どの階はどういうところか、はじめて訪れるビルの前に立ったときには、まず看板を見ます。
訪問先以外に用事はなくても、看板を見ておよそこんなところかと知っておきたくなるものです。
階層構造を持ったシステムで、それぞれの階層の役割を、ざっと見ておくのも一興です。
OSI参照モデルの7階層の役割はこんなことになっています。
第1層 物理層・・・データを電気信号に、電気信号をデータに変換すること
コンピュータのデータは、そのままではネットワーク媒体に乗れないので、
電気信号に変身させたり、また戻したりしてやらなければなりません。
第2層 データリンク層・・・データを電気信号に変えるとき、整理・判定・取次をすること
一度にたくさんのデータが押しかけたとき適量に分割したり、壊れたデータを調べたり、
受け渡しの際、ネットワークにきちんと乗れるようにしてやらなければなりません。
第3層 ネットワーク層・・・異なるネットワーク同士を繋げること
ネットワーク上のコンピュータにアドレスを付け、届く先が違わないよう 経路を決め、
また宛先の処理能力に応じて一時分割するなど、交通整理が必要です。
第4層 トランスポート層・・・ネットワークの端から端までの通信を管理すること
送ったデータが正しく宛先まで届き、問題が起きた時はデータの再送信などを行って、
確実に相手に届くように、データ通信の信頼性を保証することが必要です。
第5層 セッション層・・・接続の開始から切断までを管理すること
データ送受信の手順を管理したり、接続が切れた場合に回復したり、
アプリケーション間で他のデータと混ざらないように整理したりしなければなりません。
第6層 プレゼンテーション層・・・文字や画像などの表現形式を統一すること
文字・画像・動画など、さまざまな形式のデータを確実に届けるには、
統一したコードに変換してやらなければなりません。
第7層 アプリケーション層・・・アプリケーション固有の機能を実現させること
ファイルの転送、閲覧、メールの送受信、時計合わせ、セキュリティ確保など、
それぞれのアプリケーションの用途に応じて機能を引き出さなければなりません。
それぞれの階層が、どういうふうにして役割を果たすのかというところまでは、われわれ素人がわかることではありません。
ユーザーにとっては、魚屋なのか肉屋なのか八百屋なのか、そのぐらいの見極めが付けば十分でしょう。