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作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

事実報道と価値報道

2014年06月11日 | ニュース・現実評論

 

事実報道と価値報道

 
昨日ネットでいくつかのブログ記事を読んでいるとき、たまたま門田隆将というドキュメント作家らしい方の記事に行き当たった。そこで『お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事  2014.05.31』という論考が掲載されていたので読んだ。

門田隆将オフィシャルサイト | kadotaryusho.com http://www.kadotaryusho.com/blog/2014/05/post_758.html

「お粗末な朝日新聞「吉田調書」のキャンペーン記事」2014.05.31
http://www.kadotaryusho.com/blog/2014/05/post_758.html

 「朝日新聞の「抗議」を受けて」2014.06.10                              http://www.kadotaryusho.com/blog/2014/06/post_759.html


福島第一原発(1F)の事故で陣頭指揮を執って亡くなられた吉田昌郎所長が、生前に政府事故調査委員会の聴取に応じて作成された調書、いわゆる『吉田調書』が、吉田所長自身の上申によって「公表」はされないことになったこと、またそれに関連して、その時の福島第一原発の危機に際して「七〇〇名の所員たちの九割が吉田所長の命令に違反して、現場から福島第二(2F)に逃げた」こと、それらが何かスクープのようにテレビで報道されていたのを聞いて知っていたからである。

私は朝日新聞を購読していないので、実際に朝日新聞がどのような記事を書いていたのか確かめていない。しかし、テレビを主な情報源として(NHKだったのか他の民放局だったのか記憶にない)それらのニュースに接したとき、

かねて情報は原則として公開されるべきだと私は考えていたので、「どうしてなのかな、政府が意図的に隠蔽しようとしているのかもしれない。しかし政府をそこまで勘ぐっても仕方がないし、亡くなった吉田昌郎所長自身が上申されているのであれば、そこに何らかの事情が、プライバシーの問題などがあったのかもしれない」ぐらいに思って済ませていた。

マスコミなどはこのいわゆる「吉田調書」の非公開を批判していたが、しかし、聴取に応じた吉田所長自身が本当に非公開を希望していたのであれば、吉田氏の意向も尊重されるべきであることは言うまでもない。

このいわゆる「吉田調書」非公開の報道と並行して、福島第一原発の危機に際して「東電七〇〇名の所員たちの九割が吉田所長の命令に違反して、現場から福島第二(2F)に逃げた」ことも何かスクープのように報道されていた。

だからそれを聞いたとき「東電の職員は無責任だな、誰でも自分の命が惜しくなれば逃げ出すのかな。それにしても日本人の職業倫理も地に堕ちたものだな」ぐらいに思っていた。

しかし、たまたまネットで門田隆将というドキュメンタリー作家らしい人のブログを読んでいて、福島第一原発の危機に際してとった東電の職員たちの行動が、必ずしもテレビなどで報道された通りでもないらしいことがわかった。九割の東電職員らが福島第二原発へと避難した折りのくわしい実情が少しわかった気がした。そういう事情があったのかもしれないと。


この門田隆将というドキュメンタリー作家は実際に故吉田昌郎所長などに長時間インタヴューしたらしいから、それなりに事情に通じていると思われる。さらに門田氏のブログ記事を読んでみると「「所長命令に違反」して九割の人間が「撤退した」というのは正しくない、「それは誤報であり、すなわち故吉田所長の部下たちを貶める内容の記事となるのである。」と門田氏は述べられていた。

たしかに、朝日新聞の報道のように、もし「吉田昌郎所長の命令に反して東電職員の人たちが、福島第二原発に避難した」とするのであれば、このニュースを聞いたときに感じる印象は、東電職員の方々に対する不信感や怪訝として刻まれるのは避けられないと思う。

しかし、もし吉田所長の本心が所員たちの避難をその時にすでに想定していたのであれば、東電職員が福島第二原発(2F)に移動したことは、決して「所長命令に違反して」ということにはならない。もしそれが真実なら以前の報道を受けて生まれた、避難した東電職員たちに対する不信感なども訂正しなければならないと思った。

要するに、福島第一原発の事故に際して取られた故吉田昌郎所長や東電職員の対応において、「所長命令に違反」して九割の人間が「撤退した」という報道が、果たして事実を正確に伝達しているかどうかということである。

既に吉田昌郎所長は亡くなられているし、ご本人に確認しようもない。吉田昌郎所長が調書の公表に危惧していたのも、ご自身の発言がそうした文脈を離れて一部だけが切り取られたり、曲解されたりすることを恐れてのことだったのかもしれない。

調書における故吉田昌郎所長自身の発言についても、上申書のなかに「自分の記憶に基づいて率直に事実関係を申し上げましたが、時間の経過に伴う記憶の薄れ、様々な事象に立て続けに対処せざるを得なかったことによる記憶の混同等によって、事実を誤認してお話している部分もあるのではないかと思います」と謙虚に述べている。

たしかに人間は主観的にしかものを見れないし、それにもかかわらず、人間の自我は往々にして、自己を絶対化し、自己の「思いこみ」や考えに固執する。そして、それを他者にも伝達する。

今回の報道に限らず、原子力発電の再稼働や「秘密保護法」そして今、論争になっている「集団的自衛権」の問題に関する記事や報道においても同様のことが言えると思う。

だから、私たちが生活上ニュースや報道を受取らなければならないとしても、それは新聞記者やマスコミ人、様々な学者、専門家たちのそれぞれの立場から発せられる発言であり認識であるに過ぎないこと、そのことをよく自覚しておくことだと思う。そのことを改めて考えさせられる報道だった。

もし朝日新聞の報道のように「吉田昌郎所長の命令に反して東電職員の人たちが、福島第二原発に避難したのであれば、」このニュースを聞いたときに感じたように、東電職員の方々に対する不信感や怪訝が生まれるのは避けられないと思う。

