安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

加藤浩子著「オペラで楽しむヨーロッパ史」を読み,ヴェルディ作曲「ナブッコ」(DVD)を観ました。

2021-06-25 19:25:04 | 読書

加藤浩子著「オペラで楽しむヨーロッパ史」(平凡社新書)を読みました。加藤さんの著書は、「オペラでわかるヨーロッパ史」、「音楽で楽しむ名画」と2冊読み、本作で3冊めです。

   

(著者について)

加藤浩子さんは、慶応大学大学院終了(音楽史専攻)、インスブルック大学に留学。大学講師、著述のほか、オペラ、音楽ツァーの企画・同行なども行っています。著書は、「ヴェルディ」、「オペラでわかるヨーロッパ史」(平凡社新書)など多数。

(大まかな目次(本書で取り上げるオペラ))

(感 想)

フレッシュな視点が面白く、一気に読みました。前作の「オペラでわかるヨーロッパ史」は、オペラの背景なども描きヨーロッパ史を解きほぐしてくれる内容で、取り上げたオペラの数も多いものでした。今回は、歴史上の出来事がオペラでどう表現されたのかという、一歩踏み込んだ内容です。

モーツァルトの「フィガロの結婚」では、台本にも音楽にもフランス革命の時代背景があることが書かれています。そのフランス革命が引き金になってイタリア統一、ドイツ統一がおこり、「統一」というキーワードで、ヴェルディとワーグナーの作品について書かれています。

今回最も印象に残ったのが、フランスの国民的ヒロイン「ジャンヌ・ダルク」のオペラを扱った第5章でした。そもそもジャンヌ・ダルクついて、どういう人だったのかを実はこの本では初めて知りました。オネゲルのオラトリオ「火刑台上のジャンヌ・ダルク」をDVDで観てみたくなりました。

登場するオペラの中で、ヴェルディの「ナブッコ」を観てみました。ヴェルディの旋律は歌謡性に富んでいて、『行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って』は、大好きな合唱曲です。 

   

第二章の扉

   

第五章の扉

【DVD ナブッコ】

   

ディアゴスティーニ社から出されたオペラコレクションの一つです。レオ・ヌッチ、マリア・グレギーナなど一流歌手が出演しています。

   

冊子のついています。

   

冊子の中に解説とともに掲載されている「行け、わが想いよ、金色の翼に乗って」の楽譜。それにしても素晴らしい旋律。


類家心平「LADY'S BLUES」とトランヴェール2021年6月号「明治、建築新時代到来」の話題

2021-06-24 19:33:27 | トランペット・トロンボーン

久しぶりに新幹線に乗ったら、備え付けのJR東日本PR誌「トランヴェール6月号」が面白かったので持ち帰りました。明治時代に建てられた東北各地の擬洋風建築を特集していますが、山形県と青森県に多くあり、訪れたくなりました。青森県出身のトランぺッターの作品。

類家心平 (Shinpei Ruike)
LADY'S BLUES (BS Jazz Support 2018年録音)

   

類家心平(tp, 1974年生)は、自身のリーダー作を何枚も出していて、さらに山下洋輔、板橋文夫、森山威男などベテランミュージシャンから引っ張りだこで、今や日本のトップクラスのトランペッターです。一度だけ、歌手の伴奏で聴きましたが、柔軟なプレイが素晴らしかった。これは比較的知られた曲を演奏したものです。

メンバーは、類家心平(tp)、中嶋錠二(p)、鉄井孝司(b)、吉岡大輔(ds)。東京南青山のジャズクラブ「BODY & SOUL」で、2018年9月に行われたライブを収録したもの。ここでは、スタンダード曲も取り上げていますが、類家心平は、ジャズばかりでなく、ポップ、前衛、クラブと幅広い音楽をやっています。

曲目は次のとおり。

1  A Lovely Way to Spend An Evening (Jimmy McHugh)
2  Speak no Evil (Wayne Shorter)
3  Old Fisherman's Daughter (Dusko jkovic)
4  Bluestruck (Terumasa Hino)
5  Betty (Eric truffaz)
6  Lady's Blues (Roland Kirk)
7  I Fall In Love Too Easily (Jule Styne)
スタンダードとジャズオリジナル曲を選曲しています。特に「Old Fisherman's Daughter」、「A Lovely Way to Spend An Evening」と、好きな曲を演奏してくれているので、まずはそれだけで購入しました。

