「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       歴史は繰り返す ”トリハイ”の復権

2010-10-09 04:57:22 | Weblog
わが家の近くに”大阪名物”の串焼きのチェーン店がオープンした。こんな場所にと思ったが、結構賑わっている。早速,娘夫妻も食べに行ってきたというので、評判を聞くと、飲んで食べて一人千円以下ですんだという。なかなかリーゾナブルなので、何を飲んだのかと思ったら”トリハイ”との答えが返ってきた。

"トリハイ”とは懐かしい。昭和30年代の初め、学校を出たての僕ら安サリーマンは”トリバー”という寿屋直営のバーの止まり木に座り,トリス・ウイスキーをソーダでわったハイボールを飲んだものだ。やっと街から焼跡が消えた時代で、それまでの焼酎の梅わりからにわかに出世した思いがした。

歴史は繰り返すというが、最近また若い世代の間でハイボールが見直されてきて、缶入りのハイボールがよく売れているという。このブームに乗って”トリハイ”が再び登場してきたらしい。店には業務用の”トリハイ”も置いてあるとのことだ。

"トリスを飲んでハワイへ行こう”-というテレビCMがあった。海外渡航が自由化された頃だっただろうか。まだ本格的な高度成長時代の始まる前だった。やがて高度成長が始まると、サラリーマンはトリスより格上の”角”を好むようになり、さらに格上の”ダルマ”になった。そして何故かハイボールから”水わり”に変わっていった。

"トリハイ”の復権は何を意味するのだろうか。やはりデフレ、不景気時代の産物なのだろうか。昔のようにあまり飲めなくなった後期高齢者の僕には、もう”関わりあいのない”話だがー。