以前にもツイッターで呟いたこともあるけれど、新聞記者が記事を書くとき、そこに主観的な価値判断や先入見のイデオロギー(価値報道)を持ち込むことなく、「事実」の客観的報道(事実報道)に徹することを記者たちに求めることの難しさを改めて感じた。もちろんその背景にマスコミ人各人の資質や彼等の受けた教育、国民文化、記者としての職業訓練の質といった問題もあるのだけれども。事実認識とそれに対する価値判断との関係をどう捉えるか、という問題にもつながる。

やはり私たちに出来ることは、新聞やテレビから報道を受取るとき、その報道を「一応の仮定の事実」として「信じつつ疑う」、あるいは「疑いつつ信じる」という態度で接することだと思う。そうして誤解や偏見から生まれる余計な軋轢から少しでも身を守ってゆく以外にこれといった特効薬もないのかもしれない。

ある事柄に関する真実というものは、その事柄に関してあらゆる角度から全面的に客観的に、多くの知識や情報が提供されることによって明らかになってくる。そしてそれを前提として、その際に真実を洞察する最良の武器は論理的に推理する能力である。

現象についての情報や知識が多面的に客観的に知らされてゆくことの中から、そしてそこに論理必然性を追求することのなかから、真実や真理が浮かび上がってくる。この弁証法の認識論を確認すると共に、改めて情報公開の決定的な重要性をまた確認することになった。

 

 

 

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4月5日(土)のTW:移民問題について

2014年04月06日 | ニュース・現実評論

 
 

移民問題について。少子高齢化による人口減少や、2020年の東京五輪誘致による土木建築現場での労働力不足を予想して、最近チラホラ移民についての話題も聞くようになった。ドイツやイギリス、スウェーデンなどヨーロッパの移民政策の結果と現状はどうか。よく学習して同じ過ちを繰り返さないよう。


一昔前夢見る理想主義者たちによって、多文化共生主義などが虹とバラ色で主張されるのを聞いたことがあるが、人間に関しては性悪説で対処した方が結果として悲劇や失敗を避けることできるように思う。20年ほど前にすでに西尾幹二氏などが時代の風潮に逆らって『労働鎖国のすすめ』など出版されて


労働力移入に反対されていたけれど、今にしてみれば良く先見の明を示されていたと思う。今日の在日朝鮮人問題も日韓併合によって異なる民族が同じ国家に存在するようになった結果としての「悲劇」であり「災厄」である。ユダヤ・パレスチナの民族問題の軋轢も五千年を経過しても解決のメドも立たない。


 
※追記
 
移民問題についても、排外主義や民族憎悪、宗教偏見といった単なる感情論に囚われ振り回されることなく、後世や子孫に問題を残さない問題解決は何か、という観点から、いわゆる「移民問題」は慎重に研究される必要がある。しかし現実にヨーロッパの例に見るように非常に困難な問題になる。
 
移民問題の本質は国内の人口問題、労働問題であるから、機械化、ロボット、合理化による省力化、少子高齢化対策、出生率の向上、女性や高齢者の活用など、人口減少対策にまず全力を挙げるべきだ。安易に移民に頼るという発想があるとすれば、あらゆる意味でその禍根は深刻なものになる。
 
また国内労働問題として、労働組合の利権集団化を止めさせ、いわゆる正社員、「正規」労働、不正規労働といった前近代的な身分格差をなくし、同一労働、同一賃金を基本原則として、労働者の失業対策を万全なものとしながら国内の労働市場の流動化、活性化を図ることも必要だと思う。勤労者、大衆の生活基盤が安定向上すれば、出生率も向上し、市場における需要も増大する。
 
まずは国内に存在する失業対策、最低賃金の向上の取り組みなどと並行して、とくに若年失業者対策に力を入れてゆくことにまず全力を挙げるべきで、とくに政治家は外国勢力の手先でもあるまいし、安易に「移民」云々すべきではないだろう。安易な道に逃げるのではなく、少子化対策、労働市場の活性化など、より困難な国内の労働経済問題にこそ取り組まねばならない。
 
 
 
 
 
 
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1月17日(金)のTW:明治憲法の正しい解釈と『国体の本義』

2014年01月18日 | ニュース・現実評論

丸山眞男らの「ファシズム論」に対する先行する批判的研究。佐藤雉鳴氏「超国家主義論を読む」 p.tl/FD-u


産経新聞の宮家邦彦氏「靖国参拝は基本的に内政問題」というトンデモ認識。靖国問題は第一義的には神道指令に始まる日米問題である。この人は外務省出身とあるが少しは昭和史を学んでもらいたい。そんな認識で靖国をめぐる外交戦術は無理である。
sankei.jp.msn.com/politics/news/…

shuzo atiさんがリツイート | RT

「丸山真男も井上哲次郎と同様に、この「徳」を忠孝等の「徳目」と誤って理解しているのである。天皇が「徳目」を定めた事実などはないから、この文章は教育勅語の事実に反しているというのが本当である。」佐藤雉鳴:超国家主義論を読む p.tl/FD-u


戦後の克服のために検証を要すべき論説。「本来ならば八・一五の日は、教育勅語の誤った解釈が超国家主義の基であり、あの戦争が大日本帝国憲法と教育勅語に違背したものであることを反省すべき日だったのではないか。」佐藤雉鳴:超国家主義論を読む p.tl/FD-u


「教育勅語の誤った解釈を放置したために、GHQから神道指令が出され今日の政教問題や教育問題にまで繋がってしまっているのである。放置のツケは限りなく大きい。」佐藤雉鳴:超国家主義論を読む p.tl/FD-u


