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memorandum&curiosity

個人情報保護法

2005年10月21日 15時52分13秒 | legal
「法律の制定というのは、難しいんだなぁ・・・」と考えさせられますね。
この個人情報保護法は、平成17年4月1日に施行された法律で、個人のプライバシーを守ることを立法目的とした法律だそうです。これには、罰則規定も設けられていて、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金(56条)とありました。そして、あまり細かく覚えていませんが、規制の対象となる個人情報を扱う業者さんについても規定されていました(記憶が確かなら、5千件以上の個人情報を扱う業者が対象だったと思います)。

これで、個人の情報が守られると喜んでいましたが、この個人情報保護法のおかげで、捜査に深刻な支障がでていると、新聞に書いてあるのを見ました。
というのも、警察が捜査の過程で、事件の被害者等の搬送先である病院に問い合わせると、個人情報保護法を理由に回答を拒否されるケースが3ヶ月で500件に上っているそうで、立法目的とは違った弊害がでているようです。
これだけだと、「立法者はそんなことも想定できなかったのか?」と驚きましたが、どうやらそうではないらしくて、警察の照会に応じても保護法違反には、該当しないことも明記されているそうです。

しかし、それなら、なぜ、病院側は、渋るのかといえば、条文の一文に、但し書きとして、「本人から損害賠償を求められるおそれがある」と記されていることが要因になっているのでは?と分析されていて、立法の立場からは、「一般論として例示しただけで、過剰に受け取られるのは本意ではない」としています。

一方で、これとリンクして、公開が原則となっている住民基本台帳の閲覧制度のあり方を考え直すような出来事も起きているようです。個人情報保護を目的として「営業目的」は閲覧禁止する限定公開制にする案がでており、成立すれば、来夏にも施行される見通しです。

このようないきさつを見聞きしていると、法律の制定というのは単純ではなく、よっぽど賢くないと立法は難しいと感心しました。

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