「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          夜の渋谷、新宿 老人のハシゴ酒

2010-10-20 07:05:31 | Weblog
昨夜、宵の口から東京の繁華街、渋谷、新宿と60数年の古い友人とハシゴ酒して歩いた。友人は僕と違ってまだ現役の社長さんで、会社の決算が終り、ほっとしたというので僕を誘ってくれた。渋谷はまだ宵の口で、まだそれほどの人出ではなかったが、駅前の飲食店街は客をキャッチする若者で一杯。最近は贔屓の店も無くなった僕らは、誘われるままに魚が売物だという店に入った。

店員が今日のお勧め品だといって氷の入ったザルに載せて新鮮な魚をみせに来た。友人はすかさず「のどぐろ」を注文した。日本海で獲れる白身の魚で東京ではなかなか食べられないらしい。メニューを見ると一匹1500円とあった。貧乏性の僕は「かます」にしたが、これとて800円もした。さすが現役の経営者だ。飲み物も店で最高の新潟の純米吟醸酒を注文したが、僕はいつも家で飲みなれている甲乙類混和の焼酎を飲んだ。

ほろ酔い気分でタクシーに乗り、友人が商売で利用している新宿のクラブに出かけた。若い時にはよく飲み歩いた寄席の「末広亭」の通りは、すっかり様変わりしていた。立ち飲み風の店や屋台風の店が増え、若い男女がたむろしていた。外国人だけの同じ様式の店もあった。僕らは店内にピアノもある高級クラブで孫のような若い女性をはべらせて高級のスコッチウイスキーを痛飲した。禁煙していた友人は、店に置いてあった「中南海」という中国の要人だけが吸うという薬草入のタバコに手を出してしまった。

80歳に近い老人二人の渋谷、新宿はしご酒の記である。二日酔い気味で朝刊を見たら”景気「足踏み」状態。1年8か月ぶりの下方修正”という大きな活字が目に飛び込んできた。