Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

ブラック企業論を越えて

2014-04-16 23:21:56 | コラム

1年生担任の50代女性高校教諭、勤務先の入学式を欠席し、長男の高校入学式に出席(埼玉新聞の記事より)

上記事の件の議論が白熱してます。
いわば個人の権利と社会的な義務の線引きの問題です。
近頃、個人主義が見直される風潮が強まっており、タイムリーな話題となったようです。

議論はつきないようですが、流行りのブラック企業論とからめて教諭を擁護する声にはやや違和感を覚えました。

意外ですが、昔のほうが労働時間自体は長かったことが統計上はっきりしています。
バブル期には『二十四時間戦えますか?』なんてCMフレーズもあったくらいです。
サラリーマンだった父も日曜以外は必ず会社に出かけ、夜の十時前に帰ってくることはまずありませんでした。
しかし、一方で企業も従業員への手当も厚く、労働組合との関係も良好で、社会的な義務への意識もあるにはありました。
それに国内経済も成長を続け、やればやるだけ結果が出た良い時代でした。

今と昔で決定的に違うのは、労働時間そのもの以上に、いくら働いても賃金も地位もまるで向上しない不毛さです。
不景気と相まって、企業は従業員を使い捨て目先の利益ばかりになりブラック化したのです。
そんな中、個人の権利≒労働者の権利を主張してブラック企業を批判するのは当然の流れでしょう。

しかし、今必要一番なのは、会社と個人がお互いに譲り合いともに成長していく本来の日本的な企業経営の復活だと考えます。

上記事の先生も日本流に根回しをし周りの理解を得て、息子の晴れの日に臨んだのなら美談だったと思います。
そうした思いやりひとつで、何も個人の権利をハデに振りかざさなくても、穏便に事が済むことも多いんじゃないでしょうか。

人気ブログランキングへ

※web小説‐伝承軌道上の恋の歌‐初めから

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする