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September 11, 2014 12:00 AM
The Middle East’s Maze of Alliances
It’s increasingly difficult to navigate the web of transitory enemies and allies in the region.
By Victor Davis Hanson
Try figuring out the maze of enemies, allies, and neutrals in the Middle East.
In 2012, the Obama administration was on the verge of bombing the forces of Syrian president Bashar Assad. For a few weeks, he was public enemy No. 1 because he had used chemical weapons on his own people and because he was responsible for many of the deaths in the Syrian civil war, with a casualty count that is now close to 200,000.
After Obama’s red lines turned pink, we forgot about Syria. Then the Islamic State showed up with beheadings, crucifixions, rapes, and mass murders through a huge swath of Iraq and Syria.
Now the United States is bombing the Islamic State. Sometimes Obama says that he is still seeking a strategy against the jihadist group. Sometimes he wants to reduce it to a manageable problem. And sometimes he says that he wants to degrade or even destroy it.
The Islamic State is still trying to overthrow Assad. If the Obama administration is now bombing the Islamic State, is it then helping Assad? Or when America did not bomb Assad, did it help the Islamic State? Which of the two should Obama bomb ― or both, or neither?
Iran is steadily on the way to acquiring a nuclear bomb. Yet for now it is arming the Kurds, dependable U.S. allies in the region who are fighting for their lives against the Islamic State and need American help. As Iran aids the Kurds, Syrians, and Iraqis in the battle against the evil Islamic State, is Teheran becoming a friend, enemy, or neither? Will Iran’s temporary help mean that it will delay or hasten its efforts to get a bomb? Just as Iran sent help to the Kurds, it missed yet another U.N. deadline to come clean on nuclear enrichment.
Hamas just lost a war in Gaza against Israel. Then it began executing and maiming a number of its own people, some of them affiliated with Fatah, the ruling clique of the Palestinian Authority. During the war, Mahmoud Abbas, president of the Palestinian state, stayed neutral and called for calm. Did he wish Israel to destroy his rival, Hamas? Or did he wish Hamas to hurt his archenemy, Israel? Both? Neither?
What about the Gulf sheikdoms? In the old days, America was enraged that some of the Saudis slyly funneled cash to al-Qaeda and yet relieved that the Saudi government was deemed moderate and pro-Western. But as Iran gets closer to its nuclear holy grail, the Gulf kingdoms now seem to be in a de facto alliance with their hated adversary, Israel. Both Sunni monarchies and the Jewish state in near lockstep oppose the radical Iran/Syria/Hezbollah/Muslim Brotherhood/Hamas axis.
But don’t look for understandable Shiite--Sunni Muslim fault lines. In this anti-Saudi alliance, the Iranians and Hezbollah are Shiites. Yet their allies, the Muslim Brotherhood and Hamas, are Sunnis. The Syrian government is neither, being Alawite.
They all say they are against the Sunni-extremist Islamic State. So if they are enemies of the Sunni monarchies and enemies of the Islamic State, is the Islamic State then a friend to these Gulf shiekdoms?
Then there is Qatar, a Sunni Gulf monarchy at odds with all the other neighboring Sunni monarchies. It is sort of friendly with the Iranians, Muslim Brotherhood, Hezbollah and Hamas ― all adversaries of the U.S. Why, then, is Qatar the host of CENTCOM, the biggest American military base in the entire Middle East?
Is Egypt any simpler? During the Arab Spring, the Obama administration helped to ease former president and kleptocrat Hosni Mubarak out of power. Then it supported both the democratic elections and the radical Muslim Brotherhood that won them. Later, the administration said little when a military junta displaced the radical Muslim Brotherhood, which was subverting the new constitution. America was against military strongmen before it was for them, and for Islamists before it was against them.
President Obama and Turkish Prime Minister Tayyip Recep Erdogan were said to have a special friendship. But based on what? Erdogan is strangling democracy in Turkey. He is a big supporter of Hamas and at times a fan of Iran. A NATO ally, Turkey recently refused to let U.S. rescue teams use its territory to stage a rescue mission of American hostages ― two of them eventually beheaded ― in Syria.
Ostensibly, America supports moderate pro-Western consensual governments that protect human rights and hold elections, or at least do not oppress their own. But there are almost no such nations in the Middle East except Israel. Yet the Obama administration has grown ever more distant from the Jewish state over the last six years.
What is the U.S. to do? Leave the Middle East alone, allowing terrorists to build a petrol-fueled staging base for another 9/11?
About the best choice is to support without qualification the only two pro-American and constitutional groups in the Middle East, the Israelis and Kurds.
Otherwise, in such a tribal quagmire, apparently there are only transitory interests that come and go.
― Victor Davis Hanson is a classicist and historian at the Hoover Institution, Stanford University, and the author, most recently, of The Savior Generals. You can reach him by e-mailing author@victorhanson.com. (c) 2014 Tribune Media Services, Inc.
