理想国家日本の条件 さんより転載です。
原子力発電所の重要性
井原義博 氏、ブログ転載
2012-07-06
1. 再稼働した原子力発電所
7月1日に福井県の大飯原子力発電所3号機が再稼働し、
5日に電気の供給が始まりました。
これにより、当初関西電力県内で予定されていた計画停電は見送られる
予定です
(しかし、電力供給能力が99%を超える場合は計画停電を実施する)。
昨年は東京電力管内で計画停電が実施され、市民生活や企業活動に
多大なる影響が出ました。
関西圏では昨年は全く電力供給に問題が無かったにもかかわらず、
菅元総理が突然に、定期点検で停止した原子力発電所の再稼働には
ストレステストが必要である、と発表したことから、関西方面では一気に
電力供給に支障を来すこととなり、東京・東北・沖縄以外の電力会社の
管轄地域では節電の数値目標を設定することとなりました。
昨年計画停電を余儀なくされた東京電力が、今年の夏は節電の数値目標すら
設定する必要が無いレベルまで電力供給能力が回復しているのは、停止していた
火力発電所や水力発電所を再稼働させたり、発電規模を上昇させたことと、
住民の節電対応でなんとかしのいでいる、という状況です。
2. 再生可能エネルギーの買い取り制度は有効か?
大飯原子力発電所の再稼働と同じ日に、再生可能エネルギーの
全量買い取り制度がスタートしました。
ソフトバンクは京都市と群馬県榛東村でメガソーラーを稼働しました。
京都市の発電所は約9万キロ平方メートルで発電能力は
2100キロワットあります。
日本経済新聞によると、メガソーラーや風力発電所の事業計画では、
全国で原子力発電所2基分に相当する200万キロワットに相当するそうです。
政府の政策に呼応する形で全国各地で再生可能エネルギー事業に参入する
事業者が増えていますが、それはそれらの電力を、発電コストに適正利潤を
上乗せした料金で電力会社が買い取るためです。
これらのコストは電気料金に上乗せされて、消費者や企業が
負担することになります。
その総額は全国で2000億円にも上ります。
実は海外でもこのような電力買い取り制度が導入されている国があります。
ドイツでは2002年から同制度が実施され、再生可能エネルギーの
割合が20%に急増しました。
その結果電力購入の負担額は約1兆3千億円にふくれあがり、
家庭の負担額は年間2万円になると予想されています。
そのためドイツ政府は今年の2月に買いとり価格を20%引き下げる
とともに、全量買い取り制度は2013年度から廃止する方針を
打ち出しました。
このドイツの例を見ると、再生可能エネルギーの全量買い取り制度の
見通しは暗いと言わざるを得ません。
企業間の競争によるコストの低減化の努力も行われない恐れも
十分にあり得ます。
3. エネルギー源をどこに求めるか
太陽光発電や風力発電は天候に左右される、という不安定要素があります。
また規模を大きくすることでコストを下げる
ということもほとんど不可能です。
なによりも発電効率が低すぎるのです
原子力発電所1基分の120万キロワットを太陽光発電でまかなおうと
すると、山手線の内側と同じ面積の太陽光パネルを敷き詰める
必要があります。
将来的に飛躍的に発電効率が上昇する可能性は否定しませんが、
中期的には自然エネルギーが原子力発電に取って代わる、という
構想はは非現実的です。
当面は石油や天然ガスなどの化石燃料に依存せざるを得ませんが、
ほぼ全量を輸入に頼っている日本において、これらの資源が安全に
供給されつづけるという保証はありません。
中国がシーレーンの実効支配を企てているからです。
従ってエネルギーの安全保障という観点からは、やはり当面は
原子力発電所を活用するのがベストな選択と言えます。
福島の事故は、津波のためにすべての電源が使用できなくなって
冷却水を循環させることができなかったために起きました。
地震そのものによって電源が喪失したわけではありませんし、
格納容器などは致命的な損傷を受けていません。
福島の事故を受けて、各地のガン視力発電所では
非常用電源の供給体制を強化しました。
日本の経済力を担保する上で低コストの電力は必須です。
そうした環境の中で、次世代の新・エネルギー開発を進めていき、
より安全なエネルギー源の獲得を目指さなくてはなりません。
http://ameblo.jp/muggle1009/entry-11295863557.html
転載、させていただいた記事です