ミュートプレイを含めて、音色(サウンド)の多様性や音の強弱に拘りながら、類家心平(tp)が柔軟に吹いたアルバム。まず注目したのは、ダスコ・ゴイコヴィッチ作曲の「Old Fisherman's Daughter」で、哀感、優しさが溢れるメロディーで大好きな曲ですが、類家心平の演奏も心に沁みてきます。バラードの「A Lovely Way to Spend An Evening」はかなりロマンティックですが、ウェイン・ショーター作「Speak No Evil」はリズム陣も含めて極めてアグレッシヴです。

CDのジャケット内側にある演奏光景。

解説書にあった、4人のメンバーの紹介。

【類家心平ホームページ】

トランペッター 類家心平 オフィシャルサイト – SHINPEI RUIKE (ruikeshinpei.com)

【JR東日本のPR誌 トランヴェール2021年6月号】

   

表紙は山形市の旧済生館本館を描いた絵です。

   

   

文明開化のシンボルとして、全国各地に擬洋風建築が建設されましたが、県令三島通庸がまちづくりを行った山形には、あっと驚くようなデザインの建物が残っているそうです。

   

擬洋風建築の面白さを建築史家、建築家の藤森昭信さんが語っています。

   

上段の写真は、旧鶴岡警察署庁舎。下は、旧済生館本館。

   

写真は、旧伊達郡役所。

   

   

東北各地の擬洋風建築や本格的洋風建築を紹介しています。青森の旧第五十九銀行本館や旧弘前市立図書館あたりも訪れてみたいものです。一番最後に、長野県松本市の旧開智学校校舎(国宝)も掲載されていました。


上田駅至近の「よろづや」で蕎麦定食。(蕎麦・和食 長野県上田市天神)

2021-06-23 19:30:39 | グルメ

上田に通勤していますが、先日、昼食を食べ損ねたことがあって、早い夕食をいただけるところがないか探して、「よろづや」さんに行き着きました。新幹線も停まる上田駅至近の好立地にあるお店です。

明治28年(1,895年)創業で、125年続いているお店です。上田市民は知っている人が多いと思いますが、立地から観光でお見えの方も寄るお店のようです。蕎麦は質、量ともによいもので、堪能しました。

外観

入口

店内。清々としています。貸し切りでした。

色紙が飾ってありました。右は、長野県出身の御嶽海関のものです。

絵はがきを売っています。

昔の上田駅前の写真が飾ってありました。

メニュー。そば、うどん、丼物とメニューは豊富です。ご当地ものとして「馬肉そば・うどん」や馬肉煮込み定食がありました。また冬季の「鍋焼きうどん」は個人的には嬉しく、季節にまた寄りたいと思います。

そば定食

びっくりしました。量が半端ではありません。手打ちです。

薬味

煮物。こんにゃくやじゃがいもが煮込んでありました。

天ぷら。具はナスとイカで、からっと揚がっていて美味しい。天つゆでいただきました。

【よろづや】

住所:長野県上田市天神1-6-15
電話:0268-22-1426
ホームページ:よろづや - 上田/そば [食べログ] (tabelog.com)


ジャズバー「NOW」を初めて訪れました。(山梨県富士吉田市)

2021-06-22 19:29:43 | ジャズ喫茶

名前だけは存じ上げていた1970年開店の老舗ジャズバー「NOW」をようやく訪れました。20時からの営業なので、「ON LAVA」の営業終了(18時)後、富士吉田市内でごく軽く食事をしてから、入店しました。

往年のジャズ喫茶という雰囲気がする嬉しい店内です。2代目の女性マスターに話をうかがうと、東京の方や外国人のお客様がコロナ禍の前は多かったようです。CDをかけていますが、レコードのような音が流れています。また行きたい。

バーや飲食店が軒を連ねる通りにお店はあります。

看板

   

