安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アンソニー・ブラクストン IN THE TRADITION

2019-08-04 20:02:59 | アルト・サックス

先日、横浜のジャズ喫茶「Marshmallow(マシュマロ)」のオーナーである上不三雄さんが安曇野市にお越しになったので、ひと時をご一緒させていただきました。歓迎の意味で、ウォーン・マーシュ作「Marshmallow」が収録されているアンソニー・ブラクストンのレコード「In The Tradition」 を持って行ったのですが、よく御存じでブラクストンはマーシュのファンだということまで教えていただき、感服しました。持って行ったアルバムを。

ANTHONY BRAXTON (アンソニー・ブラクストン)
IN THE TRADITION (Steeple Chase 1974年録音)

   

マルチ・リード奏者のアンソニー・ブラクストン(1945年生)の音楽は、仙台のジャズ喫茶「アヴァン」で流れていたのを今でも鮮明に覚えていますが、情緒を絡めない現代音楽的な方向に、当時は全く馴染めませんでした。しかし、スタンダード曲を演奏したこのアルバムには驚き、ちょっとだけブラクストンとの距離が縮まった気がしました。

メンバーは、アンソニー・ブラクストン(as,bcl)、テテ・モントリュー(p)、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン(b)、アルバート・ヒース(ds)。デクスター・ゴードン(ts)のセッション予定が、彼が病気でこれなくなったために急遽ブラクストンが起用されたものです。

曲は、ウォーン・マーシュ作「Marshmallow」、ミンガス作「Goodbye Pork Pie Hat」、スタンダード曲の「Just Friends」、パーカー作「Ornithology」、ビリー・ストレイホーン作「Lush Life」の5曲。本アルバムは、vol.1とvol.2があり、今回はvol.1のレコード収録曲を掲げてあります。CDでは追加曲があります。

ぺデルセン(b)とヒース(ds)のリズムがステディで、テテ・モントリューのピアノもコード感が出ているので、ブラクストン(as.bcl)の演奏は、意外にオーソドックスに聴こえ、「Just Friends」や「Lush Life」は、なかなか楽しめます。ウォーン・マーシュ作の「Marshmallow」は、ブラクストンの発案で入れたと思いますが、そのあたりはライナーを読んでも書いてありませんでした。バスクラリネットで演奏する「Goodbye Pork Pie Hat」は、アブストラクトで、面白い。 

【In The Tradition vol.2のジャケット】

   

「In The Tradition」は、vol.1とvol.2があります。本日取り上げたのはvol.1の方です。

【マシュマロの上不さんと歓談した「アンの家」の様子】

横浜中華街のジャズ喫茶「マシュマロ」で開催している「ジャズ喫茶を語る会」は出席者が多く、しかも熱心にいろいろな話をする方が多いと、伺いました。かなり面白そうで、僕も一度出てみたいと思いました。

 
 

アンソニー・ブラクストンが演奏する「Marshmallow」に耳を傾けている上不さん。
 

営業終了時間の午後8時を超過していろいろな話を伺いました。マスターの宮坂さんにお礼を言って、お開きとしました。