「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          野菜の高騰は一過性現象か?

2010-10-21 05:50:36 | Weblog
出来秋というのに今年は夏の猛夏の影響を受けて相変わらず野菜の高騰が続いている。昨日、二日酔いの解消もかねて自転車でいつも行く自由が丘の無人スタンドへ出かけたところ”間引き大根”(100円)と”わけありナス”(200円)が売っていたので買ってきた。(写真)

”間引き大根”は土地によっては"中抜き大根”とも呼ばれるそうだが、大根栽培のさい大きな太いものを作るために間引いた細い根の若い大根つきの葉のことをいう。なかなか都会のスーパー売場ではお目にかかれない珍品だ。少し苦みのあるお葉と少しから味のある小さな根がかえあみあってキムチなどにすると美味しい。

"秋ナスは嫁に食わすな”という言葉があるほど、この時期のナスは美味しい。買ってきた”わけありナス”は大小さまざま型がそろっていない。見た目も悪いがわが家では早速漬物にしたり、味噌汁の具にして食べた。

それにしても野菜は高値のまま、この半月ほど推移している。デフレというのに野菜だけは別のようだ。でも野菜の高値はこの秋だけではない。想い出してみたら、今年の小ブログ(4月28日)の"異常気象で野菜高騰”と、一個353円のキャベツを紹介していた。どうもこのところの野菜の高騰は、必ずしも猛夏だけが原因ではないようだ。

          夜の渋谷、新宿 老人のハシゴ酒

2010-10-20 07:05:31 | Weblog
昨夜、宵の口から東京の繁華街、渋谷、新宿と60数年の古い友人とハシゴ酒して歩いた。友人は僕と違ってまだ現役の社長さんで、会社の決算が終り、ほっとしたというので僕を誘ってくれた。渋谷はまだ宵の口で、まだそれほどの人出ではなかったが、駅前の飲食店街は客をキャッチする若者で一杯。最近は贔屓の店も無くなった僕らは、誘われるままに魚が売物だという店に入った。

店員が今日のお勧め品だといって氷の入ったザルに載せて新鮮な魚をみせに来た。友人はすかさず「のどぐろ」を注文した。日本海で獲れる白身の魚で東京ではなかなか食べられないらしい。メニューを見ると一匹1500円とあった。貧乏性の僕は「かます」にしたが、これとて800円もした。さすが現役の経営者だ。飲み物も店で最高の新潟の純米吟醸酒を注文したが、僕はいつも家で飲みなれている甲乙類混和の焼酎を飲んだ。

ほろ酔い気分でタクシーに乗り、友人が商売で利用している新宿のクラブに出かけた。若い時にはよく飲み歩いた寄席の「末広亭」の通りは、すっかり様変わりしていた。立ち飲み風の店や屋台風の店が増え、若い男女がたむろしていた。外国人だけの同じ様式の店もあった。僕らは店内にピアノもある高級クラブで孫のような若い女性をはべらせて高級のスコッチウイスキーを痛飲した。禁煙していた友人は、店に置いてあった「中南海」という中国の要人だけが吸うという薬草入のタバコに手を出してしまった。

80歳に近い老人二人の渋谷、新宿はしご酒の記である。二日酔い気味で朝刊を見たら”景気「足踏み」状態。1年8か月ぶりの下方修正”という大きな活字が目に飛び込んできた。

         「タバコ王国」インドネシアの値上げ

2010-10-19 05:30:56 | Weblog
二歳の幼児がおいしそうにタバコをぷかぷか吸っている写真がネットで公開されて世界的に話題となった「タバコ王国」インドネシアで来年一月から全銘柄のタバコが5%値上げされるというので愛煙家の間で恐慌をきたしている。しかし、これによって喫煙率がさがるとはあまり期待されていないようだ。

インドネシアは国内のタバコ産業保護の立場から国連の「タバコ規制枠組み条約」を批准していない。しかし、世界の禁煙の趨勢でジャカルタなどの大都市では、最近やっと公共建物内の分煙化が進んできたが、日本に比べれば規制はゆるい。テレビでもまだタバコのコマーシャルが流れている。

このため喫煙者人口は中国、インドについで世界で三番目に多く、男性の三人に一人は喫煙者といわれ、子どもの喫煙率も高い。ある統計によると、2004年の5歳から9歳までの喫煙率は2・8%もあった。この国では子どもの喫煙を禁止する法律がなく、タバコの健康被害への意識も薄いようだ。