※出典
【 The Middle East’s Maze of Alliances】 Victor Davis Hanson
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September 11, 2014 12:00 AM
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中東における同盟関係の迷路
中東の領域内での転変する敵と味方の網の目をすり抜けることはますます困難になっている。
ビクター・デービス・ハンソン
中東における敵、同盟国と中立派の間の入組んだ迷路を解く図式を考えてほしい。
2012年に、オバマ政権は、シリアの大統領バッシャール・アサドの軍隊を爆撃する寸前だった。
数週間の間、アサドは彼自身の国民に対して化学兵器を使ったので、そして、シリアの内戦における死の多くに対して、現在約20万人に及ぶとされるる犠牲者数に、アサドに責任があるという理由で、彼は社会の第一の敵だった。
オバマの危険な赤信号がピンク色に変ったあと、我々はシリアについて忘れていた。それから、イラクとシリアの広大な地域を通して、イスラム国が、斬首、磔、強姦と大量殺人とともに姿を現してきた。
現在、アメリカ合衆国はイスラム国を爆撃している。ある時はオバマは言う。彼はまだジハードの戦士集団に対して戦略を模索していると。ある時は、オバマは言う。彼はそれを制御可能な問題にまで切りつめたいと言う。そしてある時は、彼は、それを解体するか、あるいは破壊さえしたいと言う。
イスラム国は依然としてアサドを転覆しようとしている。もし現在オバマ政権が、イスラム国家を爆撃するなら、それはアサドを支援することになるのか?あるいは、アメリカはアサドを爆撃しない場合は、それはイスラム国を助けることになるのか?オバマは両者のうちのどれを爆撃すべきなのか? あるいは両方とも爆撃するのか、それともいずれも爆撃しないのか?
イランは、核爆弾を着実に手に入れる途上にある。それでも、今のところは、イランはクルド人(彼らはイスラム国に対して自分たちの命を守るためにために戦っており、アメリカの援助を必要としている地域の信頼できる米国同盟国である)を武装させている。邪悪なイスラム国との戦いにおいて イランがクルド人、シリア人とイラク人を援助するとき、テヘランは友となるのか、敵になるのか、あるいはそのどちらでもないのか?イランの一時的な援助は、イランが核爆弾を手に入れる努力を遅らせることになるのか、急がせることを意味するのか? イランがクルド人に援助を送ったちょうどその時、イランは核の濃縮に関して白状すべきさらにもう一つの国連最終期限をまぬかれた。
ハマスは、イスラエルに対してガザでの戦争に負けたばかりである。その後、ハマスは何人かの彼らの仲間の人々(彼らの一部はファタハに、パレスチナ自治政府の支配する派閥に属していた)を処刑したり、不具にし始めた。戦争の間は、マフムド・アッバス(パレスチナ国家の大統領)は中立の立場にとどまって、平静を呼びかけていた。イスラエルがアッバスのライバルであるハマスを滅ぼすことを彼は望んだか?あるいは、彼はハマスが彼の宿敵であるイスラエルを痛めつけることを望んだか?両方ともか?いずれでもないか?
湾岸首長国などについてはどうか?昔日においては、サウジの一部がこっそりアルカイダに現金を注ぎ込んでいることに、アメリカは切歯扼腕してきた。そして、なおサウジアラビアの政府が穏健で親西側であると思って安心している。しかし、イランが核の聖杯に近づくにつれて湾岸の王国は、今では嫌われものの敵、イスラエルと事実上の同盟関係にあると思われる。スンニ派の君主制国とユダヤ人国家は、共同歩調を取って、急進的なイラン/シリア/ヒズボラ/イスラム教徒兄弟団/ハマスの枢軸に反対している。
しかし、シーア派 ― スンニ派イスラム教のわかりやすい断絶を利用しようともとめてはいけない。この反サウジアラビアの提携では、イラン人とヒズボラは、シーア派である。それでも、彼らの盟友(イスラム兄弟団とハマス)は、スンニ派だ。そして、シリア政府はアラウィー派でそのどちらでもない。
彼らは皆スンニ派の過激派イスラム国に反対であると言う。それなら、彼らがスンニ派の君主制の敵であり、イスラム国の敵であるならば、イスラム国は、これらの湾岸の首長国にとって友人なのだろうか?
それから、カタール(すべての他の近隣のスンニ派の君主制と争っているスンニ派の湾岸の君主国)がある。カタールは、イラン人、イスラム兄弟団、ヒズボラとハマス──米国のすべての敵とある種の友好関係にある。それなら、なぜ、カタールはCENTCOM(Central Command 中央指令)、中東で最大規模のアメリカ軍基地の接待役なのか?
