こちらは正規にリリースされたSEXTET(BLP1560、1957.4.21)
パーソネルは、D・BYRD(tp)、J・JENKINS(as)、HANK・MOBLEY(ts)、BOBBY TIMMNS(p)、WILBER・WARE、P.J・JONES(ds)
一方、こちらは「ボツ」にされ後年(1984年)、初めて日本で陽の目を見たQUINTET(BNJ 61006、1957.8.18)
パーソネルは、K・DORHAM(tp)、H・MOBLEY(ts)、S・CLARK(p)、G・JOYNER(b)、A・TAYLOR(ds)
まったく厄介なカヴァ、レイアウトは全く同じ、違いは配色のみ。
恐らく、同時期に陽の目を見たブラウン、ブレーキー、ドーハム、シルバーの未発表テイク集がオリジナル・カヴァを流用し配色を変えてリリースされ、これらに準じた結果だろう。ただ、このQUINTETは全く違う独立した音源なので、もう少し配慮が有っても良かったのでは。
両者の間にはっきりとした演奏クオリティの差は無いのに何故、”QUINTET”は「ボツ」にされたのだろう?
BNでよくあるレコード№は決まっていながら、状況等により「お蔵入り」したケースは多々、あるけれど、、この”QUINTET”音源はRejectは免れたと雖も長年、塩漬けに。
理由を探ってみたところ、強いて言うならば、ドーハムの出来が良過ぎて「主客転倒」している所かな?好アシストしたボールがなんかの弾みでゴール・ポストを・・・・・・・・
モブレーの出来も良いけど、例えば、ドビュッシーの”My Reverie”のドーハムのソロは彼のベスト・パフォーマンスの一つに挙げられるでしょう。また、サブ・タイトルに”FEATURING SONNY CLARK”とクレジットされるクラークのプレイもGooです。
ちょっと不憫なアルバム。
発掘したカスクーナはライナー・ノーツの最後をモブレーの作品について「すべてBeauty and Intelligenceの糸で貫かれている」と締め括っている。
上手いこと言いますね。