昭和を代表する映画俳優の一人、池辺良が92歳の天寿を全うした。池辺良主演の映画の中では「青い山脈」が有名だが、僕ら世代にとっては戦後まもなく(昭和24年)の作品「暁の脱走」(谷口千吉監督)の名演技が忘れられない。中国から返還された日本軍の捕虜が慰安婦と恋に落ち、脱走する筋だが、旧日本軍の非人間性が主演の池辺を通じてよく描かれている。
今考えてみると、この映画は戦争が終わって4年後の作品であり、池辺は南方から復員してからまだまもない。池辺の経歴によると、彼は中国の保定にあった予備士官学校をでた甲種幹部候補生で、昭和19年、少尉に任官とともに南方戦線に配属になった。その経過は池辺の著書「ハルマヘラ・メモリー」(1997年中央公論社)に詳しい。彼はセレベス海のハルマヘラ島沖で敵の潜水艦からの魚雷攻撃を受けて乗っていた輸送船が沈没、九死に一生を得た。その後、敗戦まで池辺は衛生隊の小隊長として勤務、敗戦で中尉に昇進したが、そのハルマヘラで彼は、旧日本軍の非人間性をいやとなく体験している。
池部良の死によって戦争を実際に体験した世代の一人がまたいなくなった。ハルマヘラといっても今の日本人は、ほとんど誰もしらないだろう。また、戦争中、数千 、数万の日本軍兵士や軍属、ときには疎開学童までが、敵の攻撃を受けて”水漬くかばね”と化した悲しい現実があったことすら忘れさられようとしている。「ハルマヘラ・メモリー」を再読してみて戦争の悲惨さと旧日本軍の非人間性の馬鹿らしさを追体験してみた。
今考えてみると、この映画は戦争が終わって4年後の作品であり、池辺は南方から復員してからまだまもない。池辺の経歴によると、彼は中国の保定にあった予備士官学校をでた甲種幹部候補生で、昭和19年、少尉に任官とともに南方戦線に配属になった。その経過は池辺の著書「ハルマヘラ・メモリー」(1997年中央公論社)に詳しい。彼はセレベス海のハルマヘラ島沖で敵の潜水艦からの魚雷攻撃を受けて乗っていた輸送船が沈没、九死に一生を得た。その後、敗戦まで池辺は衛生隊の小隊長として勤務、敗戦で中尉に昇進したが、そのハルマヘラで彼は、旧日本軍の非人間性をいやとなく体験している。
池部良の死によって戦争を実際に体験した世代の一人がまたいなくなった。ハルマヘラといっても今の日本人は、ほとんど誰もしらないだろう。また、戦争中、数千 、数万の日本軍兵士や軍属、ときには疎開学童までが、敵の攻撃を受けて”水漬くかばね”と化した悲しい現実があったことすら忘れさられようとしている。「ハルマヘラ・メモリー」を再読してみて戦争の悲惨さと旧日本軍の非人間性の馬鹿らしさを追体験してみた。
ハルマヘラ・メモリー、私も早速読みたいと思います。地元の図書館にありました。
情報有り難うございました。
戦史とは別に戦争記録を整理して後世に残す必要もありますね。戦友会の"ガリ版”刷りの中に貴重な記録があります。
話は変わりますが、NHKの子供用音楽番組で、ブンガワンソロを歌っているそうです。子供番組で(笑)
戦後の昭和20年代は戦争文学の花盛りでした。映画「暁の脱走」も田村泰次郎の原作です。
当時、僕らの世代は、なんとなく戦争そのものに抵抗があり、あまり読んでないのですが、機会があったら読んでみたいと思っています。
「ブンガワンソロ」のメロデイ、子どもにどう響くのか興味があります。多謝。