階層型の路地裏もひととおり眺めたので、alg に戻ることにします。
インターネットに接続されるコンピューターには、さまざまな機種があります。
どこのどんなコンピューターでもつなげられなければ、インターネットの意味がありません。
電車のように、女性専用とか、シルバーシートとか、ある人たちだけをだいじにしているというかっこツケだけの仕組みは、インターネットには向きません。
どんな道を通ってきた電気信号も、どういう機械にでも入っていけるように案内しよう、ただし入ってくると正常な働きをしなくなるような電気信号はお断りをしよう、というのが alg の役目になっているようです。
この「はいはい、どうぞ」の働きがICS(Internet Connection Sharing)、「ここからはダメ」と断るのがファイアウォール(Firewall)の機能です。
ただ、alg は見張り役しか受け持たず、「こんな信号がきました、よろしく」としか多分言わないでしょう。
そのときどうするかは、それぞれのアプリケーションが自分で処理するか、あるいは専門の別のアプリケーションの手を借りて処理することになるのでしょう。
ファイアウォールは、防火壁ですから、パタンと閉めるだけで用が足り、意味合いもわかりやすいのですが、ICSは、Sharing の意味が何となくもやっとしています。
ICSを「インターネット接続共有」と訳した言葉もあって、その場合には、複数のコンピューターでインターネット接続を共有する機能のようにも受け取れます。
共有ならば、単独で使うパソコンなどには無関係のようでもあり、他のユーザーとの共有という意味ならばそんなこともあるかと思ってみたり、どうもすっきりしません。
Sharing は「分け合う」、「割り当て」、あるいは「分取り」ではないかなどと考え始めると、機能名称ならば意味などどうでもよいではないかとも思いにくく、のどに小骨が引っかかったような、このごろの空と同じ気分になります。
ことによると、alg は見張り番ではなく、黒子の役なのでしょうか。