エジプトは、いくらかはより単純だろうか?アラブ春の間に、オバマ政権は、前大統領で泥棒政治家ホスニ・ムバラクが権力を失ってゆくのを助けた。それから、オバマ政権は、民主選挙とそこで勝利した急進的なイスラム兄弟団の両方を支持した。後になって暫定軍事政権が急進的なイスラム兄弟団を排除したとき、オバマ政権はほとんど何も言わなかった。暫定軍事政権は新しい憲法を覆した。アメリカが軍事独裁者を支持する以前には、アメリカは軍事独裁者に反対していた。そして、イスラム教徒に反対する前には、アメリカはイスラム教徒のために存在した。
オバマ大統領とトルコのTayyip Recep エルドアン首相は、特別な友情があると言われていた。しかし、何に基づいてそう言うのか?エルドアンは、トルコで民主主義を窒息させている。彼は、ハマスの有力な支持者であり、時にはイランの味方である。NATO同盟者であるトルコは最近に、合衆国の救助隊がシリアのアメリカ人人質の救出作戦を行う段階でその領土を使わせることを拒否した。──結局は 彼ら二人は首を切られたが──
人権を保護して選挙を開くか、少なくとも彼ら自身の国民を圧迫しない穏やかな親西欧の、共感性のある政府を、表向きはアメリカは、支持してきた。しかし、そのような国は、イスラエル以外はほとんど中東にはない。それでも、オバマ政権は、この六年の間つねにユダヤ人の国から距離を置くようになった。
アメリカは何をなすべきか?中東を孤独に置き去りにすべきか?もう一つの9/11テロのために、テロリストたちが石油で勢いづいた中継基地を建設することを許したままで。
最良の選択については、中東で唯一の二つの親米的で立憲的な集団、イスラエルとクルドを、無条件に支援することだ。
さもなければ、中東のような部族の沼地においては、見せかけの、右往左往する一時的な利益だけがあるだけだ。
────ビクター・デービス・ハンソンは、フーバー研究所とスタンフォード大学所属の古典学者で歴史家。近著『救世主の将軍たち』の著者。author@victorhanson.comに電子メールを送れば連絡をとることができる。(c) 2014 トリビューン・メディア・サービス社
※混迷を深めてゆく中東情勢
前に引用したクラウトハマーの小論(The Problem with Obama’s ISIS Strategy(オバマのISIS戦略の問題)) では、空爆だけによってはイスラム国を壊滅に追いやるという根本目的を達成できないことを主張していましたが、確かに地上軍を、陸軍を投入することなくし て失地を回復できないと思います。原則はその通りですが、しかし、上記のビクター・デービス・ハンソンの小論でもわかるようにイスラム国の勢力が 膨張しはじめているイラク北部地域、さらにシリアでは、地域の当事国の敵対関係が入組んでおり、イスラム国を殲滅することが、アメリカと敵対しているシリ アを援助することになる一方、同じ対立関係にあるイランとはイスラム国を攻撃するうえで協力しあえるのかなど、実際の具体的な戦術のうえで、地上軍の投入というアメリカの政 治的な選択をきわめてむずかしくしています。
イ ラクやアフガニスタンにスンニ派親米政権を確立して、アメリカはそれらを間接的に支援することに よってイスラム国の台頭を押さえ壊滅させることができれば理想的なのでしょうが、実際はアフガニスタンもイラクもそれらの国内政治情勢はむしろ混迷を深め つつあり ます。イスラム国はシーア派でイラク国内にも同じシーア派がいます。アメリカが直接関与することなくしてイスラムテロ勢力を押さえきれないと思います。
ビ クター・ハンソンは「最良の選択は、中東で唯一の二つの親米的で立憲的な集団、イスラエルとクルドを、無条件に支援することだ。」と言っていますが、「イ スラエルとクルドを支援する」だけでは、オバマ政権が目的としている、イスラム国の殲滅という目的は実現できないでしょう。
か といって中東を放棄しアメリカがこの地域を置 き去りにしたとき、そしてこの地域がイスラム国に乗っ取られたときには、さらにアメリカ本土へのテロ攻撃は厳しさを増すと思います。いずれにしてもアメリ カの苦悩は深いですが、そうしてアメリカが中東の泥沼に気を奪われ足を取られることは、北東アジアにおいては中国の膨張政策を容易にさせることになりま す。そうして日本の同盟国アメリカの存在感が世界において相対的に低下してゆくことは、必然的に日本が従来のような一方的なアメリカ依存では立ちゆかなく なって来るということでもあります。日本もさらに自主独立の性格を強めてゆかざるを得ません。アメリカもそれを求めてくるでしょう。このことは必ずしも悪 いことばかりではないと思います。日本国内の朝日新聞問題なども、こうした国際関係を背景にその意義を見ることも必要だと思います。