「丸山真男の「超国家主義の論理と心理」は単なる感想文の類の論文である。超国家主義の生成過程は何ら示されず、GHQの神道指令に便乗して書かれただけのものである。ただ直観的に教育勅語から演繹して書いたあたりは、・・・」超国家主義論を読む p.tl/FD-u


「学者として不誠実ながら巧妙だというべきだろう。この教育勅語の誤った解釈は井上哲次郎をはじめとする我が国知識人すべての罪である。そしてその誤りを訂正もせず、かつこの丸山論文を放置してきた戦後の知識人の罪は、・・」超国家主義論を読む p.tl/FD-u


「明治憲法にも不備があったことは否めない。内閣の規定その他、足りないものはある。しかし明治憲法が偉大なる成文憲法であることは論を俟たない。この明治憲法の正しい解釈と『国体の本義』の相違を示して、初めて有効な評価である。」佐藤雉鳴: p.tl/FD-u


「高い意識で『国体の本義』の評価を行った著者には敬意を表したい。しかし大日本帝国憲法と教育勅語の正しい解釈との比較がなければ『国体の本義』の誤りは剔抉できない」佐藤雉鳴:超国家主義論を読む p.tl/FD-u


小野田寛郎さんがお亡くなりになったそうです。もっと生きて活躍して欲しかった。戦前が否定的にのみ捉えられがちな戦後にあって、戦前を「肯定的に」生きて来られた数少ないお一人だった。ご冥福をお祈りします。 5.tvasahi.jp/000019747?a=ne…


「生き抜く」最後の日本兵・小野田寛郎: youtu.be/I55pGrmbX1c@youtubeさんから


佐藤雉鳴氏は美濃部達吉の「天皇機関説」を肯定的にのみ論じているが、この「天皇機関説」の登場が、なぜ金子堅太郎たちによる排撃運動を呼び起こし、むしろ「国体の本義」に連なる国体明徴運動の誘因になったのか、


この美濃部の学説の罪について、欠陥についての否定的側面につての洞察と検証がない。【超国家主義論を読む】 p.tl/FD-u


「直接行動に依り所謂支配階級を打倒し、戒厳令下に軍政府を樹立し、憲法を停止し、枢密院、貴族院を廃止し、私有財産を制限する」
昭和戦前の赤い将校。帝国憲法を称揚するものは2・26事件を徹底批判して整合性がある。同様に文部省「国体の本義」も否定しなければ支離滅裂となる。

shuzo atiさんがリツイート | RT

@kuzukazura こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。


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1月12日(日)のTW:「生存のリアリズム」

2014年01月13日 | ニュース・現実評論

福澤の「生存リアリズム」の再興、これこそが今年の日本の最大のテーマでなければならないと思うのである。(拓殖大学総長・渡辺利夫)【正論】年頭にあたり 今こそ、福澤の「脱亜論」に学べ - MSN産経ニュース sankei.jp.msn.com/politics/news/…


西尾幹二氏のテーマ「あの戦争は何かについての議論は止まっているのか。そうではなく「新しい教科書運動」を始めたのは、共産主義の否定だけではなくて、・・」安倍首相"電撃"参拝激論!「靖国のすべて」 新報道2001 2014年1月12日: youtu.be/1e2VPpB4cNM


・・・アメリカから独立してこの国をしっかりとした国にして行くこと。あの戦争は何だったかについての議論は続いている。」安倍首相"電撃"参拝 激論!「靖国のすべて」 新報道2001 2014年1月12日: youtu.be/1e2VPpB4cNM@youtubeさんから


 
 
 

 

池田信夫氏や外務省の戦後民主主義の思想としての低さは、西尾幹二氏らと比較してみれば良く分かる。池田信夫氏は、日本国が「属国」であることを認識していながら・・・・【 池田信夫「日本は「属国」から脱却できるのか」 】

 
 
・・・・・・、西尾幹二氏のように「アメリカから独立して この国をしっかりとした国にして行くこと(反米ではない)」という肝腎の主体的な倫理的根幹を持たないことである。【 池田信夫「日本は「属国」から脱却できるのか」 】



※追記20140113

昨日、1月12日の池田信夫氏のブログでたまたま「日本は「属国」から脱却できるのか」という記事を読んだ。そこで池田氏は「米軍にただ乗りしてのんびりやっていく現状維持がいいのかもしれない――アメリカが許容してくれれば。 」と皮肉に結論づけている。
 
こうした池田氏や外務省に代表される戦後民主主義の知的レベルの低さは、「サンフランシスコ体制を正面から否定する」としか言えないその馬鹿さかげんと、現状維持のぬるま湯から抜け出せないことにある。しかし客観的な状勢はもはやこれまでのようにはそうした怠惰を許さないだろう。
 
戦後民主主義者たちの彼らには、西尾幹二氏のように「アメリカから独立してこの国をしっかりとした国にして行くこと」という肝腎の主体的な倫理的根幹を持ちえない。もちろん西尾氏は単純な「反米主義者」などではない。
 

2014.1.10 03:06

 拓殖大学総長・渡辺利夫

 歴史は循環するものだとつくづく思う。現下の極東アジア情勢は、開国・維新から日清・日露戦争にいたるあの時代の「生き写し」ではないかと思わされるほどである。往時の極東アジア地政学を慧眼(けいがん)のオピニオンリーダーがどう捉えていたのか、その言説が現時点から振り返っても正鵠(せいこく)を射たものであれば、現在のわれわれがどう立ち居振る舞うべきかをその中に読み解く、そういう知的営為を欠かすことができない。

