ビター☆チョコ

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スタンド・アップ

2006-08-11 | 洋画【さ】行



ジョージー(シャーリーズ・セロン)は夫の暴力に耐えかねて、二人の子供をつれてミネソタの実家に帰ってきた。
そこは古くからの鉱山の町。
鉱山で働く父(リチャード・ジェンキンス)は、父親の違う子供を連れて出戻ってきた娘に冷たい。
母(シシー・スペイシー)も子供のために夫の元に帰るべきだと、ジョージーを諭す。
自立して子供を育てるためにジョージーが選んだのは、父が働く鉱山での労働。
そこでジョージーと仲間の女性労働者達は、男性労働者から屈辱的な迫害を受けることになる。


アメリカで初めてのセクシャルハラスメント裁判に勝訴した女性達を基にした実話。


セクハラ。。。ちょっと軽く考えてたようだ。。
過剰反応じゃないの?とすら思ってた自分が恥ずかしい。
ごめんなさい。

80年代。まだ「男は外」「女は内」という考え方がアメリカでさえもあったのかもしれない。
男の職場に進出してくる女性に、自分の仕事を奪われるのでは。という脅威もあったのかもしれない。
それでも・・・この嫌がらせの数々はひどすぎる。
腹立たしくて腹立たしくて、いたたまれない気持ちだった。
セクハラする側の男達。
自分達がなぜこんなひどい行為をするのか分かってなかったんだろうなぁ。
ひどいことをしている自覚さえなかったのかもしれない。
理由も自覚もないのが陰湿ないじめ。
女性ばかりの職場で働く自分が、とてもラッキーに思えてしまった。
男のほうが女よりはるかに陰湿なんじゃないの?もしかしたら。
「そんな時代だった」で済ませてしまうには、
たとえ裁判で勝ったとしも彼女達の受けた傷は癒されないほど大きなものだと思う。

もうひとつ、この映画の核になってるのが「親子の愛」だ。
実の娘を「尻軽女」扱いしていた父親が、集会の時にただひとり、娘を擁護する。
裁判で孫の出生の秘密を明らかにされ、思わず孫の父親に殴りかかる。
親子の中でずっとわだかまってたものが融けていく様に、涙があふれる。
そして祝福されない子供を生んで、自分の力で育てぬこうとするジョージーのたくましさと責任感には驚嘆する。
父と娘とその息子と。不器用だけどその行動の下にあるのは強い愛なのだね。

私なんか。。とんでもないアマちゃんだ。。。と思ってしまったり。
自分はなにもわかってなかったと反省したり。
セクハラというものがどんなにひどいもので、どれほど女性を傷つけるかということを。

以前に比べてセクハラに対する批判が強くなってるとはいえ、今でもセクハラはなくなった訳ではないのだろう。
多くの女性が働いている今、
自分の母も、恋人も、妻も、娘も。自分達と同じ働く仲間なのだということを、世の中の男性全てに忘れないでいてもらいたい。