「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      佐藤栄作・元総理のノーベル平和賞受賞の頃

2010-10-10 05:48:19 | Weblog
中国は不幸な国である。国民がノーベル平和賞を貰っても国をあげて喜べず逆にノーベル委員会に抗議するなんて常軌を逸している。経済的には世界第二の大国なのかもしれないが国際社会の一員としての資格がない。所詮”成り上がり”国家にすぎない。

36年前、佐藤栄作・元総理が1974年度のノーベル平和賞を受賞した時のことを想い出した。喜ばしい栄誉ある受賞だったが、当時の日本の国民感情の中には”なぜ佐藤元総理が平和賞なのか”嬉しい半面いぶかる気持ちもあった。受賞理由が非核三原則の推進であり核拡散防止条約の調印であった。大方の国民の目には、米国のベトナム政策を支持している佐藤氏がそんなに熱心な平和論者とは映っていなかった。

今、考えてみると佐藤氏が平和賞を受賞した背景には、当時の日本政府の国力も幸いしていたのではなかろうかー。佐藤栄作・内閣は7年8か月の長期政権で安定しており、経済的にも高度成長期の絶頂期であった。

佐藤栄作氏は受賞に当たって”これは自分個人が貰ったのではなく国が頂戴した”という意味の発言していたが、まさしくその通りであった。昨年、沖縄返還のさいの核持込の日米間の”密約”が明らかにされた。さぞかし、当時の佐藤氏の気持ちは複雑だったに違いない。でもかりにノーベル平和賞が個人にではなく、国家にも与えられるとしたら、戦後65年間1度も戦火を交えたことがない、わが国は有力候補の一つである。恐らく、佐藤氏の心のどこかにもそんな気持ちがあったのかもしれない。