 《亡国の危機背に書いた言説》

 国際情勢判断に寸分の狂いでもあれば亡国につながるという緊迫の状況下で書かれた言説こそが、危機の時代にあってなお幻想的なポストモダニズム気分を拭うことのできない日本の世論をまっとうなものとする唯一の方法にちがいない。日本の領域を侵犯し、日本人の歴史認識に刃向かう中国、韓国を眼前にしていると、明治18年、福澤諭吉がみずから創刊した『時事新報』に「脱亜論」を執筆したときの気分が私にもわかるような気がする。

 アヘン戦争以来の列強による「西力東漸(せいりょくとうぜん)」の危機が迫る中にあって、李朝末期の朝鮮は政争と内乱に明け暮れ、文字通りの「末期」的症状を呈していた。始末の悪いことに朝鮮は清国との服属関係(清韓宗属関係)にあり、内乱に際しては宗主国清に派兵を要請して事を収めるという体たらくであった。清国はといえば、もう一つの属邦ベトナムをフランスによって侵犯されながらも、大量の兵を朝鮮に派することを辞さない。

 ここで、福澤は朝鮮の自主独立をめざす開化派への支援の思いを深める。多数の朝鮮留学生を慶應義塾に受け入れ、門下生を朝鮮に派遣してハングル紙『漢城周報』を刊行。密(ひそ)かに開化派への武器供与をも企てた。朝鮮が清国との服属関係を断ち日本の明治維新にならう近代化を成し遂げねば、列強の餌食となることは火を見るより明らかだと語り、そうなれば日本も危うい。「我(わが)ためには恰(あたか)も火災の火元を隣家に招きたるものにして、極度の不祥を云(い)えば日本国の独立も疑(うたがい)なきに非(あら)ず」。脱亜論に先だつ明治14年に福澤はそう予言していた(『時事小言』)。

 《開化派敗れ清と朝鮮に憤激》

 しかし、開化派による守旧派打倒のクーデターが清兵の介入によって「三日天下」に終わり、首謀者が日本に亡命するという惨たる事実が明らかとなった。ここで福澤は脱亜論をもって清国と朝鮮に対する憤怒を露(あら)わにしたのである。「我輩を以(もっ)てこの二国を視(み)れば、今の文明東漸の風潮に際し、迚(とて)もその独立を維持するの道あるべからず」といい、ならばわが国は「寧(むし)ろその伍(ご)を脱して西洋の文明国と進退を共にし、その支那、朝鮮に接するの法も隣国なるが故にとて特別の会釈に及ばず、正に西洋人が之(これ)に接するの風に従て処分すべきのみ」と断じた。

 清韓宗属関係の切断を狙って日本が清国に挑んだ戦争が日清戦争であり、これに勝利して日本は朝鮮と大陸への地歩を得る。しかし、日本が清国から遼東半島の割譲を受けたことに反撥(はんぱつ)したロシアが独仏を巻き込んで三国干渉の挙に出た。このロシアの南下政策に抗する日露戦争に日本は国運を賭して戦い、これにも勝利して列強の一角を占めたのである。

 日本の近代史の序幕に福澤という言論人を得たことの意味はまことに大きいといわねばならない。福澤の脱亜論が日本のアジア侵略の理論的先達であるかのごとき愚論がいまなお語られているのは、驚くべきことである。自国の存亡を賭して血を吐くように絞り出された脱亜論の文章を、後世のイデオロギーで断罪しようというのは、ただの知的退嬰(たいえい)である。

 《中華帝国と韓国の事大主義》

 中国の海洋への膨張が著しい。防空識別圏なるものが尖閣諸島を巻き込む形で設定された。「中華民族の偉大なる復興」が近年の中国のスローガンである。史上最高の栄華を極め、最大の版図を築いた清(大清帝国)への回帰願望の表出である。現在の中国は新帝国主義国家へと変貌した。

 この事実を目の当たりにした韓国が、朝鮮に伝統的な「事大主義」(大に事(つか)える思想)への先祖返りを鮮明にしつつある。中国に寄り添いつつ日本を貶(おとし)める反日シンドローム国家へと韓国は変じてしまったのであろう。アヘン戦争以来の「失われた歴史」を回収して新帝国を築かんとする中国の意図、朝鮮の事大主義への強い傾斜は、いずれも伝統への回帰であって、そのベクトルは強靱(きょうじん)である。

 支那、朝鮮への対応は「正に西洋人が之に接するの風に従て処分すべきのみ」と福澤はいうのだが、現在の文脈でいえば、抑止力を背後に擁して外交に臨むのでなければ何ごとも解決しない、という意味に他ならない。日米同盟における集団的自衛権行使容認は喫緊の課題である。福澤の「生存リアリズム」の再興、これこそが今年の日本の最大のテーマでなければならないと思うのである。(わたなべ としお)

(c) 2014 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
 
 
 
 

 

 

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12月29日(日)「Japanese war crimes: I’m sorry?」Adrian Salbuchi

2013年12月30日 | ニュース・現実評論

Japanese war crimes: I’m sorry? ? RT Op-Edge p.tl/kaFW


 
 
※以下20141027追録
 

Japanese war crimes: I’m sorry?

Adrian Salbuchi is a political analyst, author, speaker and radio/TV commentator in Argentina.

Published time: December 27, 2013 12:24
: Japanese Prime Minister Shinzo Abe visits the controversial Yasukuni war shrine in Tokyo on December 26, 2013, in a move Beijing condemned as

: Japanese Prime Minister Shinzo Abe visits the controversial Yasukuni war shrine in Tokyo on December 26, 2013, in a move Beijing condemned as "absolutely unacceptable". (AFP Photo/Toru Yamanaka)

 

China and South Korea are very angry with Japanese Prime Minister Shinzo Abe because he visited the Yosukuni Shrine in Tokyo honoring some 2.5 million Japanese – both military and civilian – who died in war.

