海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

「私人」が臨時制限水域を設定し、海保の力を使ってフロート再設置を強行できるのか。

2018-11-05 22:46:14 | 米軍・自衛隊・基地問題

 5日(月)はカヌー14艇で瀬嵩の浜を出発した。抗議船2隻と合流して、キャンプ・シュワブ内のリゾート・ビーチの前に行くと、前日やり残した分のフロートが浜に並べられている。その前には海保やアルソック、米軍のMPや警備員が立っていて、午前8時から工事が始まった。

 作業和船やタグボートが動き出し、浜に近づいてフロートで引き出すのを阻止するため、浜の前の海で右に左にカヌーで漕いだ。自分もカヌーを漕いで抗議しているので、写真や動画を撮れるのは、抗議がひと通りすんで海保に拘束されてからが多い。そのために画面は静かだが、この前には和船にしがみついたり、激しい抗議が行われている。

 ゲート前と違い、その様子を目にする人は少ないが、大浦湾では連日、フロートの再設置に対し、カヌーや船で懸命の抵抗が続けられていることを知ってほしい。辺野古新基地建設は土砂の投入が焦点となっているが、それ以外にも仮設道路や護岸建設など、これから予定されている重要な工事がある。そのためにフロートの再設置が進められている。

 午後はすでに張られているフロートの端をカヌーで押さえ、その先にフロートをつなげようとするのに抗議した。タグボートで引っ張ってきたフロートをつなげるためには、カヌーが押さえているフロートの先端部を確保しないといけない。そのために海保が力尽くでカヌーを排除した。

 海保に頼らなければ作業は進められないのだ。それにしてもだ。安倍政権は「私人」を装って行政不服審査法に基づき撤回の効力停止を求めたのだが、「私人」が米国と協議して臨時制限水域を設定し、海保の力を使ってフロートを再設置することができるのか。自作自演で工事を再開し、法治国家が聞いて呆れる。

 海保に拘束されて瀬嵩の浜で解放されたあと、再び浜に並べられたフロートの前に行った。2日につづきこの日も、午前2本、午後2本のフロートを曳きだして設置している。回数は少ないが、一度に引き出されフロートが200~300メートルほどあるので、瀬嵩やカヌチャの沖にかなりの距離が張られてしまった。

 風が強くなったので、途中からは船に乗って現場の状況を監視した。浜ではトラックで運んできたフロートを浜に並べていた。5日は午後3時頃、タグボートから作業員が降りて和船に乗り、陸に引き揚げたのを確認して、カヌーチームも瀬嵩の浜に戻った。

 明日(6日)は瀬嵩からK9護岸近くの海岸までフロートを張って、カヌーや船の通行を遮断しようとするだろう。フロートで囲われてしまうと、大浦湾を自由に航行できなくなる。現在、抗議船の数が少ないので船に乗っての抗議は難しいが、瀬嵩の海岸からも作業の状況は見える。大浦湾の不当な分断を許さないために、陸からでも抗議の声をあげてほしい。


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