インドネシアには,ロコ・クレテックという丁子入りの特別のタバコがある。日本でも通販などで入手でき愛好者もいるようだが、甘い香がして吸い始めると中毒になる。僕も40数年前、ジャカルタに勤務していた時、愛煙したことがあったが、当時は品質が悪く,灰がズボンに落ちるとアナがあくので、すぐ止めた思い出がある。

どうもインドネシアが「タバコ王国」なのは、このロコ・クレテックにあるようだ。このタバコは主にジャワ島で生産されており、生産関係者だけで600万人もいる。またタバコ関連税収は国家収入の5・7%もある。健康か国家収入か難しい問題だがー。

         劉暁波氏の見る現代中国の悩み

2010-10-18 06:26:04 | Weblog
2010年のノーベル平和賞を受賞した中国の反体制評論家、劉暁波氏の「産経新聞」(平成20年2月23日)への寄稿文のコピーを知人から頂戴したので、その一部を紹介する。この文章は当時「産経新聞」が連載していた「小平秘録」番外編について論評の形をとったものだ。

「小平は人民に”小康社会”(衣食が足りた社会)の実現を約束したが、現実には貧富の格差が拡大し腐敗が氾濫した。GNP(国内総生産)崇拝により環境破壊がもたらされ拝金主義者の横行、道徳が堕落、社会主義が信念の危機に陥った。今日の中国は特権階級の天国であると同時に権力を持たない大衆には地獄だ。誠実な経営者は生きていくのも困難で詐偽者,投機者が簡単に成功を収める。人間同士の信頼関係や公平さの全くない弱肉強食のジャングルと化した。血生臭さ、野蛮さ、破廉恥さにおいて西欧諸国が資本主義初期においておかした罪悪をはるかにしのいでいる」(以下略)

実際の中国の現実の社会はどうなのかー。先週の土曜日(10月16日)、テレビ東京系の番組「週刊ニュース新書」に出演していた"中国で今一番有名な日本人"の一人、在中国のコラムニスト、加藤嘉一氏(26)の話はとても興味深く参考になった。加藤氏は北京大学を卒業、現在フィナンシャル・タイムスなどに中国語で記事を書いており、中国人の間ではよく知られている存在だそうだ。加藤氏も尖閣問題が発生いらい、原稿の依頼がめっきり減り、ブログの書込みには活動を続ければ"殺すぞ”といものもあったという。加藤氏は中国人の一種の"ガス抜き”と笑っていたが、現在の中国社会の一端がわかり面白かった。

    マスコミのおかしな中国抗議集会デモの扱い

2010-10-17 05:28:10 | Weblog
昨日、ある会合に出席したあと、品川行きの都バスで西麻布に通りがかったところ尖閣問題で中国に抗議するデモ隊に遭遇した。プラカードなどから「頑張れ日本全国行動委員会」(田母神俊雄会長)の一悌団で中国大使館に抗議に向かう途中であることを後になって知った。先日、小ブログのchobimameさんのコメントな中で”日本のマスコミは何故日本国内での尖閣をめぐる中国への抗議の動きを伝えないのか”という指摘があった。実は恥ずかしながら、僕は10月2日に代々木公園で「頑張れ日本全国行動委員会」が3000人近くの支持者を集めて集会を開催したのを知らなかった。マスコミが報じないから、おそらくこれは僕だけではなかったのではないか。

昨夕帰宅してテレビをつけたら、中国の成都、成安などで大規模な反日デモが起こり、一部は暴徒化して日本の進出企業のスーパーなどの窓ガラスなど壊したと報じ、これは東京での中国大使館への抗議デモに呼応したものだという。日本のマスコミは報道しなかったが「頑張れ日本」が主催した反中国集会などは中国では一部始終伝えられ、ネットでも流されていたようである。

今朝(17日)の産経新聞を見たら一面の中ほどに大きく中国での反日デモの写真を掲げ、その従のような形で”日本の領土を守ろう”2800人行進と「頑張れ日本」などの中国大使館への抗議集会の模様を報じていた。あまり事を刺激しては、いけないという編集方針なのであろう。それはよく理解できるが、それでは何故10月2日の代々木集会の模様を完全ネグレクトしたのか。今はネット時代である。マスコミが無視してもニュースが流れてくる。下手に意識して”報道管制”をしけば、かえって事態がおかしくなる。

          小沢さんも政治家現役引退を!