Many are irate with Mr Abe because, amongst those honored in the 19th Century Yosukuni Shrine, are Japanese World War II heroes, branded as “war criminals” by US occupation forces. The list numbers fourteen “Class-A criminals” involved in “planning the war”, including war-time leader General Hideki Tojo executed by the US in 1948.

Official history

Sad but true: when a country wins a war, not only does it automatically acquire full territorial rights over the vanquished nation, but also full and arbitrary control over cities, land, population, resources, plants, patents, military gear, international rights, etc.

It also acquires the “right” to (re)write the history of the conflict that led them to war in the first place. It acquires the right to impose its own views and reasons as “the truth”, accusing the vanquished country of being “false, evil, wrong, criminal, ambitious,” etc.

It’s as old as mankind: “we’re the good guys; the others are the bad guys.” “Our boys are heroes; the others are devils that deserve to be killed, right down to the last 2-year old toddler.” As 70 years of post-World War Two propaganda has clearly shown, the 20th and 21st centuries are no different.

Japan sticks to its guns

Yes, and they should be admired for that. Compare this to ever self-effacing Germany asking for the world’s forgiveness again and again and again, even though she knows quite well that no matter how many apologies are made, those who run today’s world call the shots in the media, publishing houses and education, will never ever forgive Germany.

Rather than commit historical hara-kiri as the Germans do, Japan prefers to keep a stiff upper lip, stand tall and continue to bear the consequences of military defeat, without descending into moral defeat.

Sure, the Allied Victor’s International Military Tribunal for the East – a Nuremberg-like court aka the “Tokyo Trials” – branded many of Japan’s top military and political leaders “Class A” criminals. However, as far back as in October 2006, Mr Abe’s ideas were voiced in The Japan Times: “[The] 14 Class-A war criminals honored at Yasukuni Shrine are not war criminals under Japanese law, but the country had to accept the outcome of the Tokyo Tribunal to become an independent nation. Abe told the Lower House that because the relatives of the convicted men receive war pensions and one of them - wartime Foreign Minister Mamoru Shigemitsu - received a first class award from the post-war government, "they are not war criminals under domestic laws." The International Military Tribunal, which the Allies conducted between May 1946 and November 1948, put 28 political and military leaders on trial as Class-A war criminals, 14 of whom are now enshrined in Tokyo's Yasukuni Shrine. Abe said they stood trial for crimes against peace and humanity, which were concepts, created by the allies after the war and not enshrined in law.”

Bravo, Japan! If we sincerely wish to punish the war crimes committed by all countries – winners and losers - then we would need a heck of a large International Military and Political Tribunal, free of double-standards and censorship.
Double standards (again!)

Talk about “war crimes” what are we to make, for example, of Britain’s World War II Royal Air Force Commander Arthur Harris (aka, “Bomber Harris” and “Butcher Harris”) who invented and imposed “area bombing” over precision bombing, euphemistically calling it “strategic bombing”; which was just another way of saying, if “it moves on enemy territory just bomb it out of existence!”

Bomber Harris was very successful in unleashing fire storms over Hamburg, Germany in July 1943 (“Operation Gomorrah”) that were later repeated over all major German cites. In Harris’s own words, “the aim of the Combined Bomber Offensive...should be unambiguously stated [as] the destruction of German cities, the killing of German workers, and the disruption of civilized life throughout Germany. ... the destruction of houses, public utilities, transport and lives, the creation of a refugee problem on an unprecedented scale, and the breakdown of morale both at home and at the battle fronts by fear of extended and intensified bombing, are accepted and intended aims of our bombing policy. They are not by-products of attempts to hit factories.”

Wow! Was Bomber Harris ever tried and executed for his crimes?

Not quite. Instead, in 1992 Britain’s Queen Mother personally unveiled a statue honoring him outside St. Clement Danes’ Church in London, whilst many protesters jeered shouting: "Harris was a war criminal!”

 

South Korean conservative activists burn placards during a protest to lodge a complaint against Japanese Prime Minister Shinzo Abe visiting the Yasukuni war shrine to mark the first anniversary of his taking office, in Seoul on December 27, 2013. (AFP Photo/Woohae Cho)

South Korean conservative activists burn placards during a protest to lodge a complaint against Japanese Prime Minister Shinzo Abe visiting the Yasukuni war shrine to mark the first anniversary of his taking office, in Seoul on December 27, 2013. (AFP Photo/Woohae Cho)

The historical truth is that hundreds of thousands of German men, women and children – civilian and military – died or were maimed for life thanks to Bomber Harris’s creative thinking.

And what about “democratic” politicians like US Franklin Roosevelt, Britain’s Winston Churchill and their military leaders who joined forces to destroy the German open city of Dresden in February 1945, when Germany’s defeat was only weeks away and that city had become a meeting point for hundreds of thousands of civilian refugees fleeing the fast-advancing Red Army?

On 13th February 1945, the UK sent a first wave of 244 RAF four-engine Lancaster heavy bombers, followed by a second wave of 529 bombers. The next day, the US dispatched over 300 B17 bombers over Dresden. An estimated 300,000 people – mostly civilians including tens of thousands of children – burned to death.

I know, I know… The US and UK had no choice but to murder millions in Hamburg, Dresden, Berlin, Munich, Hannover, Frankfurt, Cologne, Ulm, Tokyo, Kyoto, Osaka Hiroshima and Nagasaki. It was the only way to end that ghastly war. They did it all in the name of “peace”, right? So, Germans and Japanese: don’t complain and say “Thank you” to the allies.

Interestingly, the destruction of Dresden began 24 hours after Roosevelt and Churchill ended their meeting with Soviet leader, Joseph Stalin, in Yalta, where the coming post-war New World Order was beginning to be mapped out. Might the destruction of Dresden have been on the agenda?

OK. But that was back during World War Two.