入口。私が入った時は、既に常連さんが1人入っていました。僕が退店する頃には3~4人のお客様がいて、いずれも地元の方で、根強いファンがいる感じでした。

手前にカウンター席があり、スピーカーの前はテーブル席になっています。

右の壁には「クール・ストラッティン」の大きなジャケット写真が貼ってあります。

左側には、アンティークの時計やセロ二アス・モンクの写真。

レコードは3000枚あるようです。

現在は、レコードではなくて、CDをかけています。

カウンター席の後ろには、マイルス・デイヴィスの写真。

バックバーの様子。

ノンアルコールビールをいただきました。

スモールサイズのピザをおつまみにいただきました。

安曇野市までの車の運転中眠くならないように、あとでコーヒーもいただきました。

ヒロ川島のアルバムがかかりました。チェット・ベイカーの路線をいっているミュージシャンのものです。

続いては、ズート・シムズの「On Ducretet Thomson」がかかりました。

ジャズ喫茶の本が置いてありました。

日本列島ジャズの店 2005年版に掲載されている「NOW」のオーディオ装置。現在は変わっているかもしれません。

スピーカー:TAD TSM-1、管球プリメインアンプ:BL101、カートリッジ:DL103、CDプレーヤー:VRDS25XS

【JAZZHOUSE  NOW】

住所:山梨県富士吉田市下吉田3丁目12-55
電話:0555-24-3510
定休日:日・月・火曜日
営業時間:20:00~翌1:00
ホームページ:Jazz House NOW - 富士吉田市 | 山梨のグルメ | PORTA (porta-y.jp) 
      (PORTAは、山梨県内の情報を届けるポータルサイトだそうです。)


ジャズ喫茶「ON LAVA」を再訪しました。(山梨県富士吉田市)

2021-06-21 19:32:59 | ジャズ喫茶

6月19日(土)に山梨県富士吉田市に行き、ジャズ喫茶「ON LAVA」とジャズバー「NOW」を訪れました。「ON LAVA」では、アンプを一部変更されたとのことで、軽快さが出て聴きやすい音になっていました。

先客の方が3人いて、読書などしながら静かにスピーカーから流れるジャズに耳を傾けていました。数枚のレコードを聴きましたが、ビル・エヴァンス(p)「ANOTHER TIME」の再生ぶりが、すごい迫力でした。

建物外観

壁に貼られたロゴ

店内。スピーカーに向かって席が配置されています。

壁にはレコードジャケットを展示してあります。ジミー・スミス(org)とキャノンボール・アダレイ(as)のスポーツカーものと、トニー・ベネットとダイアナ・クラールのデュエット作品の3枚が、前回訪問時と入れ替えて展示してありました。見ているだけで楽しい。

カウンター席もあります。

オーディオ機器は上記のとおりです。変更は、NO.3のところで、パワー・アンプが真空管300B(タカツキ)を使用した自作アンプになっています。前回訪問時は、2A3の型番を使用したものでした。これによって音に明るさ、軽快さが感じられ、聴きやすい音になっていました。

レコードプレーヤとレコード棚

スピーカー。

アンプ類

こちらが、新たに導入した自作アンプです。見た目もきれいで、素晴らしい仕上がり。

入店時にかかっていたのは、「Louis Armstrong meets Oscar Peterson」。ヴォーカルでした。

レコード盤が特殊な色でした。

ビル・エヴァンスの「Another Time」がかかりました。ビル・エヴァンス、エディ・ゴメス、ジャック・デジョネットというモントルー・トリオのアグレッシヴな演奏です。とりわけドラムスの演奏がよく聴こえました。

ジャズやオーディオ関連雑誌が置いてあります。

この2冊をパラパラと見てみました。

珈琲とトーストを注文。サラダ付きです。

このトーストですが、バターがパンに染み込んでいて、とても美味しかった。

【ON LAVA】

住所 : 山梨県富士吉田市竜ヶ丘1ー3ー9
営業時間 : 12:00〜18:00
電話番号 : 070-2666-0014
営業日 : 土・日・祝 ※臨時休業の可能性があります。
ホームページ:Jazz house on Lava - News (weebly.com)