「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      中国の45年前のインドネシアへの介入

2010-10-01 05:22:27 | Weblog
10月1日は中国の国慶節、建国記念日である。今年は61回目で節目の年ではない
ので、昨年のような盛大な軍事パレードはないが、今年は「尖閣」で世界に対し、国
力を誇示したつもりでいるのであろうか。残念ながら、愚かな日本は、まんまとこれに
はまってしまった格好だ。

45年前の1965年9月30日、インドネシアでクーデター未遂事件が起きている。当時ア
ジアで最大の勢力を誇ったPKI(インドネシア共産党)が、中国の援助で共産国家を樹
立しようともくろみ、ヤニ陸軍司令官ら将軍6人を殺害したが、スハルト(のちに第2代大
統領)将軍らの決起で未遂に終わった。真相はまだ不明の点もあるが、中国がこの企
てに関与していたのは事実で、10月1日の国慶節に中国は世界に向け発表する予定
だったという説もある。

僕はこの事件から半年後、ジャカルタ特派員として勤務したが、事件の傷跡がまだ痛ま
しいほど残っていた。スカルノの経済政策の失敗もあって、町の商店にはおそまつな中
国商品しかなく、もすごいインフレで住民は食糧を手にいれることですら困っていた。治
安も悪く、僕も白昼、ピストル強盗の被害にあった。

連日の学生デもでジャカルタの中国大使館は焼き討ちされ、各地で華僑が殺害される事
件が起きた。僕ら日本人は外出するさいには、中国人と間違えられないように車に「日の
丸」を貼った。中国で文化大革命が起きたのは、この前後である。紅衛兵が毛沢東語録
を掲げて大騒ぎした。45年前の中国とアジアの姿である。