   South Korean conservative activists shout slogans during a protest to lodge a complaint against Japanese Prime Minister Shinzo Abe visiting the Yasukuni war shrine to mark the first anniversary of his taking office, in Seoul on December 27, 2013. (AFP Photo/Woohae Cho)    

 South Korean conservative activists shout slogans during a protest to lodge a complaint against Japanese Prime Minister Shinzo Abe visiting the Yasukuni war shrine to mark the first anniversary of his taking office, in Seoul on December 27, 2013. (AFP Photo/Woohae Cho)

 

Then what about the 1.5 million dead in Iraq since March 2003, after that martyred country was invaded, raped and destroyed by modern history’s worst liars: Baby Bush, Dick Cheney, Donald Rumsfeld, Paul Wolfowitz, Richard Perle, Douglas Feith, Condoleeza Rice and their nice friends at the Project for a New American Century think-tank and AIPAC lobby, all based on the most blatant and obscene political lie ever told: “weapons of mass destruction” that were never there.

And what about, the complacent blood-thirsty “NATO Allies” with the UK’s poodle prime minister – “Tony BLIAR” as many call him in his own country – tagging along?

And what about the daily murder, humiliation, maiming and house demolitions by the “good” Israelis against the “bad” Palestinians? What, no “International Tribunals”?

The West’s logic is really very simple. So simple, that even George W. Bush and Barack Obama can act out their roles as required by the global power masters.

A guide to war for the modern political Tarzan

For the benefit of millions of Western readers, I’d like to briefly flesh out in “basic Tarzan” how this “logic” works in practice; just to make sure they don’t miss the point: when it comes to “good guys” and “bad guys”, it’s all in the eye of the beholder.

This does not mean that Japan should not be more political and understand the bigger picture of its own interest in closing ranks with China and the region as was mentioned in a recent RT article.

Let’s face it, this is a sensitive issue. The Koreans said PM Abe’s visit to the shrine was a "deplorable" act; Beijing labeled the visit "absolutely unacceptable" and summoned Japan's ambassador. These two countries see the Yasukuni Shrine as a symbol of Japanese militarism during and before World War Two, and it was they who suffered the full impact of the Japanese onslaught.

Shinzo Abe said, "It is not my intention at all to hurt the feelings of the Chinese and Korean people," claiming his visit was an anti-war gesture. He convinced nobody.

He did, however, make it clear that his visit was in a private capacity, not representing the government. He believes the trials that convicted Japan's wartime leaders were "victors' justice". His own grandfather, Nobusuke Kishi, served in the war cabinet and was arrested by the Americans on suspicion of being a Class-A war criminal, although he was later released without charge. Mr Abe is known to be a nationalist and a historical revisionist.

Which ‘history’: Yours or mine?

Revisionism: perhaps here lies the key to a better understanding amongst nations, if we can begin doing away with victors’ “official history” that hides, waters-down, justifies, explains and forgives its own horrendous crimes, whilst at the same time it underlines, over-emphasizes and demonizes the actions of its vanquished enemies. And it often adds two, or maybe even three zeroes here and there as part of its historical genocide cosmetic kit.

There’s certainly irrationality to it all when you consider that this state of affairs assumes as given, that every time there’s war, the good guys (us) always win, whilst the bad guys (them) always lose (otherwise “they” would be in charge, right?): whether it’s World War I, World War 2, Vietnam, Korea, the Middle East, Africa, Central Europe, Latin America…

 

South Korean conservative activists set fire to effigies of Japanese Prime Minister Shinzo Abe during a protest to lodge a complaint against Abe visiting the Yasukuni war shrine to mark the first anniversary of his taking office, in Seoul on December 27, 2013. (AFP Photo/Woohae Cho)

South Korean conservative activists set fire to effigies of Japanese Prime Minister Shinzo Abe during a protest to lodge a complaint against Abe visiting the Yasukuni war shrine to mark the first anniversary of his taking office, in Seoul on December 27, 2013. (AFP Photo/Woohae Cho)

A concept almost impossible to sustain and swallow, especially since it’s obvious that all wars are won by the more powerful party in the conflict, which are those nations having the greatest fire-power to kill, maim, destroy, blow-up, murder, terrorize, bomb, shoot, torture, and have the will to do it without wavering.

If wars are won by the stronger, more violent side, where does that leave the victors morally? Do they win every war because they “love peace”? I don’t think so.

In addition, demonizing the enemy also serves to sooth one’s own conscious, dark fears and guilt. In order for the citizens of the US, UK or France to sleep tight at night, better for them not to grasp the horror their governments and military have unleashed upon millions of Iraqis, Libyans, Syrians, Palestinians, Koreans, Vietnamese, Latin Americans, Africans, Afghanis, Serbians, Pakistanis over the decades.

It’s so much easier to just say, “Oh, they’re all a bunch of Hitlers. The whole defeated lot got what they deserved: Saddam, Gadhafi, the Taliban, Chavez, Milosevic, Ho Chi Minh, Nasser, Peron etc…”

Now do you see why in some countries – Belgium, France, Austria, Germany, Canada – it’s even illegal to dare to utter revisionist views of certain historical events? They call such revisionism “hate literature”.

In my own native land of Argentina, back in 1982 a very good documentary was produced on the life and times of Evita Perón and her violently-ousted husband, President Juan Domingo Perón. He was the only true statesman that ever came to power in modern Argentina.

The lyrics of that film’s theme song repeated the following phrase (sorry, it rhymes in Spanish though not in English): “If history is written by those who win wars, that means that there’s another history – TRUE HISTORY – Let those who wish to hear, listen-up…”

Adrian Salbuchi is a political analyst, author, speaker and radio/TV commentator in Argentina. www.asalbuchi.com.ar

The statements, views and opinions expressed in this column are solely those of the author and do not necessarily represent those of RT.