2010-10-16 05:36:03 | Weblog
昨日もまた参院予算委員会の模様をテレビの国会中継でみたが、連日小沢一郎民主党元代表の"政治とカね”をめぐる問題である。もういい加減にしてくれ、と言いたくなる。菅総理は14日の自民党西田昌司議員の質問に対する答弁の中で、いみじくも"生産的でない”と言っていたが、まさにその通りだ。

そんな中で小沢一郎氏が”やわらちゃん”こと谷亮子議員の柔道現役引退の記者会見の席上に後見人みたいに姿をみせていた。世論の70-80%が小沢氏の引退を望んでいるというが、引退するのは”やわらちゃん”だ。小沢氏も同時に政治家現役引退を同じ場で表明すればよかったのだが。

”ねじり国会”での予算委員会と言うのに、肝心の予算審議は「尖閣」と「政治とカね」で”立ち往生”している感じだ。民主党の代表でもある菅総理の、まったく他人事のような歯切れの悪い答弁で審議はどうどうめぐりだ。一言、小沢氏を国会に呼ぶと答えればよいのだがー。

小沢氏は検察審議会の「強制起訴」は検察会法に違反しているとして、国を相手どり議決の無効を求める訴訟を東京地裁に起こした。どうやら自分の政治生命をかけて長期作戦に出たようだが、本当に自分よがりの政治屋である。自分の"政治とカね”の問題をめぐって国会が1年以上もからまわり状態にあるのをどう考えているのか。国家と国民のことを考え、いさぎよく身を引くべきである。身を引かないならば、民主党は引導を渡すべきである。

      岡崎トミ子国家公安委員長の変な弁明

2010-10-15 05:51:00 | Weblog
昨日の参院予算委員会で西田昌司・自民党議員が岡崎トミ子国家公安委員長が平成15年韓国のソウルの日本大使館前で行われた反日デモに参加した問題(小ブログ9月18日)を取り上げ菅総理に岡崎氏が閣僚として不適格ではないかと、任命責任を質問した。

菅総理はこれに対して岡崎氏はすでに深く反省し、現在は閣僚としての責務を果たしていると答弁、岡崎氏も同じことを言い、頭を下げた。これに対して民主党の委員席から大きな拍手がわいた。西田議員も”なんのための拍手だ”と指摘していたが、まったくその通りだ。議員としての質が問われる。

答弁にたった岡崎氏はスーツの胸に大きな黄色いバッジをつけていたが、このバッジは一昨日の衆院予算委では仙谷官房長官の背広のエリにもあった。なんのバッジだかしらないが、二人の日ごろの言動からみて、僕は"日の丸”"君が代”反対同盟の同志の印ではないかと勘ぐった。

岡崎大臣は短い"反省”の中で、デモに参加したのは歴史に対するものだったと答えていた。大臣のいう"歴史”というのは"従軍慰安婦”のことだが、日の丸に×印のプラカードを掲げたデモ隊と一緒に、日本国の代表ともいえる大使館の建物の前で拳をあげて抗議していたが、果たして韓国のいう"従軍慰安婦"問題は、歴史として検証済みなのか。

仙谷官房長官も岡崎国家公安委員長も変な自虐史に固まっているように僕の目にはうつる。たまたまチリで落盤事故の作業員が奇跡的な生還を遂げ、国中が大きな国旗を掲げ国歌でわいているシーンを何度もテレビの画面でみた。岡崎大臣は、国旗に×印のプラカードを掲げたデモ隊に参加していた人物である。チリのこのシーンをどのようにみたのだろうか。

        チリ落盤事故の救出と中国の炭鉱

2010-10-14 05:35:05 | Weblog
チリ炭鉱の落盤事故で69日間も700㍍の地下に閉じ込められていた32人の救出の模様をテレビでみた。救出用のカプセルが直径70㌢の竪穴をピストン輸送して作業員が次々に地上に運び出されてくる。まさに「奇跡の生還」である。恐らく世界中の人がこのテレビ画面に釘付けにされ喜んだことだろう。

わが国もかっては石炭王国であったが、2002年の釧路海底の太平洋炭鉱を最後に"ヤマ”の灯は消え、今は一つも炭鉱はない。戦後の20年から30年代にかけて石炭は"黒いダイヤ"といわれ、石炭産業が繁栄した時代があったが、炭鉱事故も多かった。毎年どこかの炭鉱で爆発や落盤事故で尊い人命が失われた。そのたびに新聞の一面トップの記事になったのを覚えている。

日本ではあまり報道されないが、中国では毎年、各地で炭鉱事故が多発している。ネット情報によると、2001年から04年まで毎年6000人以上が事故で死亡し、05年には3341件の事故が発生、5000人が犠牲になっている。中国では電力の70%は火力に依存しているが、大規模の炭鉱は少なく、小規模の設備の悪い炭鉱が多い。そのため事故が多発している。

チリの「奇跡の生還」の模様は、ノーベル平和賞の時と違って中国のテレビも放送したが、早速ネット上に”中国はチリに学ぶべきだ”といった書き込みが殺到したという。人権無視は人命無視に通ずる。どうだろうか。かりに中国で今回のチリと同じような事故が起きたとしても、国際的な関心もなく。協力も得られないのではないだろうか。

       ハルマヘラ島の池辺良・ポツダム中尉

2010-10-13 04:42:09 | Weblog
昭和を代表する映画俳優の一人、池辺良が92歳の天寿を全うした。池辺良主演の映画の中では「青い山脈」が有名だが、僕ら世代にとっては戦後まもなく(昭和24年)の作品「暁の脱走」(谷口千吉監督)の名演技が忘れられない。中国から返還された日本軍の捕虜が慰安婦と恋に落ち、脱走する筋だが、旧日本軍の非人間性が主演の池辺を通じてよく描かれている。

今考えてみると、この映画は戦争が終わって4年後の作品であり、池辺は南方から復員してからまだまもない。池辺の経歴によると、彼は中国の保定にあった予備士官学校をでた甲種幹部候補生で、昭和19年、少尉に任官とともに南方戦線に配属になった。その経過は池辺の著書「ハルマヘラ・メモリー」(1997年中央公論社)に詳しい。彼はセレベス海のハルマヘラ島沖で敵の潜水艦からの魚雷攻撃を受けて乗っていた輸送船が沈没、九死に一生を得た。その後、敗戦まで池辺は衛生隊の小隊長として勤務、敗戦で中尉に昇進したが、そのハルマヘラで彼は、旧日本軍の非人間性をいやとなく体験している。

池部良の死によって戦争を実際に体験した世代の一人がまたいなくなった。ハルマヘラといっても今の日本人は、ほとんど誰もしらないだろう。また、戦争中、数千 、数万の日本軍兵士や軍属、ときには疎開学童までが、敵の攻撃を受けて”水漬くかばね”と化した悲しい現実があったことすら忘れさられようとしている。「ハルマヘラ・メモリー」を再読してみて戦争の悲惨さと旧日本軍の非人間性の馬鹿らしさを追体験してみた。

           「特定高齢者」の体力

2010-10-12 05:42:52 | Weblog
昨日は「体育の日」。若い時には体力に自信があった僕も、今年は7月に膀胱癌の摘出手術で入院、さらにその後の猛暑ですっかり気落ちしてしまった。5年間続いていた早朝のラジオ体操も参加せず、散歩の回数も減ってしまった。これではいけないと思うのだがー。

厚労省の専門用語で65歳以上の生活機能が低下し、近かい将来介護が必要とされる”予備軍”のことを「特定高齢者」と呼ぶのだそうだ。この認定は、地域社会の医療機関の検査でメタポ判定数値が一定以上高い高齢者に対して行われているものらしい。昨年、わが家にも行政機関から、この通知が送られてきて夫婦とも「特定高齢者」と認定された。

先年問題となった後期高齢者と同じように役人は言葉の使用に無神経だ。「特定高齢者」と呼ばれて喜ぶ老人はあまりいな。役所からの通知は「特定高齢者」には介護予防の体操や講座を受けてくれというものだが、僕は出かけなかった。しかし、老妻はすなおにこれを受入れて参加したが、それなりの効果があったそうだ。

東京都の老人総合研究所の調査によると、80歳の老人は20歳時に比べると、筋力は40%、歩くスピードも40%、身体の柔軟性にいたっては80%も低下するという。残念ながら僕も最近はそれを痛感している。なにかしなければと、思っている昨今だが、行政から「特定高齢者」呼ばわりされて行事に参加するのはシャクである。

老人介護の現状からみれば、その予防から「特定高齢者」をしぼりだし、この老人たちに対して予防知識を与えることは意義あることだが、あまりに無神経な施策のため参加者が少なく莫大な予算が無駄遣いされていると聞く。