あすきなまこブログ

七宝焼を焼いています。

ごはんとおなじ

2008-11-02 21:06:07 | アート・クラフト
母の友人で油絵をやっているひとのグループ展のお知らせが来たらしく、また見に行ってあげなくちゃ…と、母が言ってました。
そのひとも73歳だっけ…長いことよくやっていらっしゃいますなあ…などという話に。油絵は作品がたまっていくと場所とるからなあ…、どうしているんだろうね。死んだら、どうするつもりなんだろうね…などというシビアな話にまで発展。

そして、母とわたしは、いつかNHKで見た、東京芸大出身の高齢のご婦人が、自分の絵をパレットナイフでびりびりと「これもダメ、あれもダメ。」と、どんどん処分していく映像を思い出しました。…あの年齢で東京芸大出の女の人…って、すごいんじゃないですか?
それでも、あんなふうに、自分の才能に見切りをつけなくてはならないとは…。

でも、ああいうのって、ごはんと同じだよ、って話しました。
ごはんは、作って、お皿に盛って、食べて、おしまい。絵は、描いて、仕上げて、見てもらって、おしまい。もちろん、ピカソだの、ゴッホだの、長く残り、すごい値段がつき(まあ、値段のことはこの際どうでもいいのですが)、多くの人に見てもらう人たちもいますが、それだって人類が滅亡したらおしまい。少し長いスパンの、心のごはん…って言っちゃっていいんじゃないでしょうか?

だけど、食べたらなくなってしまうものだからって日々のごはんをいい加減にしていいものではない。
絵も同じ。まんがも、小説も同じですよね。映画やゲームも。
だから、作って、食べて、そのとき体や心のなにがしかの栄養になって、それでいいんじゃないのかなあ。
あ、絵などの創作物に関しては、栄養ばかりじゃなくてもいいよ。なんじゃこらあっていうものでも、いいじゃない?たまにはそういうの、心に取り入れたい時もあるし、毒が薬になるときだってある。ゲージツは、それでいいんだよね。
あと、失敗することがあっても、ま、しかたないじゃん。料理だって大失敗することあるし。

つまり、いつか消えてなくなることを恐れないで、日々ごはんを作るのと同じ気持ちで、創作したらいいんじゃないかしら…とこのごろは思うのだ…という話。
永遠を夢見てしまうことはあるけれど(そう、そんな夢を見て、刷りすぎた同人誌の在庫がアタシの部屋にはこんもりと…。はい、バカと言って下さっていいです。一生イベントに出続けて、一回のイベントで2冊ずつ売ったら大丈夫だわ!なんていう計算で刷部数を決めたりしていました…。)、そんなものこの世には存在しないし、それでいいんだよね…って思うよ。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うん (涼川)
2008-11-03 21:30:36
なんか泣けた(ノД`)
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ありがと! (あすきなまこ)
2008-11-04 08:16:35
(*^^*)
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なんか ガーン (山吹あらら)
2008-11-05 19:01:00
「地球上の他の動物とは違う事、人間には文化があるんだ。文化は世界を変えないかもしれないけど、心と生活を変えていく。」

・・・と、大好きな芸術家さんが言うてました。


私はゲージツを敬遠している所があったんですけど、「こころのごはん」、そう思うとスッと納得したというか・・・いや、どっちかと言うとガーン!となりましたぞ。

ああ、やっぱり なまこさんは凄いの。
今日も勝手に影響されて心が震えるワタシでありました。
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照れ… (あすきなまこ)
2008-11-05 23:23:54
あわわ、あららさんにほめられた!
いやー、なんかあたしは口ばっかりなので、いつも前に進むべく、手を動かしていらっしゃるあららさんを尊敬していますよ。

わたしは、ほんとうに永遠を夢見やすくて、そしてそのたびに絶望したりしていたのですが、やっとその点ではふっきれた感じです。
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