 ※出典

http://goo.gl/1csuLi

 

 

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池田信夫氏の「哲学の貧困」

2013年12月28日 | ニュース・現実評論

 

池田信夫氏の「哲学の貧困」

ツィッターやブログなどでの旺盛な言論活動で、ネット界においても一定の影響力をもっておられるらしい池田信夫氏が、昨日の安倍晋三氏の靖国神社参拝を切っ掛けに、「靖国神社の非合理主義」について引き続き批判されておられるようだ。

池田信夫 @ikedanob

http://goo.gl/wmnZeM


いわゆる「慰安婦問題」や「原子力発電問題」などでの池田氏の発言については評価しているけれども、思想史問題や宗教問題に関連する池田信夫氏の論評については、氏の「哲学の貧困」や「哲学の低さ」を感じざるをえない。いずれ機会があれば池田氏の丸山眞男観などについても本格的に批判したいと思うけれども、さしあたっては、これまでの池田信夫氏の考え方についての私の感想のようなものを拾い出しておいた。いずれにしても戦後民主主義を代表する丸山眞男氏を無批判に引用する池田信夫氏もまた、「戦後民主主義」という狭い壊れた井戸の中から抜け出すことができない宿命にあるようだ。

 


不完全な立憲君主制
http://goo.gl/XWNgVs

立憲君主主義国家の可能性
http://goo.gl/6vf55p

「山本太郎」現象について
http://goo.gl/07zZSJ

二人の経済学者の論争

http://goo.gl/hRx7MQ

「立憲君主国家体制」の欠陥
http://goo.gl/2Zg1TY







 

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12月26日(木) 事の本質を見誤るな

2013年12月27日 | ニュース・現実評論

政治外交問題とは無関係のはずなのに。国内外で煽り立てるから静かに参拝も出来なくなっている。 fb.me/29pmPpAuD


「キリスト教」も「靖国」も、信仰はもともと「不合理」なものです。不合理であるからこそ彼らは信じるのです。「不合理なるゆえにわれ信ず」テルトゥリアヌス。池田信夫氏の「哲学の貧困 」: 靖国参拝という非合理主義 p.tl/WpQ5


中国共産党の支配下にある中国人は「宗教の自由」「言論の自由」を持たない。その中国共産党による安倍首相の「靖国参拝」批判は内政干渉であり、中国共産党による日本国民に対する言論、思想統制の第一歩にほかならない。日本国民がまずなすべきは安倍晋三氏の宗教、信条の自由を擁護することだ。

1 件 リツイートされました

中国共産党やアメリカからの安倍首相の「靖国神社参拝」批判に便乗してではなく、いわゆる狂信的右翼や国家神道に対する池田信夫氏の「カルト」批判は、日本国内の民主主義の問題として別個に批判すればいい。 @ikedanob @kenichiromogi


 
※ 20131227追
 
安倍首相談話「恒久平和への誓い」(全文)

 安倍首相の靖国参拝に合わせて発表された談話「恒久平和への誓い」の全文は次の通り。

 本日、靖国神社に参拝し、国のために戦い、尊い命を犠牲にされた御英霊に対して、哀悼の誠を捧(ささ)げるとともに、尊崇の念を表し、御霊(みたま)安らかなれとご冥福をお祈りしました。また、戦争で亡くなられ、靖国神社に合祀(ごうし)されない国内、及び諸外国の人々を慰霊する鎮霊社にも、参拝いたしました。

 御英霊に対して手を合わせながら、現在、日本が平和であることのありがたさを噛(か)みしめました。

 今の日本の平和と繁栄は、今を生きる人だけで成り立っているわけではありません。愛する妻や子どもたちの幸せを祈り、育ててくれた父や母を思いながら、戦場に倒れたたくさんの方々。その尊い犠牲の上に、私たちの平和と繁栄があります。

 今日は、そのことに改めて思いを致し、心からの敬意と感謝の念を持って、参拝いたしました。

 日本は、二度と戦争を起こしてはならない。私は、過去への痛切な反省の上に立って、そう考えています。戦争犠牲者の方々の御霊を前に、今後とも不戦の誓いを堅持していく決意を、新たにしてまいりました。

 同時に、二度と戦争の惨禍に苦しむことが無い時代をつくらなければならない。アジアの友人、世界の友人と共に、世界全体の平和の実現を考える国でありたいと、誓ってまいりました。

 日本は、戦後68年間にわたり、自由で民主的な国をつくり、ひたすらに平和の道を邁進(まいしん)してきました。今後もこの姿勢を貫くことに一点の曇りもありません。世界の平和と安定、そして繁栄のために、国際協調の下、今後その責任を果たしてまいります。

 靖国神社への参拝については、残念ながら、政治問題、外交問題化している現実があります。

 靖国参拝については、戦犯を崇拝するものだと批判する人がいますが、私が安倍政権の発足した今日この日に参拝したのは、御英霊に、政権1年の歩みと、二度と再び戦争の惨禍に人々が苦しむことの無い時代を創るとの決意を、お伝えするためです。

 中国、韓国の人々の気持ちを傷つけるつもりは、全くありません。靖国神社に参拝した歴代の首相がそうであった様に、人格を尊重し、自由と民主主義を守り、中国、韓国に対して敬意を持って友好関係を築いていきたいと願っています。

 国民の皆さんの御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
 

(2013年12月26日14時47分  読売新聞)

 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131226-OYT1T00598.htm?from=popin
 
 
 
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12月20日(金)慰安婦像の撤去の請願・アメリカの悟性的民主主義など

