作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

イチジクの実

2013年09月25日 | 日記・紀行

 

イチジクの実


果樹畑の端に立ち入ったときに、いつも期待しながら見るイチジクに赤い実を付けているのが初めて見えた。これまで青い実は数知れず成っているのは知っていたから、イチジクが赤く実るまでにサルやシカが盗み食いしているにちがいない。

とりあえず野生に近く育てるつもりで、柵も作らず、剪定も虫取りも行っていない。だからサルやシカに枝を裂かれたり、アリに食い荒らされて幹が腐ったりしている。それでも全体としては成長しているのでそのままにしてある。

いつかサルやシカが食べ残した実にありつけるだろうと思っていた。その日が来たらしい。近寄って見るともう一つ実があった。一つは熟れすぎるくらい熟れて皮も薄くなっているが、もう一つはまだ青さを残している。

たった二個の収穫だから誰かにご相伴をという訳にもゆかない。一つはひたすら甘くて、イチジクの味わいは失われていた。少し青みを残した実の方がイチジクらしい味がする。貴重な至福の味覚。

その後雑草刈りなどをだらだら行ったあと、畑を降りようとしたとき、それまでイチジクの葉に隠れて気づかなかったところに、赤い実が三つ垂れているのを見付けた。その一つは残念ながら少し腐り始めている。残りの二つはこれも熟れ過ぎていて甘すぎた。サルも見落としたらしい。出会いが難しい。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9月19日(木)のTW:#中秋の名月

2013年09月20日 | ツイツター
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中秋の名月

2013年09月19日 | 日記・紀行

                                      

中秋の名月

山畑から見た今年の中秋の名月。先日の嵐山や桂川の洪水と激流の日も過ぎて、今日は空に月を見る。昨年はもっと真っ白だったはずだが、今日の月はほんの少し赤みを帯びている。

自然から生まれる人間。自然は人間の母胎であり、とくに精神的存在としての人間は自然の真理として捉えられる。月を眺める人間。人間は自己を意識しているが、月は眺められていることを知らない。

暑かった夏が過ぎ、彼岸花がマジシャンの巧みな技のように土から萌え出る。

 

                          

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9月12日(木)のTW:#気障、#左巻き、#法の支配

2013年09月13日 | ツイツター

法の規定に従って担当法務大臣が職務を執行するのに、なぜ一々左巻き新聞は取りあげ騒ぎ立てるのか。首相の靖国参拝と同じ。>><<東京新聞:1人の死刑執行 政権交代後で6人目:社会(TOKYO Web) p.tl/WZm7


 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆかりにつけてもの思ひける人の

2013年09月12日 | 西行考

 

ゆかりにつけてもの思ひける人の

ゆかりにつけてもの思ひける人の許より、などかとはざらんと、恨み遣はしたりける返事に

803     あはれとも    心に思ふ    ほどばかり
      言はれぬべくは    とひこそはせめ 

親類縁者を亡くして悲しんでいる人の許から、どうしてお悔やみに来てくださらないのですか、と恨み言を送ってきた返事に、

  ただお気の毒と  心の中に思う  ばかりです
      言葉に出して言ってしまえるぐらいなら   
      すぐにでもお訪ねしましたものを

残念ながら資料がなくて、西行にとってどのような関係の人から送られてきた手紙に対する返歌だったのかはわからない。手紙の送り主が、女性だったのか男性だったのかもわからない。ゆかりの人といっても、その悲しみの深さから身近な肉親であったらしい。その手紙の送り主ばかりでなく、亡くなったその人は生前西行にとっても親しかったと思われる。手紙を遣わした人と同じように西行も悲しんでいたのだ。

誰にでも避けることなく訪れる死、この絶対的な制約の中に人は生きざるをえない。送る人も送られ、悲しむ人も悲しまれる。これは定められた人間の性でもある。西行の悲しみは三十一文字に刻まれてある。

はかなくなりて年経にける人の文を、 ものの中より見出して、女に侍りける人の許へ遣はすとて

804    涙をや  しのばん人は  ながすべき
   あわれに見ゆる  水茎の跡

亡くなられてすでに久しいある人から送られた手紙を、たまたま見つけだして、その人の娘であった人の許に、ご覧に入れようとお送りした折りに

   涙を  お父様を偲んでおられるあなたは
   流されるでしょうね  昔なつかしい 
   その筆跡をご覧になって

故人の手紙をいまさらその娘の許に送ることによって、娘がまた涙を流し悲しむことを西行は知っている。しかし、その深い悲しみの涙は彼女にとって慰めにもなったにちがいない。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする