Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

アニメ残酷物語

2014-04-22 23:09:16 | コラム

20代アニメーターの平均年収は110万円・・・アニメ業界の 「過酷すぎる現場」(キャリコネの記事より)

去年の春先にアニメーターをしている友人とあった時のことです。
作画監督という責任ある立場で、家にもロクに帰らず徹夜続きの毎日です。
あまりの忙しさに「年明けてから今までの記憶がはっきりしない」と嘆いてました。

広告代理店やTV局の中抜きやらで現場に降りてくる制作費は雀の涙…という話はともかく脇においておきます。
せっかくなので、あまり言われていない現場レベルの見聞をご紹介したいと思います。

例えば、実際のアニメーターさんの仕事の質です。
彼が直す前の元の原画には、僕のような素人から見ても首を傾げたくなるレベルが結構あります。
ましてや韓国など海外に発注を出すと、大半がそんなレベルのようです。
このままでは『作画崩壊』レベルの絵を作画監督はせっせと直します。

現在、年になんと200本を超えるアニメ作品が作られています。
なので新人やあまり上手くない人でもそこそこ仕事はもらえます。
敷居が低く、なり手も多いため報酬も低く抑えられてしまいます。

はじめから質が高くある程度の興行も見込める作品なら、こんなことにはなりません。
しかし、出来る前からそのアニメがヒットするかどうかなんて分からないのです。
なので、どうしても慢性的に粗製乱造気味になります。
結果あまり上手くない人にも仕事が回り、全体の報酬が低く抑えられる堂々巡りです。

確かにジブリやディズニーのようにエリートばかりで収益性の高い作品を作り続けているところもあります。
労働環境もしっかりしていますが、こうしたものばかりでも作風的に型にはまりすぎてちょっと寂しい気もします。

友人によれば、アニメーターによる労働組合みたいなものもできあがってきているそうです。
外野がとやかく言ったところで、結局のところ中から変わるしかありません。
徹夜続きで身も心もボロボロのアニメ野郎たちになんとか気力を振り絞ってもらいたいものです。

人気ブログランキングへ

※web小説‐伝承軌道上の恋の歌‐初めから

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする