「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         「タバコ王国」インドネシアの値上げ

2010-10-19 05:30:56 | Weblog
二歳の幼児がおいしそうにタバコをぷかぷか吸っている写真がネットで公開されて世界的に話題となった「タバコ王国」インドネシアで来年一月から全銘柄のタバコが5%値上げされるというので愛煙家の間で恐慌をきたしている。しかし、これによって喫煙率がさがるとはあまり期待されていないようだ。

インドネシアは国内のタバコ産業保護の立場から国連の「タバコ規制枠組み条約」を批准していない。しかし、世界の禁煙の趨勢でジャカルタなどの大都市では、最近やっと公共建物内の分煙化が進んできたが、日本に比べれば規制はゆるい。テレビでもまだタバコのコマーシャルが流れている。

このため喫煙者人口は中国、インドについで世界で三番目に多く、男性の三人に一人は喫煙者といわれ、子どもの喫煙率も高い。ある統計によると、2004年の5歳から9歳までの喫煙率は2・8%もあった。この国では子どもの喫煙を禁止する法律がなく、タバコの健康被害への意識も薄いようだ。

インドネシアには,ロコ・クレテックという丁子入りの特別のタバコがある。日本でも通販などで入手でき愛好者もいるようだが、甘い香がして吸い始めると中毒になる。僕も40数年前、ジャカルタに勤務していた時、愛煙したことがあったが、当時は品質が悪く,灰がズボンに落ちるとアナがあくので、すぐ止めた思い出がある。

どうもインドネシアが「タバコ王国」なのは、このロコ・クレテックにあるようだ。このタバコは主にジャワ島で生産されており、生産関係者だけで600万人もいる。またタバコ関連税収は国家収入の5・7%もある。健康か国家収入か難しい問題だがー。