ姿を描いて行くが、その過程で王者アラン・プロストとのチーム内抗争や、
FISA会長のバレストルとの確執など、政治とカネがうごめくF1業界の一面を
痛烈に描きながら、その中で人生をかけて純粋に速く走り、
レースに勝つことだけをひたすら追い求めたセナの姿を描いて行く。
アラン・プロストがやや政治的な力を利用した卑怯な人物描写が
されていることから、プロストファンには辛い作品かも
しれないが、あまりにもピュアなセナとの対比でそのように
誇張されてしまう部分もあるように思う。しかし、実際にライバルとして
激しくぶつかりあった結果、仲良しでいられない状況も良くある話であり、
そう珍しいことでも無いと言える。



セナは1994年5月1日、イタリア・サンマリノGPで7周目の
タンブレロコーナーでコンクリートウォールに激突し、帰らぬ人となったが、
その直前までのオンボードカメラの映像や、ドクターヘリで病院に
運ばれる様子など、とても痛々しい映像も収録されており、当時のことが
思い出されるが、日本のフジテレビの実況スタッフなどの様子も収録
されており、懐かしい。



セナは34歳という若さで亡くなったが、ジェームズ・ディーンといい、
ブルース・リーといい、マイケル・ジャクソンといい、
早く亡くなる天才肌の人物はとても共通項が多いと感じてしまう。
彼らは常にピュアで、それ故に世の中に誤解されてしまうことも多いが、
天才的な感性で突っ走るあまり、鮮烈な印象をこの世に残して、
突然去っていく運命にあるのかもしれない。



セナに関するドキュメンタリーは他にも多くあると思うが、
このドキュメンタリー映画の出来栄えは特に素晴らしく、
昨年のサンダンス映画祭でドキュメンタリー部門賞を受賞したのも頷ける。 
愛すべき音速の貴公子、アイルトン・セナ渾身のレース人生が
収められたメモリアル作品である。
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