海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

フロート再設置への抗議行動

2015-07-29 23:45:47 | 米軍・自衛隊・基地問題

 29日は午前8時半頃、カヌー14艇で松田ぬ浜を出発した。途中から参加したメンーバーも加え、16人で午前、午後と辺野古崎と長島の間で、フロートの再設置に対する抗議行動を行った。

 朝、現場に着くとフロートはまだ伸ばされておらず、二重に束ねられていた。その下のアンカーは大浦湾に比べれば小型だが、昨年10月の台風で大量に流されたため、重しを増やしている。こういうアンカーを何百個も投下すること自体が海の環境破壊である。

 沖縄の海を分断し、破壊するために、抗議する市民を排除するのがフロート設置の目的である。その再設置を許さないために、長時間の抗議を海上で続けた。海は日差しをさえぎるものがない。カヌーも船も長時間乗っていると、体を冷やさないことには熱中症になってしまう。時には海に入って泳ぎ、体と気分をリフレッシュするのも大切なこと。

 ゲート前では水曜行動が取り組まれ、多くの人が作業車両の進入阻止に立ち上がっていた。そのため午前10時頃まで陸も海も作業が止まっていた。だからこそ余裕を持つて監視行動に取り組むことができた。ゲート前の行動の重要性を海から見ていて強く感じた。

 前日と同じように、辺野古崎と平島に分かれて昼食をとった。夏の平島を楽しめるだけでも、カヌーチームは恵まれている。すぐにフロートに戻らないといけないので短い時間ではあるが、午後の活動を続ける上でいい休憩になった。

 昨日は辺野古の家族が船で平島に海水浴に来ていた。夏休みに入り、子どもたちが楽しそうに泳いでいた。新基地ができれば、目の前の海は滑走路となり、ヘリやオスプレイが飛び交うことになる。自然を楽しむどころではない。この美しい海を破壊させてはならない。

 午後4時過ぎになり、そろそろ引き上げようか、という時間帯になって、海上保安庁のゴムボートに守られ、作業船がフロートの引き伸ばし作業を始めた。それまで作業員が何度も辺野古崎に姿を見せていて、カヌーチームがいつ引き上げるか様子をうかがっていた。終業時間が迫り、待てなくなったのだろう。

 カヌーチームは当然、引き伸ばしを許さないために抗議行動を展開した。フロートのそばで抗議するカヌーを、海保の保安官が海に飛び込み、次々と拘束して作業を手助けする。海保の弾圧がなければ、フロートの引き伸ばしすら行えないのが実態である。

 海保の保安官たちは、「安全確保」をやっているだけだ、と自分に言い聞かせているのかもしれない。しかし、その行為はすべて辺野古の海、大浦湾を破壊し、埋め立てて軍事基地を建設する手助けだ。どうして海上保安庁が、米軍の基地を造るガードマンに成り下がらなければならないのか。人の命を救うために海上保安庁を目ざしたはずなのに、軍事基地は命を破壊するためにある。その矛盾をごまかせるのか。

 明日もまた抗議行動は続く。沖縄の強烈な日差しのなか、長時間にわたり海上で抗議を続けるには、体力と気力、カヌーの技術が必要です。体調を整えてご参加ください。

 


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