新鹿山荘控帳

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DVD「レヴェナント(蘇えりし者)」を観て

2021-06-01 18:12:44 | 芸術鑑賞
久しぶりにDVDを購入、本日見てみましたのでその感想を書いてみます。「レヴェナント(蘇えりし者)」です。
時代は西部開拓時代です。場所はロッキー山脈か。メイキングがないのでわかりません。季節は冬です。雪が降る高地でグリズリーに襲われ瀕死の重傷を負った主人公が、息子を殺した男を追跡していく話です。そこに娘をさらわれたインディアンの群れが白人を襲撃してくるのです。
まず第一印象は、冬の山脈の大自然の映像は素晴らしいです。撮影隊は大変だったろうと思います。ですからアカデミー撮影賞も受賞しています。
さてデカプリオがアカデミー初受賞という惹句で購入したのですが、この年はアカデミー賞不作の年かと思ってしまうほどの拍子抜けです。確かに雪山での雪まみれののたうち回るシーンやいかに冷たそうな渓流での格闘シーンなど多分スタントマンは使っていないでしょうから大変な撮影と思いますが、先ほど述べました通り一人で息子の仇を追いかけますので、会話が全くありません。デカプリオのうめき声や叫びばっかりです。
クマの毛皮を十分に着込んで、激流に流されるシーンなどを見ますと、毛皮の重ね着では水がしみ込んで猛烈に寒いだろうし、岸に上がっても何枚もの濡れた毛皮をどうやって乾かすのか心配になります。
続いてR15指定の映画です。クマに食われた死体などが出てくるのかと思いましたが、グリズリーに襲われて食いちぎられるかと思いました噛み跡と引っ掻き傷です彼が裸になったとき全身にグリズリーに襲われれば最低でもこのくらいだろうという傷が再現されています。それと、インディアンの部族同士の殺戮の現場とか、頭の皮をはぐのを想像させるシーンなんかが出てきます。
西部開拓時代の開拓者の山での生活がかなり忠実に再現描写されています。西部劇のからっと晴れた明るい情景ではなく、ぬかるんだぐちゃぐちゃの集落やふろに入ったことがないような男たちの酒場のシーンとか、潔癖な日本人ではとても生活でいないでしょう。
さて「サバイバル・アドベンチャー」となっていましたが、いわゆる普通のサバイバル映画とは全く違います。レンジャー部隊の科学的なサバイバルと違い昔のサバイバルが登場します。火をおこす暇がないので野生の動物の内臓をそのまま食べたり、クマにつけられた傷口にその辺の草をもんで張り付けたりします。一つ感心したのは、谷底に一緒に落ちて死んだ馬の解体するシーンがあります。馬の腹を割いて内臓を掻き出すので、食べるものを確保しているのかと思ったら、内臓の無くなった馬の腹に主人公が潜り込んで夜の寒さをしのぐのです。そのようなサバイバルがあるのは知っていましたが、実際に中に潜り込んで割いた腹を閉じて冬の夜をしのぐのです。朝切り口を開けて主人公が出てくるのですが、当然デカプリオは馬の血だらけです。この辺がR15指定なのかもしれません。
一つ驚いたのは、火をおこすシーンでアマゾンなんかで売っている火起こしセットの、鋼の棒と火打石をこすって火をおこします。西部劇の映画では焚火をおこすのにどうやって火をつけていたか今そんなシーンを思い出しているのですが。
ブーツのかかとで硫黄マッチをこすって火をつけるシーンはよくありますよね。
サバイバル・アドベンチャー巨編だそうですが、全編の80%はデカプリオが会話をしていません。これで主演男優賞です。
実話だそうですが、主人公の調査が十分行われたのか疑問です。ただ息子の仇を、うなりながら雪山をはい回っている男の話でした。人種差別的な情景もたくさん出てきます。現在では映画にすらならないでしょうね。

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