風のささやき 俳句のblog

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笑顔 【詩】

2023年09月07日 | 
「笑顔」

ポッリポッリと雨が降って来た
傘ももたないから、このままではあなたが濡れてしまうからと
灯りを消した花屋の前で慌てて
自分の手を傘にしようかと、その頭の上に両手を広げてみた
僕のせいではないけれど、この雨を
僕が招いてしまったような暗い気分になった。

台風のような強い風が吹いて、あなたの前髪を揺らし
剥きたての卵のような、おでこを見せて
あなたは、僕の方を向き笑った
ただ、楽しいだけの無邪気な笑顔だ
それにつられて、ほっとして、僕も笑った。

その笑顔に、僕はまた、救われた気持ちになっている
僕は駄目だねの、心に潜ませるお札
また一枚、はがされている
笑顔の威力、また僕に思い知らす、あなただ。



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