2013年12月21日 | ニュース・現実評論

アメリカの悟性的民主主義【Remove offensive state in Glendale, CA public park】 wh.gov/l0PQT

1 件 リツイートされました

カリフォルニア州グレンデール市の公園にある銅像をどうか除去してください。この銅像の碑文は、本質的には日本の人々と国に向けた(民族間の)憎悪を深めることにしかなりません。平和の像の仮面を装った慰安婦の像です。【Remove state】 wh.gov/l0PQT


NANA MOUSKOURI - Hey Jude(+ 再生リスト): youtube.com/watch?v=73dHNT…@youtubeさんから


Nana Mouskouri "guten Abend gute Nacht"(+ 再生リスト): youtube.com/watch?v=TNojzr…@youtubeさんから


Nana Mouskouri - La Paloma (From Mein Athen DVD): youtu.be/laNRCIkTg-Q@youtubeさんから


Elvis Presley - Nana Mouskouri - And I Love you So(+ 再生リスト): youtube.com/watch?v=Mx3Oq9…@youtubeさんから

-TorkK-x6M&index=6

Nana Mouskouri - Parlez moi d'amour(+ 再生リスト): youtube.com/watch?v=BnXKRw…@youtubeさんから

-TorkK-x6M&index=34

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12月18日(水)日本のマスコミ、新聞業界、テレビ業界、芸能界の腐敗と汚染

2013年12月19日 | ニュース・現実評論

海外メディアは、こんなに報じているのに、一行も報じないで、恥ずかしくないのかね、日本の新聞諸君! google.com/search?client=…

shuzo atiさんがリツイート | RT

外国人記者クラブにて記者会見|吉松育美オフィシャルブログ「Beauty Healthy Happy」Powered by Ameba p.tl/Idva

1 件 リツイートされました

記者会見/皆さんの声届いています|吉松育美オフィシャルブログ「Beauty Healthy Happy」Powered by Ameba p.tl/Ueqh


日本のマスコミ、新聞業界、テレビ業界、芸能界の腐敗と汚染の実態は留まるところがありません。

腐敗し堕落した芸能界出身のタレント政治家らを見極める眼を(アメリカにはレーガン大統領という俳優出身の政治家がいましたが)国民が持たないとことには、その付けは、いずれ国民自身が負います。


事なかれ主義の現在の劣化した政治屋らと、警察や外交の官僚たち、また教育者や大学などにはキチンと仕事をしてゆく能力もないようです。結局は国民は自分たちの民度にふさわしい政治しかもてない、ということを証明することになります。警察全体の人事機構組織の改善も必要です。


マスコミや芸能界の偽善的な腐敗を正してゆくこともできないのなら、自覚を持った一人一人の国民が身近に出来ることから行動し、立ち上がり改善してゆくしかないでしょう。モラルと見識の高い優れた政治家を選び育てて、国政、地方自治体に国民が送り出してゆくことも必要です。


圧力に屈した外務省外郭団体「国際文化協会」はどうなっている。Ikumi Yoshimatsu: Miss International 2012 "The Dark Side of Japan's Ente.: youtu.be/gism4R57Tkg@youtubeさんから


13日に「司法記者クラブ」で行なわれた吉松育美さんの記者会見の記録や動画をなぜ「司法記者クラブ」は公開しない。腐った記者クラブ。国民の「知る権利」はどうなった。記者会見/皆さんの声届いています|吉松育美オフィシャルブログ「Beauty Healthy Happy」 p.tl/f2N8


愛国心は歴史を忘れさせる。(ゲーテ) Der Patriotismus verdirbt die Geschichte.

shuzo atiさんがリツイート | RT

お金は天から降ってこない。地上で稼ぎ出さねばならない。(サッチャー) Geld fällt nicht vom Himmel. Man muss es sich hier auf Erden verdienen.

shuzo atiさんがリツイート | RT

お互い撃ちあうより罵り合うほうがましだ。(チャーチル) Besser einander beschimpfen als einander beschiessen.

shuzo atiさんがリツイート | RT

 
 
 
 
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12月16日(月)のTW:日本の政治家の知性と品格、そしてパチンコ文化

2013年12月17日 | ニュース・現実評論

◆小坂英二 荒川区議「パチンコ廃絶!カジノ法粉砕!」パチンコ廃止を求める会 2013.12.15 - YouTube p.tl/Ffxy


私達の国は、長野オリンピックで浅利慶太、萩本欽一の二人で世界中の人間を失笑させて以来、沖縄サミットで安室奈美恵の絶唱、天皇即位10年記念式典でYOSHIKIの熱演、ASEAN首脳会議でAKB、EXILEのかくし芸と、国際会議でどれだけ笑わせられるかを争う国になってしまった。

shuzo atiさんがリツイート | RT

首相、五輪支援に感謝 出演したEXILE ― スポニチ Sponichi Annex 社会 p.tl/hj1e


日本国の夕食会のおもてなし。国際会議の品格はこれでいい?安倍首相の自覚水準。各国の首脳や大使ら約200人が出席「EXILE(エグザイル)」や「AKB48」のショーも披露。首相は乾杯で「エンターテインメントを楽しみましょう」とあいさつ。 p.tl/HCCh


日本国のために安倍晋三首相は大いに貢献している。その誠意と努力は疑わない。けれども、その政治家の資質は単に国内国際の政治的行動のみで評価されるのではない。文化芸術、伝統、思想哲学などの格の高さにおいて、日本国の戦後政治家たちは、フランスやイギリスなどの政治家にとうてい及ばない。


お金を稼ぐだけの仕事は無益な仕事。(ヘンリー=フォード) Ein Geschäft, das nur Geld einbringt, ist ein schlechtes Geschäft.

shuzo atiさんがリツイート | RT

戦争に備える者が、最も平和維持に貢献できる。(ワシントン) Wer auf den Krieg vorbereitet ist, kann den Frieden am Besten wahren.

shuzo atiさんがリツイート | RT

 
 
 
 
 
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