海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

プルトウニム漏出への対応の鈍さ

2011-03-27 22:06:44 | 政治・経済

 東京電力は27日に、福島第一原発の敷地内でプルトニウムの漏出を調べる土壌採取を21・22日に行ったことを明らかにした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110327-00000061-jij-soci

 東日本大震災が発生したのが3月11日。福島第一原発では地震と津波の被害によって原子炉や使用済み核燃料プールの冷却装置が動かなくなるという異常事態となった。それ以降の経過は報道されているとおりだが、東京電力がプルトニウムの漏出調査を始めたのが、10日も経った21日になってからとは…。MOX燃料を使っている3号機はすでに3月13日の段階で、次のような状態になっていたのだ。

http://www.asahi.com/national/update/0313/TKY201103130070.html

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a9ycnUCqgF3Y

 一方で、〈福島第一原発のタービン建屋内の「たまり水」について、原子力安全・保安院は、深刻な放射線障害を引き起こす可能性がある「プルトニウム」が含まれているかどうかを調べていない〉という。〈原子力安全・保安院は、これまで必要性が薄いとして調査していませんでしたが、今後の状況次第で調査する考えを示しました〉ということだ。

http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210327017.html

 こういう東京電力や原子力安全・保安院の対応の鈍さは何なのだろうか。危機感が欠如して本気で大丈夫と思っているのか、対応する力量がないのか、都合の悪い事実の隠蔽を図っているのか、嫌な現実は見たくないという現実逃避に陥っているのか、とことん愚劣で市民をなめきっているのか。その対応の鈍さに怒りがこみ上げる。

 3号機のタービン建屋内で被曝した3名の労働者について、自力で歩けて食事も普通にとっている、足の火傷も軽い、短期間で退院する、とあたかも大した事故ではないかのような報道がなされている。しかし、急性の放射線障害は出ていなくても、彼らに被曝の影響が出るのはこれから先のことだ。内部被曝もしている3名の労働者は、発ガンの危険性などに怯えながら暮らしていかなければならないのだ。

 MOX燃料を使っている3号機の溜まり水に、プルトニウムが漏出しているか否かを調べるのは当然のことだ。〈必要性が薄い〉などというふざけた発言をよくもできるものだ。最重要なことについてごまかしは許されない。3号機の溜まり水や福島第一原発の施設内だけでなく、周辺地域にもプルトウニム汚染が広がっていないか、早急に調査して情報公開すべきだ。

 


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